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2009年08月31日

だからプロレスは面白い!

 夏休み最後の両国ビッグマッチとなった昨日の全日本プロレスは4時間半弱のロング興行。第1試合から放送席で喋りっ放しだった私は声が枯れてしまって、今晩のサムライTV『S-ARENA』がちょっと心配だが、時間の長さを感じさせないバラエティに富んだラインナップ、そして試合内容も良く、全試合終了後には心地好い疲れが残っただけ。久々にプロレスで満腹にさせてもらった気がする。

 武藤敬司の25周年興行ということで豪華なメンバーが揃ったが、やはり重要なのは試合の内容。30分を越えたカズと近藤の世界ジュニアは、両者の気迫と技術が噛み合ったスリリングなものだった。この日、近藤が用意していた隠し玉はシューティングスター・プレス。実は16日の開幕戦・霞ヶ浦で近藤と雑談をしている時にかつてブロック・レスナーがシューティングスターを使っていたことが話題になったから、近藤が「3年前の技の進化形を見せる」と予告した時にピンときていた(3年前のカズ戦ではムーンサルト・プレスを初公開)。これを開幕戦の実況で喋ったら台無しになると思って昨日の“その瞬間”まで温存しておいた。果たしてシューティングスターが爆発! それでもカズ攻略はならなかった。カズの耐久力、心の強さは特筆もの。現時点で今年の全日本でのMVPは間違いなくカズだろう。

 F4と小橋&菊地&伊藤の全日本vsノア対抗戦は、小島と小橋のチョップとラリアットの真っ向勝負は予想通り。そこでKAIと大和が小橋に気後れせずに向かって行き、それに胸を出した小橋もよかったし、小橋と同じく9年ぶりに全日本マットに立った菊地もいい味を出していた。伊藤が持ち味を今ひとつ発揮できなかったのは残念だったが、ヘンなしがらみがない純粋な対抗戦は見ていて気持ちがいい。そして何より印象に残ったのが熱狂的な小橋コールだ。やはり全日本のファンにしてみれば「お帰りなさい!」という気持ちが強いのだろう。この試合はゲスト解説として渕が放送席に着いた。渕は砧の旧全日本道場で小橋&菊地を教え、天龍離脱後には鶴田軍として超世代軍の壁になっていただけに感慨深いものがあったようで、大コールを背に花道を下がる小橋&菊地を微笑みを浮かべながら見送っていた。

 高山vs諏訪魔の三冠戦は世界ジュニア戦のような美しさ、完成度の高さはなかったものの、その不細工な中にヘビー級のド迫力を詰め込んだような試合だった。終盤の拳による顔面の殴り合い、グシャッというヘンな音がした高山のヘッドバット…これで高山が額を割ってしまったが、こんなゴツゴツした試合は他の人間には出来ないものだろう。今大会は武藤が主役だったが、世界ジュニアも三冠も、それぞれの違った魅力を提示してくれたと思う。

 そしてメインの武藤25周年。1984年同期の武藤、蝶野、船木、その3年後輩で蝶野が寮長の時に入門した鈴木。これは4選手のプロレスを通しての人生の確認作業と言ってもよかった。そしてそれを放送席から見守ったのは鬼教官・山本小鉄である。

 この試合はお祭りやメモリアルでは終わらなかった。25年経っても業界のトップに君臨し続けようという武藤と蝶野、21年ぶりにプロレスのリングに上がった船木、最前線を突っ走っていると自負する鈴木…そんな4人が同じ舞台に立ったら、そこには『闘い』しかない。

 中でも注目は同学年ながら先輩後輩の関係で、新日本→新生UWF→藤原組→パンクラスと共に歩んだ船木と鈴木の再会だ。「辞めた人間がどの面下げて俺の前に出てくるんだ?」「ポンコツの武藤と蝶野という元スターと2001年の星と呼ばれた何も残ってねぇ出がらしの船木。現在の日本マットの一番先頭の一番先っぽの一番ど真ん中の俺が3人を相手にしてやる」と息巻いていた鈴木だが、実際の船木vs鈴木は、船木があくまでも先輩の上目線で冷徹だったのにはちょっと驚かされた。一方の鈴木のファイトぶりには船木に対する他人にはわからない感情と思い入れが垣間見えた気がした。

 プロレスは勝敗、技術の優劣以外に、その背景、心の葛藤…素の人間性や人生そのものが見えてしまう。昨日の全日本両国はリング上の純粋な攻防から人生ドラマまで、すべての面で堪能させてくれた。やっぱりプロレスって面白い!

投稿者 maikai : 2009年08月31日 11:13

コメント

両国メインは、やはり鈴木に尽きますね。

なんだかんだ一見クールな船木の気性の激しさをうまく引き出

してたように感じました。

ただ船木に対しての遠慮まるだしなストンピングは、いただけ

なかった。。

横浜では きっちり今現在の鈴木みのるを船木に体感させてあ

げてほしいです。

投稿者 たか : 2009年08月31日 21:29

まさにプロレスバンザイですよおぉ!プロレスオールスター戦ですよおぉ!武藤、蝶野、船木、みのる、高山に小橋建太、長州力、越中ですから。歴史あるレスラーといいファンの歓声といい、圧巻でした!あとは天龍、川田、秋山、永田あたりも加わって頂き、ぜひプロレスオールスター戦を実現願います!プロレスバンザイ、プロレスファンバンザイ!血沸き魂踊るプロレスオールスター、永遠なれ!

投稿者 Anonymous : 2009年08月31日 22:50

リングの四方をお客さんがグルリと取り囲む両国を、久し振りに見ました。
やはりこれが、プロレス会場のあるべき姿ですね。

確かにオールスター戦のような大会でしたが、私的ベストバウトは純血の試合、カズ・近藤戦でした。

投稿者 拷問コブラ : 2009年09月01日 00:48

両国大会で起こった西村選手と征矢選手の決別宣言について小佐野さんはどう感じたか聞きたいです。
僕は、征矢選手は全日本やめちゃうのかと思います。でもやめてほしくないです。若手の中で一番輝いていたので。。。

投稿者 中谷 : 2009年09月01日 03:00

私は地方在住のため、この興行はPPVで観戦させていただきました。熱が感じられる興行ってPPVでも同じです。
久しぶりに、熱かった!!感動です。

投稿者 昇り瀧 : 2009年09月02日 14:38

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