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2012年03月21日

カッコよかった秋山準vs武藤敬司

 昨日の両国国技館における王者・秋山準と武藤敬司の三冠ヘビー級選手権は、さすがに見応えのある試合だった。シチュエーションとしては「ノアの秋山に奪われた至宝を、全日本の切り札・武藤が取り返しにいく」ということだったが、私的には「未だに第一線で踏ん張る四天王プロレスと三銃士プロレスの最後の砦同士の激突」(秋山の場合は新日本で言えば、第三世代と同じ括りになるはずだが、四天王に食い込む四天王+1の存在だった)という感慨があった。

 さて、ああでもないこうでもないとあらゆる角度から試合を分析する策士・秋山と、アドリブの天才・武藤の対決だから面白くならないわけがない。じっくりとした展開になると思いきや、いきなり秋山が仕掛けた。バックドロップ、ランニング・ニー、エクスプロイダー…勝負に出た時の秋山の攻めには定評があるが、武藤はこれに浮足立つことなく、断崖式エクスプロイダーを阻止すると、そのままエプロンから場外へのドラゴン・スクリューで秋山の怒涛の勢いをストップさせて、自分のペースに持ち込んだ。

 今の武藤のコンディションだったら、じっくりとした展開になっても秋山が有利だったはず。正直、このところの連戦で膝の状態はいいとは言えず、足をうまく動かせないから小回りが利かない。ひょっとしたら武藤の方が先制攻撃&短期決戦を狙っていたかもしれない。恐らく秋山は様々なことを想定しながら、武藤の裏の裏をかく形で先制攻撃に出たのだろう。対する武藤は、秋山の意外な仕掛けにきっちりと対応した。どちらもさすがとしか言いようがない。

 その後は武藤が膝、秋山が首を狙っていく攻防に。これは共に定石だ。そうした中でひとつのポイントになったのが武藤のムーンサルト・プレス。私はテレビ解説で「これを出して3カウントを取れなかったら、武藤には立てなくなるリスクもある」と喋っていたが、その矢先のムーンサルトだった。果たして、武藤がカバーにいった瞬間に秋山のフロント・ネックロックがガッチリ決まった。秋山いわく「武藤さんが攻撃している中で一番、隙ができるところ」を狙った技だった。

 その後は秋山ペース。武藤は立つことができずに尻もちをついた状態で秋山の膝の乱れ打ちを浴びた。それでもジャンプしてカウンターのフランケンシュタイナーをズバリ! そうした閃き、状態が悪くてもこうした技を仕掛ける強い心が武藤である。「コンディションのいい、悪いなんてのは次元の低い話だよ」と言っていたが、それを体現するような返し技だった。最後は粘る武藤を秋山が奥の手スターネスダストで仕留めたが、武藤は常々口にしている「プロレスはレスラーが立ち上がっていく姿を見せるものでもある」を実にカッコよく見せてくれたと思う。

「時は動いているからよ。切り札がちょっと錆ついてただけだよ。また磨けばいいだけのことだ」という敗者としてのコメントもカッコよかった。

 これで太陽ケア、大森隆男に続いて3度目の防衛を果たした秋山は「外に出て行かないと、ノアの名前が表に出ない。外に発信していくには、これ(三冠王座)は最高の材料」と言った。秋山は古巣・全日本でも、現在の方舟の中でも最前線で戦っていく。そんな秋山もまたカッコイイ。

投稿者 maikai : 2012年03月21日 14:57

コメント

横浜~両国と、二大会連続でビックマッチの主役を張った秋山と武藤。

ノアも全日も、本来は若手がこうした役割を担って然るべきであり、決して良い状況とは言えませんよね。

それでも、こうしてベテランの底力を見せつけられると、世代交代は簡単じゃないなと思い知らされます。

投稿者 拷問コブラ : 2012年03月21日 21:36

この試合は生で観たかった!!

投稿者 岐阜人 : 2012年03月22日 17:46

この試合は、生で見て僕は涙を止められませんでしたよ。
今までで見た最高の試合でした。

投稿者 ウィリアム : 2017年01月15日 10:01

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