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2009年12月31日

お疲れさま、スティーブ

 今日が2009年最後のダイアリーだが、悲しいことを書かなければならなくなった。現地時間の12月29日、コロラド州デンバーのセント・アンソニー・セントラル・ホスピタルでスティーブ・ウイリアムスが咽頭がんのため、49歳の若さで亡くなったという知らせを受けたのだ。

 スティーブは86年7月に新日本に初来日後、90年2月に全日本に円満トレードされて常連のトップ外国人選手として活躍した。スティーブは単に日本をビジネスの場としているのではなく、日本が大好きな人だった。だから私のブロークンなイングリッシュもちゃんと理解してくれて取材もやりやすかった。

 思い出すのは05年2月5日、日本武道館におけるジャイアント馬場さんの7回忌追善興行。スティーブは招待ゲストとしてではなく、自分の気持ちだけで駆けつけてきた。ちょうど出くわしたので控室まで案内したのだが、スタン・ハンセンや天龍さんと嬉しそうに旧交を温めていた。

 そして今年。IWAジャパンの7・19新宿FACEでのカムバックだ。04年7月に咽頭がんになってから丸5年、対戦相手のヘルアントマシン2号が大型だったために必殺のオクラホマ・スタンピードを決めたようとしたところで体勢が崩れて危険な角度のパワースラムのようになってしまって本人は悔やんでいたが、123キロの体を作ってきただけで、私はジーンときてしまった。試合後の囲み取材後、記者団から拍手が自然発生した。「お帰り、スティーブ!」と誰もが生還を喜んだのだ。

 だが運命は冷酷だった。10月25日のIWAジャパン新宿FACEで引退試合を行う予定だったのが、咽頭がんが再発してしまったのである。そして今回の悲報…。

 スティーブ、5年を越える闘病生活は本当に辛かったでしょう。それでも貴方は最後に1度だけ日本のファンにファイトを見せてくれました。ありがとうございました。そして本当にお疲れさまでした。ゆっくりとお休みください。

PS.ご指摘があり、後日に内容を一部訂正しました。

投稿者 maikai : 12:51 | コメント (4)

2009年12月30日

1月3日、お見逃しなく!

「も~う、いーくつ寝ると~お正月~」。来年のことを言うと鬼が笑うという諺があるが、今日は新年の情報をお届けしたい。

 CSチャンネルのGAORAスポーツでは昨日29日から新年1月3日までの6夜連続で23時~24時に全日本プロレス2009総集編を放映。最終日の1月3日放送分は『武藤敬司が選ぶ全日本プロレス2009重大ニュース』ということで、映像を盛り込みつつ、トークがメインの特別番組になっている。で、そこに参加しているのは武藤、お笑い芸人でプロレスファンでもあるビビる大木さん、アイドル・タレントの夏川純ちゃん、そして私なのだ。

 番組上は「あけましておめでとうございます!」だけど、収録は12月下旬の某日、全日本プロレス合宿所にて。名物・浜ちゃんこを突きつつのトークで、これがぶっちゃけ話全開。プロレスの話だけでなく、武藤社長は平気で夏川純ちゃんの年齢詐称疑惑にまでツッコミを入れていた。そして、それに対する夏川純ちゃんの返しもサスガ。また、ちゃんこ係だったはずの浜ちゃんも武藤社長に誘導されて、いつしかトークに参加して“禁断のモノマネ”を披露する破目に。どこの部分が実際に番組で使われるかはわからないが、武藤社長のリラックスした素の顔が随所に出ていて、面白い仕上がりになっているはずだ。

 最後に浜ちゃん、美味しいちゃんこをごっちゃんでした!

投稿者 maikai : 13:16 | コメント (1)

2009年12月29日

09年最後の『S-ARENA』

 昨日は今年最後のサムライTV『S-ARENA』。スペシャル番組として午後9時から2時間のナマ本番だった。出演者はキャスターの三田佐代子さん、私、そして週刊プロレスの佐久間一彦編集長。番組の前半には潮﨑豪、後半には棚橋弘至が特別ゲストとして登場した。

 潮﨑も棚橋も明るいのが素晴らしい。この明るさはきっと2010年のプロレス界も照らしてくれるはずだという頼もしさを感じた。2人は1・4東京ドームで激突するが、対抗戦という枠をハミ出して、新しい時代のプロレスを見せてくれることだろう。印象としては潮﨑はまっさらな気持ちで臨もうしているようだし、棚橋はリングに上がるまでにいかに空気を作り上げていくかという舞台設定を自分なりに模索しているようだった。

 今年の『S-ARENA』を振り返ると、やはり印象に残っているのはレスラーがMCを務める回に出演した時だ。腐男塾が来た時にはMCのカズ・ハヤシも私も壊れかけ、武藤の台本を無視した天才的なアドリブMCに神奈月さんと私が振り回され、小島聡MCはゲストの荒谷望誉のゆる~い空気に「もっと感動的な話をしろよ!」と頭を抱えたっけ。そういう何が起こるかわからないナマ本番のライブ感が結構、面白かった。

 レギュラー放送でも中邑真輔への挑戦直前にゲスト出演した棚橋がプロレス観の違いを熱く語った後に「あっ、今のはオレのキャラじゃなかったですね。カットしてください」と慌ててチャラ男に戻ったり、選手の素顔が垣間見れるのもミソ。

 何だかんだとレギュラーになって来年で6年になるが、ダイジェストであってもインディーや女子などの団体の様子を知ることができるし、それまで取材したことがなかったレスラーとも知り合うことができた。この番組は私にとっても大きな財産なのだ。

 ということで、来年は1月4日の月曜午後9時から、またまた2時間スペシャルでスタート。東京ドームを見終わったら、家に直帰してテレビをつけてください!

投稿者 maikai : 16:15 | コメント (0)

2009年12月28日

日向あずみ引退&DDT09年最終興行

 昨日は昼12時から後楽園でJWPの日向あずみの引退試合。日向がレスラー生活を送った94年から現在までの女子プロ界は男子よりも激動だった。デビューした94年の11月20日には全女が全女子プロ団体を集めて東京ドームに初進出するなど女子プロ人気はピークを迎えたが、その反動は大きく、徐々に衰退。JWPは主力選手の引退や離脱が相次いで2000年11月から3ヵ月間、活動休止を余儀なくされた。一時は所属選手が5人だけになったこともあった。

 今や女子プロはフリー選手が多いが、そんな中で日向が15年間、JWP一筋でやってきたことは改めて凄いことだと思う。引退試合は日向&コマンド・ボリショイvs春山香代子&米山香織というJWP生え抜きによるタッグマッチ。試合的には空回りの感もあったが、それだけ「これがJWPだという試合を見せたい!」という4選手の気持ちが強過ぎたということ。

 引退試合を終えた日向は「みんなと離れるのは寂しいし、明日からどうしよう?」と天然っぷりを発揮していたが「活動休止になったこともあったし、後楽園ホールを借りるお金がない時期もあったから、今日、こうして後楽園ホールできちんと日向を送り出せてよかったです」というボリショイの言葉は本当に重かった。

 日向の第2の人生にエールを送ると共に、今後のJWPにも期待したい。

 夕方6時半からはDDTの2009年最終興行。両国初進出を成功させ、飯伏がプロレス大賞技能賞獲得とノリに乗った1年の締め括りは、バラエティー色よりもシリアスに寄った興行に。メインの石川修司vsHARASHIMAのKO-D無差別級選手権は、勝ちにこだわるHARASHIMAがシビアなローキックと徹底した足殺しで攻め立てれば、王者・石川はHARASHIMAの両腕をかんぬきで極めた上でゴツンゴツンと鈍い音がするヘッドバットを連発。最後のクロスアーム式スプラッシュマウンテンも高角度でバッチリ決まった。

 そしてエンディング。スーパーJカップで新日本のリングに上がったディーノが全選手をリングに集めて「業界最大手の団体に上がって気付いたことがあるの。どうしても新日本プロレスにしかないものってある。でも新日本にはなくてDDTにしかないものもあった。だから胸張っていいと思う。高木三四郎、アンタが十何年前に作り上げたDDTが、最大手に一歩も引かないところまで来たの。次はどんな夢を見よう!? いや、どんな夢見せよう!? アンタがやってきたことの方向性は何ひとつ間違っていなかった。私も飯伏もそれを証明した。だからアンタが舵を取りなさい! 私たちはその船を全力で漕ぐだけ」と新年に向けて涙の誓いを。

 スーパーJカップ1回戦で外道に敗れた飯伏は新日本出撃を宣言し、髙木は「2500年までDDTを続けるぞ! 皆さんに楽しんでいただける、皆さんと共に歩んでいける団体にしたいです」と宣言。

 控室に戻ってきた髙木は「2500年って…俺も含めてここにいる誰も生きてないけど、プロレスはそこまで続いていると思います。来年も両国をやるけど、それは通過点。まだまだ先を見ていますから」と新年への意欲を改めて宣言した。昨日の後楽園ホールから来年7月25日の両国大会のチケット先行発売を開始。大人げない人たちが集まったDDTは疲れを知らない子供のように休まずに動き続ける!

投稿者 maikai : 12:53 | コメント (2)

2009年12月26日

菊タローの世界でみのる&高山は…

 昨日は昨年8月の旗揚げ戦以来のアキバプロレス。アキバプロレスは秋葉原のオタク文化とプロレスを融合した菊タローの世界だ。

 コンセプトは秋葉原を守ろうとするアキバ軍団と、秋葉原を乗っ取ろうとする悪の軍団の戦いというわかりやすいもの。ちなみに旗揚げから3回大会までは秋葉原をホストの街にしようとしていたRionが今回から菊タローと握手。Rionを裏切り者とするキッダーニ男爵率いる悪の軍団が襲いかかるという新展開を迎えた。

 正直、私はアキバ文化、オタク文化には疎いが、それでも楽しめるのがミソ。プロレスファンは菊タローの世界観の中のプロレスを楽しめばいいし、オタク系の人にとってはプロレスへの入口になっている。様々な設定上、キャラ付けされたマスクマンが多いものの、その中身は“本物のレスラー”だから試合はしっかりしているのだ。

 第1試合は秋葉原名物対決のダンボール肉まんvsおでん・カーン、第2試合ではヒーローショーをプロレスにアレンジした天体戦士サンレッド&ウェザーブルー&ウェザーイエロー(菊タロー=実際にアニメの声優も担当している)がクリスマスをこの世からなくそうとたくらんでいるサンタ怪人・三太&サンタ怪人・九郎&戦闘員を懲らしめた。

 第3試合はアップルみゆき、華名、紫雷美央、風香、紫雷イオ、飯伏幸太、佐藤光留がメイド服で時間差バトルロイヤルを行うメイド・ランブル。これはこれで華やかで面白かった。

 こうした趣向を凝らした試合&ストーリー展開にあって、純粋にプロレスを見せてくれたのはセミの田中将斗&マグニチュード秋葉原(岸和田)vs関本大介&円華。必ず本格的な試合をひとつは入れるというのが菊タローのこだわりだ。

 そしてメインはアキバ軍とキッダーニ軍の全面戦争。アキバ軍の菊タロー&Rionに“世界一でかいオタク”高山善廣が加勢、キッダーニ軍のヴァイス&シュバルツには“世界一性格の悪いオタク”鈴木みのるが加勢するというのが今回のウリ。

 私生活でも怪獣オタクの高山はウルトラセブンのフィギュアを持って、おどおどしながら入場。どうやら内気な性格という設定らしい。対するみのるはジーンズの中に服を入れるオタク・ファッションで登場。“世界一性格の悪い…”という大前提があるだけに普段と同じいじめっこキャラだ。ただ、そのいじめ方はパソコンや携帯で2ちゃんねるの掲示板に菊タローやアキバプロレスを中傷する内容の書き込みをするなど、かなり陰湿。さらに高山のウルトラセブンのフィギュアをぶっ壊すという暴挙に出た。

 このまま2人ともオタクキャラのまま終わってしまうのか!? いや、違った。勝利を確信したキッダーニ軍が菊タローが身に付けていた『ONE PIECE』のグッズを投げ捨てると、みのるの表情が豹変! 「お前、何してるんだ!? 俺は『ONE PIECE』が好きなんだぞ!」と怒り心頭のみのるはオタク・ファッションを脱ぎ捨てると、いつもの鈴木みのるに! そしてヴァイス&シュバルツをボコボコにし、さらに高山もビッグブーツで追撃、最後は「スリー、ツー、ワンピース」の掛け声とともにゴッチ式…じゃなかったワンピース式パイルドライバーを炸裂させ、そこに菊タローがムーンサルト・プロレス。アキバ軍の勝利でハッピーエンドとなった。

 みのるも高山も菊タローの世界に浸かってエンジョイしつつ、最後の最後にきっちりと見せてくれたわけだ。「今日が俺の2009年最後の試合なんだぞ!」とみのる。こういう締め括り方も破天荒でいてプロレス愛に満ちたみのるらしい。

 さて、メインの中盤で菊タローが鼻血を噴き出すというアクシデントがあった。それはマスクの表面まで真っ赤になるほどの出血量だったが、それでも菊タローは最後まで自分のキャラを平然と通して大会を締めた。

「馬鹿なことをやってても、プロレスには命が懸かっているんです」と菊タロー。そんなプロレスラーの心意気は、普段はプロレスを見ない人にも伝わったはずだ。

投稿者 maikai : 13:49 | コメント (2)

2009年12月25日

良くも悪くも…初期FMW

 昨日は新木場でターザン後藤30周年&FMW再旗揚げ興行が行われた。タイトルの『良くも悪くも…』は、いい部分でも悪い部分でも初期のFMWを思い出させてくれた興行だったということ。

 いきなり悪い部分を書いてしまうが、イベントとしては出たとこ勝負、行き当たりバッタリのドタバタだった。20年前のFMW旗揚げ時、プロレス・イベントの経験があるスタッフはのちにW★INGを旗揚げした茨城清志氏とレフェリーを買って出たウォーリー山口氏ぐらいしかいなかったが、昨日のスタッフはプロレス・イベントの経験者は皆無という状態。リングアナの久保田氏は選手コールもゴングを叩くのも初めてという状態だったし、音響や照明の演出を出来る人間もいない。進行チェックを頼まれて手伝いにきていたプロレス・イベントに精通しているY氏が急遽、音響と照明までやることになり、さらに某団体のM選手が救援に駆けつけるという有様だった。

 そして私はインターネットのスティッカムTV(26日=20時~21時放映)の解説を前日に頼まれたのだが、実況アナウンサーが不在! 実況と解説ではまるっきり仕事が違う。実況はプロのアナウンサーでなければ無理だ。その意味では大日本プロレスの登坂さんが実況をやっているのは尊敬に値する。また、全日本の解説の時にはモニターを見ながら、どんな場面をどんな角度で映しているかをチェックしつつ喋るのだが、モニターがないから自分の目で見ていることを喋るしかない。結果、実況なしでゲストのグラビア・アイドルの松坂南さん、斎藤えり菜さんととにかく雑談形式で喋るという、私としては恐ろしい展開になってしまったわけだ。また前半の試合ではセコンドがいないから、一番前の本部席に座っていた私はいきがかり上、紙テープを片付けたり、ミス・モンゴルのガウンを受け取ったり、アピールしたい選手にマイクを渡したり…と、ほとんどスタッフ状態。TVの喋りに専念できるのか不安を感じたものだ(苦笑)。

 というわけで大会の進行はグダグダだったが、その分、リングに上がった選手は頑張ったと思う。オープニングは藤田峰雄vs円華、第2試合ではミス・モンゴル&木村響子vs紫雷姉妹のFMW・OGvsインディー姉妹女子プロレスという“しっかりしたプロレス”を提供した上で、第3試合は蟹KINGvsバカボンのパパの下町ヘビー級選手権の“お笑いプロレス”、お笑いの後は高瀬大樹vsサセの異種格闘技戦。圧倒的な強さを見せて「プロレスラーはこんなに弱いのかよ!」と観客を煽った高瀬は、初期FMWで活躍したキックボクサー、上田勝次を思わせた。続いて鮎川れいなvsキャロットのニューハーフ世界王座決定戦。お笑いやニューハーフから異種格闘技戦まで…これは初期FMWの「何が起こるかわからない」「何でもあり」「オモチャ箱をひっくり返したようなプロレス」というコンセプトに沿ったものだ。セミではリッキー・フジ&GOEMON&ザ・シューター1号のFMW・OBがターザン後藤一派の松本トモノブ&グレート・サタ&ザ・すずめに胸を貸した。

 いよいよメイン。大仁田厚&ターザン後藤が約15年ぶりにそろって入場するや、会場の空気が一変! 熱狂という言葉ふさわしい、熱くて激しい空間になった。そう、これが初期FMWの空気だ。それまでグダグダでも大仁田&後藤の登場、そして大暴れによって観客の興奮はピークに達する。メインイベントは私を初期FMW時代にタイムスリップさせてくれた。

 試合後の大仁田劇場。本部席にいた私を指さしてニヤッと笑った大仁田は、ペットボトルの水を口に含むと、レザーのジャケットを着ているというのに私めがけて聖水を大噴射! おかげで発生したオサノ・コール! 大仁田さん、ありがとう(苦笑)。1981年8月のテネシーからの付き合いだもんね。親愛の情として、冷たい水を受け止めました。

 それからポーゴさん、私の肩に手をかけてくれてありがとう。私のレザー・ジャケットは水浸しになっただけではなく、アナタの血もしっかりと付いていました(涙)。

 ということで、私にとっては様々な意味でインパクトの強いクリスマスイブだった。

 最後に真面目なことを書くと、のんびりした昔の時代だったらグダグダ感もひとつの味としてお客さんも優しく見てくれたかもしれないが、今の時代はそうはいかない。昨日は照明&音響を担当したY氏とM選手、レスラーとデューク佐渡レフェリーの機転によってサマになったが、お金を頂くイベントならばスムーズな進行は当然の義務だし、レスラーとレフェリーがリング上に専念出来る環境を作るのは当たり前のこと。 スタッフの方々は初めての経験で戸惑いもあっただろうし、テンパッていたのもわかるが、今回の興行を反省材料にしてプロレス・イベントというものを勉強してほしい。

投稿者 maikai : 18:19 | コメント (1)

2009年12月24日

才気煥発!

 昨日は午後3時からディファ有明で丸藤プロデュース興行、午後6時半から後楽園でスーパーJカップのダブルヘッダー。取材する方も大変だが、掛け持ちで試合をするレスラーはもっと大変。中でもスーパーJカップで優勝した丸藤は自身のプロデュース興行のメイン(丸藤&青木vsスーパー・ストロング・マシン&スーパーSマシン)とJカップ2回戦~優勝決定戦(2回戦=タイガースマスク、準決勝=田口隆祐、優勝決定戦=プリンス・デヴィット)の4試合をやり、しかもプロデュース興行では自分の試合だけでなく大会の進行等も見なければいけなかったから相当ハードだったはずである。

 気軽に天才児という言葉は使いたくないが、やはり丸藤は天才だった。12・6日本武道館の青木戦で8ヵ月ぶりに復帰して一昨日のスーパーJカップ1回戦(vs獣神サンダー・ライガー)が復帰第2戦という状態での1日4試合だったのだ。

 全部の試合を観た後に感じたのは、ちゃんとペース配分もしていたし、先を見据えた戦略を立てていた。スーパーJカップ3試合はオースイ・スープレックス、不知火、ポールシフトとフィニッシュを全部変え、しかも試合の組み立ても全部変えていた。タイガースマスク戦と田口戦は受けのファイトで、特に田口戦は疲労のピークという感じで珍しく技の正確さに欠けるシーンも見られたが、優勝決定戦のデヴィット戦では完全に立て直して、受けのファイトから一転して4試合目とは思えないぐらい動き回った。きっちり計算しながら緩急をつけて4試合を乗り切ったとしたら、やはり天才と言うしかない。

「前回の優勝から5年間、俺は自分の団体でやれることはやってきたっていう自信もあるし、その蓄積を出せたかなと。自分の間というものを大切にして活かしつつ、自分のスペシャルな部分を出せれば」と丸藤。これは実は深い言葉だ。

 1・4東京ドームで対戦が決定したIWGPジュニア王者タイガーマスクは「独創的なレスリングをする選手。ドームは新日本vsノアだけど、僕と丸藤選手には何も遺恨はないし、個人vs個人としての戦いだと思っています」とコメントした。

 2010年、丸藤は日本マット界の表舞台で躍動する!

PS.一昨日、小鉄さんを激怒させた男色ディーノが昨日もやってくれた。臆するどころか入場時にテレビ解説席に座っていた小鉄さんに抱きつくという勇気ある(?)アクションに。放送席を立ってディーノに突進しようとする怒髪天の小鉄さんは凄味タップリ。若手が必死に止めて事なきを得たが、己のスタイルを貫いたディーノがプロなら、「それは許さない!」と顔色を変えて怒りを爆発させ、新日本ストロングスタイルを守ろうとした小鉄さんもプロである。

投稿者 maikai : 14:06 | コメント (1)

2009年12月23日

スーパーJカップ1回戦で印象に残ったのは

 昨日は後楽園ホールで新日本プロレス主催『第5回スーパーJカップ』1回戦。第1回大会が開催されたのは94年4・16両国(新日本主催)で、その後は第2回=95年12・13両国(WAR主催)、第3回=00年4・1仙台&4・9両国(みちのく主催)、第4回=04年4・21大阪城ホール(大阪プロ主催)と、参加団体の持ち回りで開催されてきた由緒あるジュニアの大会だ。

 昨日の1回戦、私はサムライTV『S-ARENA』出演があったため、残念ながら第6試合の外道vs飯伏幸太の途中で会場を出なければならなかったが、それまでの5試合はいずれも好試合だった。ジュニアの選手はヘビー級の選手に比べると体が劣るため、それを補うべく自分のスタイルを確立しているし、キャラも立っている。こういう対抗戦的大会になると、各選手の技術はもちろん、どちらがキャラを印象付けられるかという勝負もあるし、当然ナマの感情も出るから面白くないわけがないのだ。

 そんな中で私の印象に残ったのは田口隆祐に敗れたGENTAROと、邪道に逆転勝利した男色ディーノだった。

 大学に入ったばかりの時に両国で第1回大会を観戦したというGENTAROは、今ではインディー・ジュニア界のエース。インディペンデント・ワールド・ジュニアヘビー級王者に君臨している。

 私がGENTAROを初めて観たのは01年あたりだと思うが、その頃はブレット・ハートとショーン・マイケルズをミックスさせたような、いかにも学生プロレス出身というレスラーだった。だが、キャリアを重ねていく中で上っ面の華やかさではなく、試合の組み立てや流れを重視する職人肌のレスラーになっていった。昨日の田口戦でも足殺しから入って自分のリズムを作り、要所で派手な技も盛り込むという巧さを発揮してくれた。田口も巧いレスラーだから、ジュニアらしい試合の中にもオールドスクールな匂いがあった。敗れはしたものの、インディーファンも納得できたのではないか。

 男色ディーノは入場から大暴走。客席に雪崩込んで男性客を襲い、それをメイド服を着た佐藤光留らベルト・ハンター×2のメンバーが慌てて制止するというDDTお馴染みの場面を新日本の会場でもやってのけたのである。私のリアルジャパン実況の清野アナウンサーを襲ったのも笑えたし、もちろん尾崎リングアナはディーノの好み。いきなりディープ・キス攻撃だ。

 さて試合は、邪道が密着戦は避けようと水平チョップ・オンリーのファイト。そして場外戦ではイスで思いっきりぶっ叩く。イスでメッタ打ちにされれば「ア~ッ!」とどさくさまぎれに男性客やテレビ解説の柴田惣一氏に抱きつき、胸がミミズ腫れになっても、あのキャラを崩さないのはディーノのプロフェッショナル根性。

 一方の邪道もディーノに付き合わず、男色ナイトメアをサッとすかし、ファイト1発!にもノーリアクション。客席から「邪道、付き合ってやってくれ~」「ディーノ、今日はヤバイ!」などの声も飛んだが、それくらい邪道が頑なに突き放したからこそ、試合が茶番にならなかったのだろうし、ディーノに声援が傾いたのだと思う。

 そして大逆転劇。それまで何も通用しなかったディーノだが、ディープキス(男色ベーゼ=リップロック=一応、技)からゲイ道クラッチ(外道クラッチ)! 何と邪道の兄弟の必殺技で勝利したのだ。

 試合後もディーノは舌好調で「新日本ジュニアをナメるなって、ナメるわよ! だってナメられて、大きくなって、カタくなっていったんでしょ。このスーパー・ゲイ・カップの参加16人中14人はゲイね。兄弟とかアニキとか獣の神とか、隠語を読み解いていくのも必要ね。こうなったら全部のタマを集めて願い事を叶えるわ!」と、いつの間にやら違うジュニア大会の話みたいになってしまった。

 ただ、この試合を観ていた山本小鉄さんは激怒したという。さあ、ディーノ、今日のデヴィットとの2回戦はどうする?

 さて、後楽園を途中で抜けて駆けつけた『S-ARENA』についても触れておきたい。昨日のゲストは27日に引退するJWPの日向あずみ。96年5月18日、大田区体育館で行われた『第1回ジュニア・オールスター戦』で田村欣子vs日向あずみの全日本ジュニア戦がベストバウト賞を獲得したが、この賞を贈ったのは、当時週刊ゴング編集長だった私だった。

 今では男子プロレスと女子プロレスの違いがハッキリしないが、日向のファイトには男子にはない女子プロならではの美しさがあるし、15年間、体型を維持してきたのも凄いと思う。ファイトとは裏腹なホンワカした語り口、性格も魅力だった。

 27日、悔いのないファイトでプロレス人生をまっとうしてくれることを願っている。

投稿者 maikai : 13:23 | コメント (2)

2009年12月22日

週プロの…

 昨日の夜は週刊プロレスの忘年会に呼んでいただいた。増刊号や週プロ本誌で何度か原稿を書かせてもらい、今は週プロモバイルで毎週日曜日に『サンデー・小佐ポン』を連載しさせてもらっているが、昔を思うと週プロの忘年会にいるというのは不思議な感覚だったし、何だか感慨深いものがあった。

 私の先生のひとりでもある宍倉清則顧問、現在は週プロで活躍している元週刊ゴングの記者やカメラマンもいて、何だか同窓会的な要素もあった忘年会。佐久間編集長が『Sアリーナ』出演のために一次会で抜けたので、キャスターの三田さんらサムライTVスタッフを連れて戻ってくる三次会まで参加。最近、こんなに長時間飲んだことはなかった。

 かつて週刊ゴングと週刊プロレスは鎬を削っていた。それは当然のことだが、でも根っこでは両誌のスタッフに共通した想いはプロレス界を盛り上げたいということ。だから同志、戦友という意識もあった。プロレスを愛する者同士として、取材記者時代は出張先で結構一緒に飲んだものだった。今、属する場所がなく、フリーの立場で独自に活動している私を週プロの人たちが『プロレス・マスコミの同志』として見てくれているとしたら、本当に嬉しいことだ。

 昨日は楽しい時間を過ごせました。ありがとう!

投稿者 maikai : 10:47 | コメント (1)

2009年12月20日

新刊発売

 明日21日、草思社から『プロレスは生き残れるか』という本が発売される。著者はルポライターの泉直樹氏。

 同書は三沢光晴さんの事故からプロレスを考えたもので、平成プロレスはなぜ過激化したのか、プロレスラーはなぜ引退できないのか、興行スポーツとしての問題点、次世代レスラーの作り方、社長レスラーの条件、新たなビジネスモデルとは…など、丹念な調査と取材によって分析している。

 取材には私、全日本プロレスの武藤敬司社長、内田雅之常務取締役、世界ジュニア・ヘビー級王者であると同時に若手のコーチでもあるカズ・ハヤシ、ゼロワンを始めとして様々な団体で試合を裁く笹崎勝己レフェリー、様々な団体でリングドクターをやっている林督元氏が協力した。

 著者の泉氏は、私の古くからの友人の知り合いということで協力させていただいた。元々、プロレスファンだったというが、私のようなプロレス村の住人ではない。プロレス村の外の人間の取材、視点というのも業界にはプラスになるはずと思う。ぜひ、御一読願いたい。

PS.1月22日、後楽園ホールで全日本と大手AVメーカーのエスワンとコラボ興行をやることに対して不快感を示し、私の感想を求めるコメントがあった。 実際、どういう興行になるかは現時点ではわからないが、私自身は武藤敬司を信頼している。

 今、プロレスを少しでも世間に広めるためには、様々な分野とのコラボもひとつの戦略であり、武藤・全日本はお笑い芸人を取り込んだF-1を継続しているし、かつてはプレイボーイ・チャンネル、腐男塾とのコラボもあった。少なくとも、今までのコラボ興行はきちんとした武藤ワールドになっていて、恐らく会場に足を運んだファンで不快感を持った人はそんなにいないと思う。確固たるプロレス観を持ち、自分が提供するプロレスに自信がある武藤だからこそ、他ジャンルとコラボが出来るのだと私は思う。そうでなければリスクのあることには手を出せないだろう。

 まずは1・22後楽園での全日本のお手並み拝見ということで、議論するのはその後のことだと私は考えています。武藤敬司はプロレスを、日本のプロレス界の未来を深く考えている男ですよ。

投稿者 maikai : 11:26 | コメント (6)

2009年12月17日

2009年度プロレス大賞授賞式

 昨日は2009年度プロレス大賞授賞式。授賞者はもちろん、このパーティーでしか顔を合わせない人もいたりして、プロレス界の忘年会的な要素もある。

 MVPの棚橋は「光より速い進化で、うっとうしいほど活躍します」とさらなる飛躍を誓い、「プロレス業界全体を潤わせるのがエース。ベルトは僕がもっていた方がいい」とIWGPだけでなく、GHCも視野に入れた発言を。そのGHCを保持する杉浦は堂々の殊勲賞。IWAジャパンのゴム人形&ハル・ミヤコと絡んだり、アイスリボンの選手たちに囲まれてのキャバクラ状態で「愛してま~す!」ならぬ「愛してくださ~い!」と、報道陣にサービスしまくっていたが、肝心のリング上については「リスクを恐れずに打って出る」と、ノア内では世代闘争、そしてvs新日本を口にした。

 敢闘賞の真壁はネクタイ代わりにチェーンを巻いて表彰を受けていたし、大日本のグレート小鹿社長が「最高だにぃ~!」と、ベストバウトの表彰を受ける伊東と葛西を自らカメラを持ち出して熱写している姿は結構感動的だった。ちなみに伊東と葛西はクリスマス仕様にデコレートされた蛍光灯、有刺鉄線バットなどのデスマッチ・アイテムを持参。

 最優秀タッグ&新人賞の2冠に輝いた浜は、自ら「新人の演歌歌手みたいっス」と言う派手な紫のスーツに身を包んで汗をフキフキ。その他、技能賞の飯伏を祝福するためにヨシヒコも正装して列席。女子プロレス大賞のさくらは二の腕をバッチリ露出したドレスで婚活に励むなど、あちらこちらで楽しい場面が見られた。

 中には「プロレス大賞の選考とは価値観が違う」とする選手や団体もあるかもしれない。でも、どうあれ人に評価されるのは悪い気分ではないと思う。受賞選手たちの嬉しそうな顔を見ていて、改めて選考委員の重みを感じたし、選考委員をやれてよかったと思った。結果については人によっていろいろ意見があるだろうが、私自身は選考会に至るまで年間125大会取材した上での主張をぶつけたし、他の選考委員も1年間の取材に裏打ちされた意見をぶつけた末で各賞だから、そこに誇りはある。

 来年も責任と誇りを持って選考会に臨みたいと気持ちを新たにした昨日の授賞式だった。

投稿者 maikai : 14:18 | コメント (5)

2009年12月15日

いよいよ明日発売!

 Gスピリッツ第14号が明日16日に発売になる。今回の総力特集は第5号に続いて東京ドーム第2弾。東京ドームにおけるプロレス興行とは何なのか? その華やかな舞台裏では何が起こっていたのかを多角的に検証している。

 私が担当したのは、まず長州力インタビュー。長州は新日本の現場監督として強烈なリーダーシップと斬新な発想&手法で90年代の新日本黄金期を構築し、東京ドーム大会をクリエイトした。今回のインタビューでは、そもそも現場監督の仕事は何なのか、どうやって東京ドーム興行を作ってきたか、方向性を巡るアントニオ猪木との暗闘など『現場監督・長州力』に絞って話を聞いてみた。かなり深いところまで語ってくれたと自負している。

 新日本・東京ドーム興行の最大のヒット作と言われる新日本vsUインターの全面戦争は、第5号では当時の新日本・永島勝司企画部長、Uインター・鈴木健取締役に舞台裏を語ってもらったが、今回は敢えてレスラーの立場としてUインターの中でもUスタイルに頑なにこだわった金原光弘に話を聞いた。Uサイドの選手の当時のナマの感情を聞けば、なぜあの全面戦争があそこまでヒートアップしたのか、改めてわかると思う。

 長州現場監督以後の新日本としては、マッチメーク委員会委員長を務め、のちに全日本のマッチメーカーとして武藤・全日本のパッケージ・プロレスの基礎を作った渡辺秀幸氏にインタビュー。プロ格路線と純プロレスのはざまで猪木と戦った渡辺氏の苦悩、ノアとの交流戦、全日本に移ってからのW-1についてなど、純粋なフロントの立場の証言は新鮮だ。

 そして91年に2回、東京ドーム興行を行っているSWS。ここでは派閥争いの中でマッチメーク、現場監督として全体を仕切っていたザ・グレート・カブキに証言してもらった。歯に衣着せぬカブキだけに、今回も過激発言の連発になった。

 とりあえず、読んでみて下さい!

投稿者 maikai : 09:58 | コメント (4)

2009年12月14日

1年の成長を証明した真田聖也

 昨日は後楽園ホールで全日本プロレスの09年最終興行。ラストは恒例の『ファン感謝デー』だ。ここでの目玉は武藤敬司&神奈月のW武藤のF-1防衛戦。天山広吉&原口あきまさを破って初代王者になったのが06年の感謝デーだから、実に3年間も王座を保持していることになる。すでに8度目の防衛戦。防衛戦をやるたびに試合のグレードはもちろん、お笑い芸のグレードもアップしているだけに毎回ハードルが高くなるのだが、そこに現れた挑戦者・越中詩郎&ケンドーコバヤシのW越中は強敵だった。

 一本気のド演歌ファイター越中の振り幅の大きさをナメちゃいけない。09年はハッスルでバリバリやっていたからエンターテイナーとしても一流だ。神奈月の様々な挑発に「そんなことやれるか、バカヤロー」と言いながらも、ケツ星人、赤フンになってのケツでの箸割りに挑戦して大コールを浴びた。ケンコバも「越中さんのモノマネだけじゃないって!」とパンフレットに載っている田上のポーズ写真のマネ、SWS時代の石川敬士の相撲タックルと全日本時代の相撲タックルなどマニアックなネタを披露。過去のF-1の中でも、かなりレベルの高い試合(?)をしてくれた。

 オープニングは船木誠勝vs菊タローの異次元対決。試合前に「あまり変なことをしたら、覚悟して下さい。殺ります」というクールな船木のVTRにドッと沸く後楽園。そこにあろうことか、菊タローはヒクソン・グレイシーのテーマに乗り、1・2後楽園でデビューする練習生・中之上靖文を先頭に2人だけのグレイシー・トレインで入場。試合が始まればヒクソン流の構え、さらにコーナーで膠着…と「変なこと」を次々に繰り出した。ある意味、リスクをおかしてファンが望む絵を作る菊タローはプロだ!?

 船木は菊タローの“お笑い”への誘いにまったく表情を変えない。いや、キラー顔。これまたファンが望んでいた展開だ。でも浴びせ蹴りから腕十字で勝利した船木はリングを降りる際にちょこっと笑みを。そんな船木も魅力的だった。今回の菊タロー戦はきっと武藤から船木に対する謎かけであり課題。2010年もプロレスラー、船木誠勝に期待したい。

 メインは諏訪魔&征矢vs河野&真田という全日本次代を担う者たちのシリアスな真っ向勝負。結果は諏訪魔が真田をラストライドで押さえたが、私的に一番光って見えたのは真田である。

他のメンバーは馬力、気迫、若さ、パワーを剥き出してファイトする。だから一瞬のインパクトはあるが、はっきりいって単調であり、単発だ。ところが体力的に劣る真田は攻めている時はもちろん、守勢に回った時も自分のリズム、間合いで試合をしていた。目立たないようでいて、真田はちゃんと試合をコントロールするのである。つまり真田がいることによって試合が転がっていたという印象を受けた。

 性格的におとなしいし、体も細かった真田だが、大きな武器を持っていなかった分だけ、他の人間にはないものをきっちりと身に付けていた。体もナチュラルに大きくなった。最強タッグでは鈴木みのるから勝利も奪っている。それも単なる金星とは言えないのではないか。

 その最強タッグでは鈴木から金星を奪った直後にインフルエンザを発症して途中棄権になってしまったが、09年ラストマッチでこの1年間の成長をきっちりと見せつけてくれたと思う。

投稿者 maikai : 10:03 | コメント (3)

2009年12月13日

楽しませ、そして魅せた!

 昨日は稔の15周年記念パーティー後はみちのくプロレスの後楽園ホール大会へ。もはや年末恒例となった決着なき宇宙大戦争だ。会場は試合前から出来上がった雰囲気。やはり「面白い!」ということが伝われば、ファンは会場に足を運んでくれるし、最初から楽しもうとしてくれる。いきなりハッピーオーラが充満する大会になった。

 冷凍されたウルトラマンロビンを救うためにウルトラ・サスケ・タロウに変身したサスケ。そのサスケのパートナーを買って出たのは、これまたウルトラ仕様のコスチュームに身を包んだ獣神サンダー・ライガーだ。著作権的に大丈夫かというギリギリのところだが、ここで佐藤秀&恵が投入したのが鉄腕アトムの巨大な模型。ウルトラマンとアトムのコラボはかなりヤバイぞ。でも佐藤兄弟は「これはアトムじゃねぇ、鉄腕だ」とキッパリ。

 そして、この鉄腕がライガーにチョークスラムやラムジャムを決めるなど、DDTのヨシヒコ並みの大活躍。期せずして鉄腕コールが起こった。逆にサスケが鉄腕にミサイルキック、ライガーが掌打を見舞うと大ブーイングに。この鉄腕、最後は和桶を被ったサスケのスワントーンボムでバラバラに破壊されてしまった…。

 試合内容を書いていたらキリがないので割愛させていただくが、この試合は『新春かくし芸』ならぬ、サスケと佐藤兄弟による『年末かくし芸』。これにライガーも中途半端ではなく徹底して乗ったから、お客さんは心底楽しめたのではないかと思う。

 今年も期待を裏切らなかった宇宙大戦争。だが、その後のメインの拳王vsフジタ“Jr”ハヤトの東北ジュニア戦が素晴らしかった。

 昨年3月のデビューながら9・5矢巾大会でハヤトから東北ジュニアを奪取した拳王。24歳の王者と23歳の前王者の激突は、今現在のみちのくプロレスの姿でもある。宇宙大戦争とは一変、打撃とサブミッションによるピリピリした攻防戦になった。

 図式的に見れば正規軍の拳王がベビーフェースで、九龍に所属するハヤトがヒールということになるが、東京のファンはハヤトを後押し。東京の会場の空気に慣れていない拳王はファンの反応が気になる様子で緊張気味。一方のハヤトはファンを掌に乗せる。このあたりのキャリアの違いは明白だった。

 だが、試合に勝ったのは拳王。体が大きいだけに打撃の1発1発の威力が違う。決め手となったのは25分過ぎの顔面パンチ! キャンバスに崩れ落ちたハヤトは左目付近から出血。その後のジャーマン、ハイキックは駄目押しに過ぎなかった。

 この顔面パンチで後楽園ホールは大ブーイング! 粘るハヤトに焦りを感じたのか、ファンの反応に苛立ったのか…明らかに反則ではあるが、これも拳王の若さと闘志の暴発だったに違いない。

 この若い2人には「お前だけには負けたくない」「お前には勝つ」というライバル意識がある。それが時には暴発することもあるが、それくらいのものがあった方が観ている方も面白い。そこには闘いがあるからだ。

 キャリア1年9ヵ月にして先輩ハヤトへの「俺のライバルに認めてやるよ」という高飛車なマイクアピールで、これまたファンの反感を買った拳王。それでも控室では「9月(の矢巾)とは違う。ハヤトがすげー強くなっていた。面食らいました。頑張っていかないと追い越されるかもしれない」と危機感を語っていたのが印象的だった。

 昨日のみちのくプロレスは宇宙大戦争で楽しませ、拳王vsハヤトのシビアな闘いで魅せてくれた。改めてプロレスは幅が広いジャンルであることを実証した大会だった。

PS.本日、後楽園ホールで行われた全日本プロレスの『ファン感謝デー』については明日アップします。また、1月11日の若林アナvs天龍のトークイベントですが、主催者側から「確認したところ、ぴあの受付公演ジャンルはレジャーではなく、イベントでした」との連絡があったので、ここで訂正させていただきます。

投稿者 maikai : 18:38 | コメント (1)

稔の真心

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 昨日の午後、稔のデビュー15周年記念パーティーが横浜市内で催された。

 『プロフェッショナル・レスリング藤原組』に入門して94年1月24日、後楽園ホールにおけるマーク・アシュフォード戦でデビュー後、『格闘探偵団バトラーツ』、新日本プロレス、フリーとしてプロレス人生を送ってきた稔だけに、その人脈は広い。ザ・グレート・サスケ、モハメドヨネ、日高郁人、藤田ミノル、垣原賢人、井上亘、田村潔司、澤宗紀、竜司ウォルター、田村和宏、AKINO、全日本のブードゥー・マーダーズの仲間のTARU、ヘイト、鈴木健Uインター元取締役、パンチ田原氏…などなど、幅広いメンバーが稔を祝福。また金本浩二、獣神サンダー・ライガー、真壁刀義、船木誠勝、全日本プロレスの内田取締役、ドラゴンゲートの岡村隆志社長らからお祝いの花が届いていた。

 家に帰って引出物を見てビックリ。それが写真のグラスだ。グラスの底に『絆』の文字、そして出席者の名前が入っている。これはグラスリッツェンと呼ばれるヨーロッパの伝統工芸で、当然、ひとつひとつ手彫り。グラスリッツェンをやっていたことがあるという私の妻も「これは貴重な物ね!」と感激していた。稔は来てくれた人のそれぞれに、その人だけのお土産を用意していたわけだ。

 普段はツンデレのキャラで、すっとこどっこいな稔だが、こういうところに素顔が出る。まさに素の稔の15年間の感謝、真心が込められているグラスである。

 稔、改めて15周年おめでとう! 来年もまた全日本のGAORA中継の解説等でお世話になると思うのでよろしく!

投稿者 maikai : 17:37 | コメント (2)

2009年12月12日

来年1月11日に若林アナvs天龍実現

天龍ポスター.jpg

 8月22日に若林健治アナウンサーのトークライブ『若林フリー健治の胸突き八丁!十番勝負!!~その二~』にゲストとして呼んでいただいたが、来たる2010年1月11日(月=祝)に中目黒GTプラザホールで開催される第3弾のゲストが天龍源一郎に決定したのでお知らせ!

【開催日時】
2010年1月11日(月・祝)
開場17:30/ 開演18:00(20:45終了予定)

【会場】中目黒GTプラザホール
東京都目黒区上目黒2-1-3 中目黒GT内地下1階
http://www.persimmon.or.jp/know/hall_nakame.php

【会場アクセス】
東京メトロ日比谷線 東急東横線中目黒駅より徒歩1分
※会場には専用の駐車場はありません。中目黒GT内地下にある有料駐車場をご利用ください。

【主演】若林健治(フリーアナウンサー)
【ゲスト】天龍源一郎
【MC】less(MARS16)

【チケット料金】2900円
※前売・当日共に同じ(前売り特典あり)/全席自由(整理番号付)
※当日券の販売は、開場と同時刻になります。

【前売り特典】
特別席で実況が聞ける権利を賭けた、抽選会に参加できます。
席種は以下の2つです(いずれも1席のみ)。

・SWS(スペシャル・ワカバヤシ・サイド)…若林アナの真横
・STS(スペシャル・テンリュー・サイド)…天龍選手の真横

【前売りチケット・購入方法】
チケットぴあ(Pコード 616-435)
・ホームページ http://pia.jp/t
・電話予約 0570-02-9999(公演ジャンルは「レジャー」です)
※12月1日発売開始/2010年1月10日販売終了

 この日、私はサムライTV『S-ARENA』の収録ですが、その前に「Xで~す!」と“乱入参戦”するかも…!?

投稿者 maikai : 09:42 | コメント (1)

2009年12月11日

ライダーの涙、みのるからの餞別

「金曜夜8時の金八トリオ、昭和の時代は終わったんだよ! 俺と高山が相手してやる。これぞ、お前らが言うストロング・スタイルだろ!」(鈴木みのる)
「昭和の時代が終わったことをわからせてやる。今のプロレス界、てめぇらがこうしたんだろ!?」(高山善廣)

 昨日のリアルジャパン後楽園大会のメインは初代タイガーマスク&藤波辰爾&長州力のレジェンド・トリオと高山善廣&長井満也&関本大介の激突。藤波が関本を足4の字固めで下した直後に鈴木みのるがリングイン。冒頭のアピールとなった。2010年はリアルジャパン・マットも世代闘争に突入することになる。

 さて、昨日の大会で私の印象に残ったのは仮面シューター・スーパーライダーと、セミの鈴木みのる&スーパー・タイガーvsザ・グレート・サスケ&和田城功におけるみのると和田の攻防だ。

 ライダーは9ヵ月ぶりに怪我からの復帰戦。ここまで時間がかかったのは怪我はもちろんだが、6月13日の三沢さんの事故があったから。試合後のマイクで自ら喋ってしまったから書いてしまうが、ライダーは足利工業大学附属高校のレスリング部で三沢さんと同期。ライダーが主将で三沢さんは副主将だった。高校卒業後、三沢さんは全日本プロレスに入門。ライダーは佐山聡のスーパータイガージムに入って修斗の道に進んだが、プロレスも好きでマスクマンとしてプロレスラーにもなった。

 ライダーの復帰に時間がかかったのは「あいつがここまで愛して大切にしたプロレスを中途半端な気持ちでやれない」という想いがあったからだ。

 ようやくカムバックを決意し、第2試合でチーム太田章の山本裕次郎と対峙したライダーは全身から闘志を発散させ、腕ひしぎ十字固めで勝利。そしてマイクを握った。

「再び9ヵ月ぶりにリングに上がる勇気を与えてくれた素晴らしき友に感謝し、祈りを捧げたいと思います。彼は、プロレスは単なるエンターテインメントじゃない、男の真剣勝負であるということを命懸けで教えてくれました。僕はタイガーマスクのように望まれてマスクマンをやっているわけではありません。仮面ライダーになりたいという気持ちを投影した自己満足でした。でも、友が与えてくれた命懸けのメッセージに自己満足じゃなくて、魂をもってこたえていきたいと思います」

 さらに言葉を続けた。「三沢光晴という偉大なプロレスラーの名前を決して忘れないで下さい!」

 ここまで喋ってしまえば、正体を明かしたも同然。だがライダーはそれを承知で三沢光晴への想い、プロレスへの想い、これからの決意を涙ながらに語ったのだ。ライダーは本当に三沢光晴を、プロレスを好きなんだと思う。三沢さんと同い年だから今年で47歳。それでも仮面のヒーローとしてリングに上がり続ける覚悟を決めたライダーの今後を見つめていきたい。

 セミでは1・17後楽園の大谷晋二郎戦で引退するリキプロの和田がみのるに向かっていった。和田は03年7月デビューだからキャリア6年半になるが、そのほとんどは怪我との戦いだった。私は彼の練習熱心な真面目な性格、そして真っ向から相手に向かっていく武骨なファイトが好きだ。

 そんな和田にとって、みのると一戦交えることはレスラー人生で大きなメモリアルになるはず。試合前からみのるに突っかかる和田。これに対してみのるは先発を買って出たかと思いきや、和田に触れずにスーパー・タイガーにタッチ。以後もまるで「お前みたいなハナクソは相手にしてねぇんだよ」とばかりに和田が出てくるとスーパー・タイガーに任せる展開が続いた。

 だが、やはりみのるはみのるだった。終盤には和田が仕掛けたチョップ合戦に応じ、さらに和田のサソリ固め、ラリアットを真正面から受け止めた上でスリーパー、そしてゴッチ式パイルドライバーでグサリとキャンバスに突き刺して試合を決めたのである。

 これはみのるなりの志半ばで去らざるを得なくなった者への餞別だと私は受け止めた。やっぱりみのるは“世界一性格の悪いイイ奴”だと思う。

 惜しむらくは、和田が試合の中盤で左足を負傷して全力を出せなかったこと。1月17日、最後のリングには万全の状態で上がって、悔いのないラストマッチをやってくれることを願う。

投稿者 maikai : 13:32 | コメント (2)

2009年12月10日

発表!Gスピリッツ第14号の表紙&主な内容

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 12月16日(水)に発売されるGスピリッツ第14号(定価1200円)の表紙と主な内容をお知らせします。

 今回の総力特集は第5号に続く東京ドーム特集第2弾。前回は東京ドームにおける新日本プロレスと他団体の対抗戦にメスを入れたが、今回はガラリと違う形で東京ドームにおけるプロレス興行とは何かを検証している。

 リングに上がって試合をするレスラーだけでなく、現場監督、ブッカー&マッチメーカー、テレビ関係者など、多角的に取材した。それぞれの視点を知ることで東京ドーム興行、プロレスそのものの深さを知っていただけると思う。

【東京ドーム特集】
長州力が明かすヒット商品の仕掛け方

Uインターが新日本に突きつけた「本気」

猪木vsマッチメーク委員会 その思惑と駆け引き

武藤・全日本はW-1で何を目指したのか?

日本テレビから見た社長・三沢光晴の素顔

ブッカーが振り返るSWSの栄華と没落

藤原組で試運転された「秒殺の格闘技」

幻のUFC進出 横綱・北尾vsグレイシー

【ロングインタビュー】
石川孝志

【特別企画】
追悼――剛竜馬

【実録・国際プロレス】
初代リングアナウンサー=長谷川保夫

【クローズアップ】
AWA概史――前編 バーン・ガニアの時代

ウルトラマン悲話

投稿者 maikai : 11:43 | コメント (1)

2009年12月09日

2009年度プロレス大賞選考会報告

 昨日8日正午より行われた2009年度プロレス大賞選考会の経緯と、各受賞者をここで発表させていただこう。選考は東京スポーツ新聞社運動部専門委員の柴田惣一氏を選考委員長、脚本家の内館牧子さんを特別選考委員として東スポのプロレス担当記者、同社写真部、同社電子メディア室、サンケイスポーツ、スポーツニッポン、デイリースポーツ、東京中日スポーツ、日刊スポーツ、報知新聞の各プロレス担当記者、週刊プロレスの佐久間一彦編集長、プロレス評論家の菊地孝氏と門馬忠雄氏、サムライTVキャスターの三田佐代子さん、そして私の27人で行われた。

【最優秀選手賞=MVP】棚橋弘至
 去年の受賞者・武藤敬司のような圧倒的な存在感を示したレスラーがいなかった今年は難航が予想された。実際に「該当者なし!」という厳しい意見も出たが、そんな中で多くの支持を集めたのが棚橋。G1で怪我をして下半期は空白ができてしまったものの、現在の新日本を支えているのは棚橋であり、彼の明るい存在がなければ新日本の存在感がないという意見も。もちろん、常に高いクォリティーの試合をしているというのも支持率の高さにつながった。
 対抗馬として挙がったのは12・6日本武道館で潮﨑からGHCヘビー級王座を奪取した杉浦貴。その快挙だけでなく、新日本1・4東京ドームからの活躍、ノア内においても活況を呈したジュニア戦線に負けない存在感を示していたことが評価された。三沢さんの悲しい事故があった中で負のスパイラルを断ち切るように新日本に出陣し、他の選手が三沢さんの影を振りきれない中で力強い一歩を踏み出したこともノミネートされた大きな要因だった。
 最終的には棚橋=22票、杉浦=5票で棚橋がMVPに。私は選考会前から決めていた通りに棚橋に1票を投じた。

【年間最高試合賞=ベストバウト】伊東竜二vs葛西純(11・20後楽園ホール=カミソリ十字架ボード+αデスマッチ)
 ベストバウトは①棚橋vs中邑(2・15両国)②棚橋vs後藤(5・3福岡)③棚橋vs中西(5・6後楽園)④プリンス・デヴィットvs飯伏(6・14後楽園)⑤中西vs棚橋(6・20大阪)⑥真壁vs中邑(8・16両国)⑦武藤&船木vs蝶野&鈴木(8・30両国)⑧中邑vs棚橋(11・8両国)⑨伊東vs葛西(11・20後楽園)⑩武藤&船木vs諏訪魔&河野(12・1後楽園)と、実に10試合が挙がった。
 裏を返せば、各選考委員に共通してインパクトがあった試合が少なかったということでもある。ちなみに私がノミネートしたのは武藤&船木vs諏訪魔&河野。その理由はこれまでダイアリーで書いてきている通りだ。
 第1回の投票で残ったのは6・20大阪の中西vs棚橋と11・20後楽園の伊東vs葛西の2試合。中西vs棚橋については、中西がIWGPを奪取した5・6後楽園&棚橋が王座奪回を果たした6・20大阪の2試合がノミネートされたが、雰囲気的によかった後楽園よりも、中西が野人パワーを大爆発させ、なおかつそれを棚橋が制した大阪の方が純粋に試合として上だったということで大阪の試合が支持された。
 そして決選投票の結果は中西vs棚橋=13票、伊東vs葛西=14票の1票差で伊東vs葛西に凱歌。残念ながら伊東vs葛西を観ることが出来なかった私は、テレビで観ていた中西vs棚橋に1票を投じたが、伊東vs葛西については「今年のプロレスでこれだけ観客が熱狂した試合は他にない」と断言する選考委員もいたし、カメラマンの支持も多かった。デスマッチがベストバウトに選ばれたのは90年度の大仁田厚とターザン後藤のノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ以来のこと。団体や選手の格、試合形式に関係なく選ぶのがプロレス大賞選考会の姿勢だ。

【最優秀タッグチーム】曙&浜亮太
 ここでノミネートされたのは健介&森嶋、田口&デヴィットのApollo55、曙&浜、金丸&鼓太郎の4チーム。私は昨年の夏にGHCジュニア・タッグ王者になって現在も保持、さらにはジュニア・タッグリーグ戦にも優勝した金丸&鼓太郎をノミネートしたが、曙&浜が22票と圧倒的な支持を集めて1回目の投票で栄誉を勝ち取った。
 あのサイズとインパクト、会場人気、そしてアジア・タッグ王座を奪取した実績とプロレスに取り組む姿勢…あらゆる面で高い評価を受けた結果である。大相撲の横綱審議委員も務める内館さんが元横綱・曙の頑張りがこういう賞という形になって笑顔を見せていたのが印象的だった。

【殊勲賞】杉浦貴
 MVPには及ばなかったものの杉浦、潮﨑、真壁、中邑と、今年活躍したメジャー選手がノミネートされたが、他にドラゴンゲートの土井成樹をノミネートする委員も。これは私も嬉しかった。今年のドラゴンゲートは不祥事もあったが、土井は1月に鷹木からドリームゲート王座を奪取して金本、曙、CIMAら相手に7度の防衛に成功している。私も駄ダメもとで、どこかでノミネートしようと思っていたのだ。
 さて、投票ではMVPを逃した杉浦が21票で圧倒的勝利。私自身は選考会前から杉浦にするか潮﨑にするか迷っていたが、ここはあえて潮﨑に票を入れた。地上波放映打ち切りの噂が流れ始めた時期に凱旋帰国してノア・マットにフレッシュな空気を持ち込み、タッグリーグ優勝、三沢さんが急逝した翌日にGHC王座を奪取して年末まで走ってきた頑張りを形にしてあげたかったからだ。もちろん杉浦の殊勲賞は納得。潮﨑のレスラーとしての正念場は来年以降である。

【敢闘賞】真壁刀義
 このあたりから混沌としてくる。私は新日本のスーパージュニアでベスト4進出、ノアのジュニア・タッグで準優勝、DDTの両国初進出のメインを務め、その一方ではヨシヒコとの試合、キャンプ場プロレスと幅広くプロレスの可能性にチャレンジした飯伏を支持した。その他には、DDTという団体を両国にまで進出させた高木三四郎も「今のDDTがあるのは、髙木が観客との勝負に勝っているからだ」と名前が挙がり、さらに受賞した真壁、WWEで活躍するヨシ・タツ(山本尚史)、丸藤から世界ジュニアを奪取し、チャンピオン・カーニバルで階級の壁を越えて準優勝、さらに全日本の若手を育成するカズ・ハヤシ、総合格闘技でしか試合はしていないが「俺はプロレスをやっている」と主張してミノワマンをジャーマンで破り、師匠の石沢常光も撃破した柴田勝頼の名前も挙がった。
 最後は飯伏と真壁の決選投票になって、飯伏=13票、真壁=14票の1票差で真壁が受賞。
 私は飯伏に票を入れたが、もちろん今年の真壁の活躍も十分に評価している。彼の下積み時代も見ているし、ベビーとヒールの区分けを超越したファンの支持、G1初制覇は素晴らしいと思う。心から真壁を祝福したい。

【技能賞】飯伏幸太
 正直、飯伏が敢闘賞から漏れたことで私の目算は狂った。私の中では殊勲賞=飯伏、技能賞=カズ・ハヤシだったのだ。
 ここに名前が挙がったのは殊勲賞から漏れたカズ、飯伏、高木、さらに日高、土井、船木。私は飯伏に何か賞をあげたかったと思いながらもカズに投票した。結果は飯伏が17票を集めて初受賞。おめでとう!

【新人賞】浜亮太
 最優秀タッグチームを受賞した浜、大日本のデスマッチでブレイクしたSTYLE-Eの竹田誠志の名前が挙がった。結果は私も票を投じた浜が25票を獲得してダブル受賞。相撲出身でアンコ型で成功した人間がいない中でその巨体をフルに活かしたファイト、存在感、プロレスへの姿勢が評価された。私的には、その体型から出来ることが否応なしに制約される中で、浜のタイミングや間の良さも評価しての1票だった。

【特別功労賞】三沢光晴

【功労賞】松永高司(全日本女子プロレス元会長)、テッド・タナベ(レフェリー)

【女子プロレス大賞】さくらえみ
 03年の浜田文子以来、該当者なしが続いていた女子プロレス大賞。あまり女子プロに明るいとは言えない私だが、自分なりに1年間を見てきてノミネートしようと思っていたのが、さくらえみ。そして選考会で真っ先にさくらの名前を挙げたのが週プロの佐久間編集長だった。これを三田さん、私がバックアップする形になった。
 アイスリボンを立ち上げ、当初は「子供をリングに上げている」などという批判的な声もあったが、きちんと選手を育て上げて後楽園ホールにも進出した。まだ道場がなかった時代、長州力の取材のためにリキプロ道場に行ったところ、出稽古に来ていたアイスリボンの選手たちと出くわしたこともある。「こういう努力しているコたちを応援してあげてよ」と長州は言っていたものだ。
さくらはレスラーとしても今年はNEO二冠統一王座、JWPタッグ&デイリースポーツ女子タッグ王座を獲得したし、対戦相手やパートナーも光らせるセンスも素晴らしい。
IWAジャパン、LLPW、FMWでファイトしていた元川恵美時代を知っている者としては、今回の受賞は感慨深いものがある。

投稿者 maikai : 06:05 | コメント (1)

2009年12月08日

情報解禁は9日午前6時以降です!

 今、プロレス大賞選考会から帰宅したところ。難航が予想されたが、2時間弱で各賞が決定した。

 さて、午前0時過ぎには選考会の経緯を報告すると書いたが、情報解禁はスポーツ各紙の朝刊、ネット系は9日午前6時とのことだったので、それ以降に早速、ダイアリーでアップしたいと思います。明朝までお待ちを!

投稿者 maikai : 15:37 | コメント (1)

プロレス大賞選考会に出陣だ!

 今日は東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞の選考会が行われる。私は週刊ゴング編集長時代の94年~98年の5年間、そしてフリーになってからは06年から選考委員を務めているが、この選考会はガチ!

 もしかしたら“なあなあ”だと思っているファンもいるかもしれないが、とんでもない。1年間取材してきた選考委員それぞれのプライドがぶつかり合うのだから半端じゃない。時として険悪な空気になるし、年によってはなかなか各賞が決まらずに長時間になる場合もある。何しろ時間無制限の選考会なのだ。それだけ選考委員は真剣勝負で臨んでいる。だから選考会終了後はグッタリ。

 昨夜はサムライTV『S-ARENA』出演だったが、同じく選考委員を務めるキャスターの三田さんとは「明日、お互いに頑張ろう!」と健闘を誓い合って別れた。

 情報解禁は9日午前0時。解禁とほぼ同時にこのダイアリーで選考会の経緯を報告したいと思う。さて、私の意見がどれだけ通るか…。とにかく頑張ろう!

投稿者 maikai : 09:31 | コメント (0)

2009年12月07日

全日本の09年総決算

 この土日はメジャー3団体の総決算。5日には新日本が愛知県体育館、昨日6日にはノアが日本武道館、全日本が岐阜産業会館で今年最後のビッグマッチを開催した。

 で、私は昨日、GAORA全日本中継の『2009世界最強タッグ決定リーグ戦』優勝決定戦解説のため岐阜へ。

 今年の最強タッグは9チームが参加したが、実は10チーム目として参加9チームの最大の敵になったのはインフルエンザだった。真田、ジョー・ドーリング、小島が相次いでインフルエンザを発症して9チーム中3チームが途中リタイアという前代未聞の事態になってしまったのだ。

 そんな中、最後に残ったのは武藤&船木と諏訪魔&河野だった。昨日までの時点で私自身のベストバウトは12・1後楽園における両チームの公式戦。このダイアリーでも書いたが、最初の10分は、誤解を恐れずに書くと他の要素を排除したリアルな勝負で、その後の20分はダイナミックなプロレス。総じてプロレスという幅の広いジャンルの魅力を存分に見せてくれた試合だった。「最初の10分が面白かったスか? そりゃあ、そうでしょう。だって、あの攻防の中で船木が隙あらば1発狙っていたのがわかったからね。あれはいわゆる従来のプロレスとはちょっと違う勝負だったから」とは諏訪魔の言葉だ。そして「でも、俺もそういうの嫌いじゃないから。相手の土俵に乗っかって戦うのもプロレスラーの器量ですよ」と自信あり気にニヤリと笑った。

 さて、昨日の優勝決定戦は12・1後楽園とは違って、船木の方が諏訪魔にプロレス的な挑発を仕掛けるという意外な展開に。前回と戦法を変えるあたりは船木のプロレス的センスもなかなかなものだと感心させられた。諏訪魔&河野はそんな船木に撹乱されまいと武藤にターゲットを絞って左腕に集中攻撃。内容的には諏訪魔&河野の馬力がベテランコンビを圧倒して、武藤に諏訪魔のラストライド→河野のダイビング・ニードロップが炸裂した時には勝負あったかと思われた。

 だが、最後に右腕を上げていたのは武藤。1発逆転のフランケンシュタイナーで強引に河野を丸め込んだ。そこには余裕は感じられず、本当に紙一重の勝負。何とか意地を通した武藤も諏訪魔&河野の“今の勢い”を痛感したに違いない。

 敗れた諏訪魔&河野は結果的に世代交代の第1歩を踏み出せなかったが、今回の最強タッグは収穫が大きかったはず。諏訪魔は試合前、「長州さんと戦ったり組んだりしたのは勉強になりましたよ。あの人は技の数は少ないじゃないですか。プロレスは技の数じゃない、何が必要なのかっていうのを肌で感じることができました」とも言っていたいし、「終盤になって、やっとタッグチームとはどういうものかっていうのがわかってきましたね。それまで、俺と河野はやっぱりシングルプレーヤーとしての試合をしてたから。タッグとしてやりたいことが見えてきましたよ。それが今日の優勝決定戦で出せるかどうかはわからないけど…」とも言っていた。09年は諏訪魔にとって貯金の時期だった。来年はそれをリング上で吐き出してほしい。

 そして優勝した武藤&船木。ここは武藤はもちろんだが、9月にプロレス復帰した船木の頑張りを評価したい。

「フナちゃんはカメレオンだよ。どんな相手にだって合わせられる。今は合わせている段階だけど、来年になって我を出せるようになったら、こりゃあ凄いぜ!」とは武藤の船木評だ。

 来年に向かっての動きとしては、この1年間、全日本を主戦場にしてきた高山が事実上のラストマッチ。前日の四日市で「この1年、最高の仲間と回って充実していたし、復活させてもらった。この勢いでヨソに遊びに行こうかな」と全日本離脱を示唆していたが、征矢をボマイェを思わせるニーリフトで破った後に新日本の中邑真輔を次のターゲットに指名した。

 高山離脱でGURENTAIがなくなることはないが、これでまた来年の全日本マットの勢力図は変わる。高山の存在は大きかったが、年が明けたら新たなストーリーが始まる。パッケージ・プロレスは常に中身を変えながら進化し続けるのだ。

投稿者 maikai : 14:08 | コメント (0)

2009年12月05日

ジャマールよ、安らかに…

 全日本プロレスの外国人ユニットRODで活躍したジャマール(本名エドワード・ファトゥー)が12月4日、心臓発作で亡くなった。まだ36歳の若さだった。

 今やパッケージ・プロレスが確立されている全日本。その大きな原動力になったのが、TAKAみちのく、太陽ケア、ジャマール、ブキャナン、ディーロ・ブラウンのRODだ。当初はヒール・ユニットだったが、彼らの素の性格がリング上から垣間見られ、さらに極悪ユニットのブードゥー・マーダーズの参入によって、気付いてみたらRODはベビーフェースのユニットに。特に“陽気で動けるデブ”のジャマールの人気は高かった。

 彼が全日本を去ったのは2005年の末。WWEにウマガとして復帰することが決まったからだ。最後の試合は05年12月5日の大田区体育館だった。

 GAORA中継の解説者でもある私は、この日が彼の全日本のラストマッチだと知っていたが、観客には知らせずにフェードアウトすることになっていた。だが、試合前恒例のRODタイムではリングサイドのカメラマンからカメラを奪って仲間たちと記念撮影、TAKA&ディーロと組んでの健介&勝彦&雷陣相手のラストマッチには、ブキャナンとディーロがセコンドに付いた。そして雷陣をフライング・ソーセージで沈めて勝利したジャマールは健介らの日本組にも握手を求め、RODタオルで溢れる涙を隠した。TAKAは号泣、他のRODのメンバーも目が真っ赤。こうした光景を目の当たりにしたら、観客も「お別れ」を気付いたはずだ。

 リングを降りたジャマールは放送席まで来て、笑顔で私に握手を求めてきた。どんなに人気が出てもヒール的要素を大切にしていたジャマールが公の場でこんなアクションをしたのは初めて。この時、「ああ、やっぱりジャマールはWWEに帰ってしまうんだなあ」という実感が湧いて目頭が熱くなった。

 私はいつか、ジャマールが全日本のリングに戻ってきてくれると信じていた。また彼の試合を解説できると思っていた。今年6月、WWEを解雇になったという知らせを聞いて「2010年には帰って来てくれるだろう」と思っていただけに今回の悲報は残念でならない。

 全日本のファンも、我々放送スタッフも貴方のことを愛していました。ジャマール、安らかにお眠りください。

投稿者 maikai : 16:27 | コメント (1)

2009年12月04日

YAMATOが知った巨大な壁

 やはりベテラン軍は強かった! 昨日のドラゴンゲート後楽園は世代闘争第1R。ベテラン軍=CIMA、Gamma、望月成晃、ドン・フジイ、マグニチュード岸和田、菅原拓也と新世代軍=土井成樹、吉野正人、B×Bハルク、鷹木信悟、YAMATO、戸澤陽の6vs6なにわ式イリミネーションが行われ、ベテラン軍が3人残りで完勝。最後は新世代軍でひとり残ったドリームゲート王者・土井を菅原の十三不塔→望月のツイスター→岸和田のラストライドで完膚無きまでに叩きのめしたのだ。

 ベテラン軍が長けているのは勝敗だけでなく、オイシイところをきっちりと持っていってしまうことだ。場の空気をキャッチしてお客を掌で転がすことができるのが年の功。これがあるからプロレスの世代闘争では、新世代の人間が苦戦することが多い。

 試合後のYAMATOの言葉が印象に残った。

「お客さんが向こうを支持しているのが感じられましたね。(自分のキャリアは)3年ちょいだけど、プロレス人生を否定されたのかなと。それはちょっとショックですね。俺はつい2年前だったら鷹木さんとかハルクと肩を並べられるポジションじゃなかった。この腕ひとつで上がってきた自信があった。それを全部否定された」

 今、YAMATOはドラゴンゲートにあって旬な男。だが、記憶や歴史がいかに重いかを思い知らされてしまった。どこの団体であっても若いレスラーが先輩を乗り越えようとする時、過去の記憶という巨大な壁にぶつかる。YAMATOらがこれをどう突破していくか…世代闘争は現実を知ったここからがスタートだ。

投稿者 maikai : 16:21 | コメント (0)

2009年12月02日

プロレスを堪能!

「正真正銘の初対決だからスッゲー楽しみ! 観る方だって楽しみにしてるんでしょ? 楽しませますよ(ニヤリ)」。

 これは昨日の試合前の鈴木みのるの言葉。昨日は後楽園ホールで最強タッグ。みのる&ケアvs長州&征矢の公式戦が行われた。

 みのるは20年前、長州の付き人を務めていた。89年1月、佐々木健介が海外修行に出発した後、短期間ながら付き人を命じられたのだ。長州の「健介だったら、そんなことはしないぞ」の言葉に「僕は佐々木健介じゃありません」と答えたという逸話もある。ただし、当時の立場はまさに月とスッポン。別に反抗的な付き人というわけではなく、特に長州軍団の首領・マサ斎藤には可愛がられたようだ。当時、強さを追求していたみのるを理解してくれていたのは猪木と斎藤だったという話をみのるから聞いたこともあった。

 さて、昨日のみのるのテーマは長州をキレさせること。そしてプロレス大好き少年だったみのるのことだからリキ・ラリアットとサソリ固めを「どんなものか、1度は食ってみてぇ!」と思っていたに違いない。

 果たして目的は達成された。いきなり先発で長州と対峙したみのるはコーナーに詰めて顔を張るなど、散々挑発しておいてケアにタッチ。怒髪天の長州はケアに構わず場外までみのるを追いかけてフェンスに叩きつけ、ラリアット、さらにストンピング! みのるは「おおっ、長州だよ!」と内心でニヤリとしたに違いない。ラリアットもサソリ固めも期待通りに(?)食らった。そして試合的にはケアが征矢にとどめを刺す段階でガッチリと長州にアキレス腱固め。きっと、みのるは長州力を満喫しただろうし、観ているお客さんも2人の攻防を満喫したと思う。全試合終了後、「あー、楽しかった!」と言ってみのるは会場を後にした。

 さて、この日はもうひとつ注目の公式戦。それは武藤&船木vs諏訪魔&河野だ。これがまた期待以上の試合になった。

 船木vs諏訪までスタートした試合は実に10分経過までロープに飛ぶ攻防はなし。船木も諏訪魔も一歩も譲らずグランド、サブミッションの攻防。この流れは武藤vs河野にもつながった。客席からは「プロレスをやれ!」という野次も飛んだが、私的には緊迫感溢れる攻防戦で、ずっとこのせめぎ合いが続いてもいいと思ったくらいだ。

 以前、武藤はインタビューで「俺、プロレスをやる上で最初の5分ぐらいが一番好きだもん。お客がシーンとして集中してくれる時の状態が何とも言えない。ここからどう試合を構築してやろうかなって。前菜っていうか、そこが一番面白いところだよ」と言っていたが、まさにそんな感じ。ただ、昨日の試合に関しては前菜ではなく、これがメインディッシュでもいいというぐらい見応えのある力量の推し量り合いだった。確かに今流のゲーム的なプロレスの攻防ではないが、これはプロレスの原点。それを4選手は10分間にわたって見せてくれたのである。

 そして10分が経過すると、諏訪魔が「プロレスやるぞ、バカヤロー」の怒声と同時に船木を場外に放り投げて、いわゆるプロレス的な試合に。それ以後の大技が次々に繰り出された躍動感溢れる攻防も見応え十分。飽きることのない30分だった。

 残り3分で諏訪魔&河野は武藤に集中攻撃。諏訪魔のラリアット→河野のダイビング・ニードロップ→諏訪魔のラストライドという流れになったが、最後のラストライドを武藤がフランケンシュタイナーに切り返したところで時間切れのゴング。どんなに攻め込まれても、最後の瞬間には自分が攻めているという場面を作り上げる武藤はさすが!

 ということでみのる&ケアvs長州&征矢も武藤&船木vs諏訪魔&河野にプロレスを堪能させてもらった昨日の後楽園だった。やっぱりプロレスは面白い!

投稿者 maikai : 13:24 | コメント (0)

2009年12月01日

日高の願い

 昨日はDDT後楽園について書いたので、今日は同じ日の夜に後楽園で行われた天下一ジュニアについて書こう。

 まず今回の大会で嬉しかったのは、フジタ“Jr”ハヤト、大原はじめが光ったことだ。2人とも出来る選手だけに常々、もっとスポットライトが当たってほしいと思っていたが、この2人がトーナメント2回戦で激突。大原の若手らしからぬ間合いと駆け引き、ハヤトの一直線なファイトが噛み合って、両者の個性が発揮されたいい試合だった。

 勝ったハヤトは準決勝で日高郁人と対戦。これは打撃のバッチバチ・ファイト。これまではひ弱な感じもあったハヤトだったが、本当に逞しくなったと思う。「俺に負けたら恥ずかしくてみちのくに帰れないって言っていたんだから、何度でも向かってきてほしい」とは日高の言葉だが、ドンドン先輩たちに向かっていってほしいし、スーパーJカップでの活躍も楽しみになってきた。19歳でデビューしたハヤトも気付けば4年のキャリアを重ねて23歳。今が大きく伸びるチャンスだ。

 この2人の他、新日本から参戦したプリンス・デヴィットは期待通りの活躍。安定した力量で菅原拓也、サンジェイ・ダットを破って決勝に進出した。今年のベスト・オブ・ザ・スーパージュニアにも準優勝しているし、プロレス大賞の技能賞にノミネートされてもおかしくないだろう。

 そして優勝した日高。マグニチュード岸和田、ハヤト、デヴィットと外部の人間との1日3連戦での優勝は快挙と言っていい。そんな日高の願い事は師匠のフナキとタッグを組むことだった。フナキは日高のデビュー戦の相手でもある。

 日高とフナキで思い出されるのは98年11月23日、バトラーツの両国初進出でのフナキ&TAKAみちのくvs日高&藤田。試合はフナキが日高を膝十字で仕留めて「技は出せばいいってもんじゃない。プロの技術を見せろ」と駄目出ししたことだ。

 あれから11年。今やゼロワンのコーチも務め、技巧派として名を馳せる日高にしてみれば、フナキの横に立って、改めて師匠を感じると同時に今の成長した自分を感じ取ってほしいのだろう。そこには当然、プロレスラー同士としての競い合い、勝負もあるはず。

 今回の優勝で天下一のベルトとインターナショナル・ジュニアのベルトを獲得した日高はインターコンチネンタル&インターナショナルライト・タッグを合わせて実に4冠になった。今年のゼロワンを振り返ると、MVPはこの日高だ。それだけにご褒美として、この願い事はぜひ叶えさせてほしい。

投稿者 maikai : 12:49 | コメント (0)