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2009年08月31日

だからプロレスは面白い!

 夏休み最後の両国ビッグマッチとなった昨日の全日本プロレスは4時間半弱のロング興行。第1試合から放送席で喋りっ放しだった私は声が枯れてしまって、今晩のサムライTV『S-ARENA』がちょっと心配だが、時間の長さを感じさせないバラエティに富んだラインナップ、そして試合内容も良く、全試合終了後には心地好い疲れが残っただけ。久々にプロレスで満腹にさせてもらった気がする。

 武藤敬司の25周年興行ということで豪華なメンバーが揃ったが、やはり重要なのは試合の内容。30分を越えたカズと近藤の世界ジュニアは、両者の気迫と技術が噛み合ったスリリングなものだった。この日、近藤が用意していた隠し玉はシューティングスター・プレス。実は16日の開幕戦・霞ヶ浦で近藤と雑談をしている時にかつてブロック・レスナーがシューティングスターを使っていたことが話題になったから、近藤が「3年前の技の進化形を見せる」と予告した時にピンときていた(3年前のカズ戦ではムーンサルト・プレスを初公開)。これを開幕戦の実況で喋ったら台無しになると思って昨日の“その瞬間”まで温存しておいた。果たしてシューティングスターが爆発! それでもカズ攻略はならなかった。カズの耐久力、心の強さは特筆もの。現時点で今年の全日本でのMVPは間違いなくカズだろう。

 F4と小橋&菊地&伊藤の全日本vsノア対抗戦は、小島と小橋のチョップとラリアットの真っ向勝負は予想通り。そこでKAIと大和が小橋に気後れせずに向かって行き、それに胸を出した小橋もよかったし、小橋と同じく9年ぶりに全日本マットに立った菊地もいい味を出していた。伊藤が持ち味を今ひとつ発揮できなかったのは残念だったが、ヘンなしがらみがない純粋な対抗戦は見ていて気持ちがいい。そして何より印象に残ったのが熱狂的な小橋コールだ。やはり全日本のファンにしてみれば「お帰りなさい!」という気持ちが強いのだろう。この試合はゲスト解説として渕が放送席に着いた。渕は砧の旧全日本道場で小橋&菊地を教え、天龍離脱後には鶴田軍として超世代軍の壁になっていただけに感慨深いものがあったようで、大コールを背に花道を下がる小橋&菊地を微笑みを浮かべながら見送っていた。

 高山vs諏訪魔の三冠戦は世界ジュニア戦のような美しさ、完成度の高さはなかったものの、その不細工な中にヘビー級のド迫力を詰め込んだような試合だった。終盤の拳による顔面の殴り合い、グシャッというヘンな音がした高山のヘッドバット…これで高山が額を割ってしまったが、こんなゴツゴツした試合は他の人間には出来ないものだろう。今大会は武藤が主役だったが、世界ジュニアも三冠も、それぞれの違った魅力を提示してくれたと思う。

 そしてメインの武藤25周年。1984年同期の武藤、蝶野、船木、その3年後輩で蝶野が寮長の時に入門した鈴木。これは4選手のプロレスを通しての人生の確認作業と言ってもよかった。そしてそれを放送席から見守ったのは鬼教官・山本小鉄である。

 この試合はお祭りやメモリアルでは終わらなかった。25年経っても業界のトップに君臨し続けようという武藤と蝶野、21年ぶりにプロレスのリングに上がった船木、最前線を突っ走っていると自負する鈴木…そんな4人が同じ舞台に立ったら、そこには『闘い』しかない。

 中でも注目は同学年ながら先輩後輩の関係で、新日本→新生UWF→藤原組→パンクラスと共に歩んだ船木と鈴木の再会だ。「辞めた人間がどの面下げて俺の前に出てくるんだ?」「ポンコツの武藤と蝶野という元スターと2001年の星と呼ばれた何も残ってねぇ出がらしの船木。現在の日本マットの一番先頭の一番先っぽの一番ど真ん中の俺が3人を相手にしてやる」と息巻いていた鈴木だが、実際の船木vs鈴木は、船木があくまでも先輩の上目線で冷徹だったのにはちょっと驚かされた。一方の鈴木のファイトぶりには船木に対する他人にはわからない感情と思い入れが垣間見えた気がした。

 プロレスは勝敗、技術の優劣以外に、その背景、心の葛藤…素の人間性や人生そのものが見えてしまう。昨日の全日本両国はリング上の純粋な攻防から人生ドラマまで、すべての面で堪能させてくれた。やっぱりプロレスって面白い!

投稿者 maikai : 11:13 | コメント (5)

2009年08月29日

好漢・井上勝正の決断

 大日本プロレスは宮本裕向vsアブドーラ・小林を軸にしたデスマッチ世代闘争、大日本vs他団体の対抗戦が進行しているが、そんな中でひとりのレスラーが昨日の後楽園ホールで廃業した。突貫ファイトで人気を博した井上勝正である。

 彼が格闘家集団のREX JAPANにいた時代も、大日本に入団して近藤博之とのチーム若作りで売り出していた時期も私は知らない。週刊ゴングが休刊となり、様々な団体に足を運ぶ時間が出来た07年春以降になって、ようやく私は井上勝正というレスラーを認知するようになった。

 ガッチリした体型、常に真っ向からぶつかる泥臭いスタイルは、今の時代にあっては逆に新鮮に映った。アパッチの新木場大会でリキプロの和田城功とのシングルマッチは泥臭い2人の武骨な試合として印象に残っている。それを思い出の試合に挙げたのは、いかにも井上らしい。和田は和田で「もっとトップの方たちと試合をしているのに、自分との試合を挙げていただいたなんて…」と感激していた。

 井上の廃業理由は両膝の前後十字靭帯、外側内側側副靭帯損傷、両膝半月版損機能不全と4・6高石大会で異変を感じたという右目外傷性視神経症。右目の視野が欠けていることでリングを去ることを決意したというが、改めて聞いてみると「昨年10月に対戦相手の技を受け切れないことがあって、悩んでいました」とのこと。

 引退ではなく、廃業としたのは「現実は怪我によるドロップアウトなんですよ。だから引退ではないです。出来なくなったら去るしかない。廃業という言葉しかなかったんです」

 とにかく井上は実直な男。「1試合でも出来たなら廃業しなかった」と引退試合を拒み、この日のリング上での挨拶でも「リングは戦う場所なので、僕が発する言葉はありません」と、ファンへの感謝しか口にしなかった。10カウント後、マイクを通さず四方に向かって大声で「ありがとうございました!」と叫んでいたのが、いかにも井上らしかった。

「リングは戦う場所なので、僕がそこで何を言うことはないですけど、他の場所では元大日本プロレスのレスラーだったと胸を張って言えるようにどんな仕事でも一生懸命やっていきます。レスラーを廃業しても人生はこれからまだまだ。余生ではないですから。だから振り返ることもないし、振り返る暇もないですよ。全力で突っ走ってきて、これからもさらにスピードを上げて突っ走るんで、振り向いていたら危ないですからね。しっかり前を見て、生きていきます」と井上。今後は神奈川県横浜市鶴見区のスーパー銭湯おふろの国で働くという。

 プロレスラーの引き際は難しい。井上のように「もう満足出来るファイトができない」ときっぱり決断する人もいれば、どんなに怪我をしようともリングに上がり続けて、それがファンに支持される人もいる。

 どの選手にも悔いのない人生を送ってもらいたいし、リングを去った後も幸せであってほしい。自分自身と家族を大切にしてほしい。突き詰めれば、生きて、普通に生活できる体でリングを降りてほしいと願う。

 井上勝正選手、プロレスラー生活、お疲れさまでした。そして新たな人生での突貫ファイトを期待しています。

投稿者 maikai : 10:23 | コメント (0)

2009年08月28日

ハッスルの真の闘いがスタート

 昨日の後楽園ホールにおける越中詩郎30周年記念大会はいい興行だった。木村健悟、小林邦昭、青柳館長、後藤達俊のかつての平成維震軍のメンバーが覇旗を持って駆け付け、ハッスルという舞台ながら新日本の永田裕志、獣神サンダー・ライガーが出場。武藤、長州、カブキからメッセージが寄せられた。

 また安生がアン・ジョー司令長官ではなく安生洋二としてハッスルの舞台に初めて立って、WJで越中と共に結成した反体制の労働組合レイバーユニオンを復活させて大森隆男とタッグを結成。ゼロワンMAX以来の大森と坂田のリング上での再会も見ものだったし、川田がモンスターKではなく、デンジャラスKのコスチュームで試合をしたのも何だか感慨深いものが。天龍と川田の龍明砲がこれまでのハッスルの流れを度外視して復活したのも副産物だった。

 主催がハッスルだから“ケツおやじ”コーナーなどのお楽しみもあったが、試合は最近のハッスルの傾向をさらに押し進めたハードなもの。第1試合でのレイ大原ならぬ大原はじめとKGの攻防は客席をどよめかすに十分だったし、坂田&小路vs安生&大森も熱かった。後藤vsRGはいつものRGの試合だったが、興行全体の流れを考えればアクセントとして良かったと思う。そしてメインの越中&永田&ライガーvs天龍&川田&TAJIRIは当然ながらまっとうな試合。試合後、永田とライガーが「ハッスルのリングでも闘いはあった!」と強調していたのが印象的だった。

 なるほどと思ったのは、余計なトッピングがない分、レスラーたちが伸び伸びと戦っていたこと。やはりファンタジーの世界での試合は窮屈だったんだろうなと改めて感じた。そして、そんなレスラーたちの本来のファイトをお客さんが楽しんでいたことが重要だ。恐らく、昨日のお客さんの何割かはハッスルからプロレスを観始めた人だと思う。その人たちが純粋なプロレスに興味を持ってくれたとしたら、これまでハッスルがやってきたことは決して無駄ではないのだ。

 昨日の越中30周年はハッスルの新たな始まり。最高顧問に就任したクォンタム・ジャンプ・ジャパン代表の酒井正和氏はマンネリ化したストーリーと山口日昇社長の放漫経営を指摘した上で10・10両国における『ハッスル・ジハード2009』からの新たなスタートを宣言した。そこには酒井新体制vs山口旧体制というストーリーラインも感じられないことはないが、どうあれ軌道修正&再出発は間違いない。

 リング上の戦いを重視する方向にシフトしつつあったハッスルがどういう新機軸を打ち出すか。ハッスルの正念場とも言える真の闘いがスタートした。

投稿者 maikai : 10:23 | コメント (0)

2009年08月27日

ドラゴンゲートの新風景

 望月とYAMATOのグランドの攻防、鷹木のパンピング・ボンバーに1回転する勝彦、望月&勝彦の蹴りによる反撃、鷹木とYAMATOのパワフルで骨太な技、そして20分近い攻防を制したのはYAMATOだ。決め技は望月への胴締めスリーパーだった。

 優勝した鷹木&YAMATO、準優勝の望月&勝彦…今年で3回目を迎えたタッグ・リーグ戦の主役になったのは、従来のドラゲーのカラーを持たないチームだった。鷹木はアニマル浜口ジム出身、YAMATOは和術慧舟會出身で総合格闘技からドラゲーに入った男、望月&勝彦は共に空手をベースにしており、ルチャ・リブレの要素がまったくないのだ。

 現在のドラゲーの選手はメキシコ闘龍門で学んだルチャをベースにしつつ、独自のスタイルを確立しているが、それにしてもまったく違うカラーを持つ4選手が8月6日に続いて2回連続で後楽園ホールのメインを張ったということに注目したい。

 今後を考えれば、9・17後楽園で鷹木&YAMATOが斉了&堀口のツインゲートに挑戦、その前の8・30博多では鷹木&YAMATO&岩佐vs望月&勝彦&フジイがメインを張る。昨日の流れからいくとサイバー・コングと健介オフィスの起田高志の抗争もスタートしそうだ。

 かつては独自の価値観&世界観のみで活動していたのが他団体と積極的に交わるようになるなど、時代の変化に対応して成長&発展してきたドラゲーは、スタイル的にも様々なものを取り込んできている。昨日の新風景が今後どんな広がりを生むか?

「常に新しい何かを生み出さないと生き残れないですよ」とは、かつて望月成晃から聞いた言葉。絶えず変化を続けるドラゲーからは目が離せない。

投稿者 maikai : 11:17 | コメント (0)

2009年08月25日

明後日は…やってやるって!!

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 先週の土曜日の話になってしまうが、中野での若林さんのトーク・イベント終了後、若林さんと私は楽屋に戻らずにそのままタクシーで新橋のサムライTV『S-ARENA』に直行。放送は午後10時からで、何とか9時半過ぎにはスタジオに滑り込むことができた。

 私は月曜レギュラーだが、この日は8・27後楽園ホールでデビュー30周年興行を行う越中詩郎がゲストということで私に出演の依頼があったのだ。

 越中さんとの出会いはゴングが週刊化される以前の84年1月だから25年以上も前。全日本プロレスのグアム合宿に同行させてもらった時だった。その当時、私は全日本の選手とほとんど面識がなかった。親しく口をきけたのは81年のアメリカでお世話になった渕さん、別冊ゴングでインタビューしたことがある鶴田さん、『底抜け脱線ゲーム』収録の時にアイドルの石川秀美と写真を撮ってあげたターザン後藤ぐらいなもの。それだけに心細かったが、そんな私をアニキよろしく面倒見てくれたのが越中さんだった。

 越中さん、ジョー樋口さんと実弾を撃ちに行ったり、ドッグレースに行ったり、一番下っ端の若手だった川田を連れてココス島に行ったり…。このグアム合宿から3ヵ月後、ゴングが週刊化されて私は全日本担当記者を命じられたのだが、この合宿での経験があったからスムーズに全日本に溶け込めた。それも越中さんのお陰だ。特に越中さんと一緒にココス島で遊んだ川田は、私が全日本担当記者になったことを喜んでくれた。

 だが、私が全日本担当記者として越中さんを取材することはなかった。ゴング週刊化以前の3月に三沢とメキシコに旅立ち、そのまま全日本に戻ることなく新日本に移籍してしまったからだ。全日本担当記者になって1年ちょっと経った85年7月。越中さんが密かに帰国した。同月14日、巡業先の八戸に来て、馬場さんに新日本移籍のお願いをするという情報を私はキャッチしていた。取材はもちろん、久々に越中さんに会いたかった私は八戸のホテルを張っていたが、とうとう会うことは出来なかった。

 翌日、馬場さんに話を聞くと「越中? 昨日来たよ。俺とだと話しにくいだろうから、天龍が話をしていた。天龍は“今日、会場に来て長州の頭をイスで殴れば、すべてが丸く収まるから”と言っていたみたいだったけどなあ。新日本への移籍? いや、あいつはウチの選手や」とのことだった。

 だが、越中さんは、この馬場さんへの挨拶をけじめとして強行突破、新日本移籍の道を選んだ。

 越中さんが私の取材対象になったのは、それから7年後の92年。反選手会同盟として私が担当するWARに殴り込んできたのだ。

「天龍もWARもぶっ潰してやるって!」と殴り込んできた越中さんの迫力は凄かった。WARが旗揚げしたばかりなら、反選手会同盟も結成したばかりで、どちらも負けられなかったのである。

 WAR巡業中のある駅のホームで越中さんと話す機会があった。「俺はね、八戸のホテルで天龍さんが“お前もメキシコで苦労したんだろう?”って言ってくれたことを忘れていないよ。で、“これを…”ってポケットに金を突っ込んでくれて…。それも天龍さんの自腹だよ。あの時のことは一生忘れない。だから今、WARで俺は本気になって天龍さんを潰してやろうって向かって行ってるんだよ。それでファンが熱くなって、お客さんが入ってくれれば本望だしね」と越中さん。潰しにかかる=恩返し。越中さんは若手時代と変わらず熱い人だった。そんなことを思い出しながらの越中さんとのトークはあっという間に終了した。

 8・27後楽園では一昨年春に涙のIWGP戦を戦った永田裕志、ドラゴン・ボンバーズの盟友だったライガーとトリオを結成。対するは久々に合体する天龍&川田にTAJIRIを加えたトリオだ。セミではRGが平成維震軍選抜メンバーと激突するとのことで、ここはぜひともコワモテの人をお願いしたい。また、安生がアン・ジョー司令長官としてではなく、安生洋二としてハッスルのリングに初登場するのも楽しみ。WJで反・長州として結束した大森と安生のレイバーユニオンが復活するのである。

 ハッスルという舞台で繰り広げられるド演歌ファイターの30周年。一体、どんな色になるのか楽しみだ。

投稿者 maikai : 11:23 | コメント (0)

2009年08月24日

DDT両国に拍手!

 私のDDTの記憶は渋谷のclub ATOMというクラブ。2000年秋、日本スポーツ出版社の編集企画室長になっていた私は『プロレス名鑑』を作るため、取材と写真撮影のためにDDTの興行を訪れた。週刊ゴング編集長時代、私はDDTに顔を出したことがなかった。97年の旗揚げ前には旧知の木村浩一郎が高木三四郎、野沢一茂(NOSAWA論外)を連れて「ちゃんと基礎を持ったレスラーを育てる団体を創ります」と挨拶に来てくれたが、正直な話、DDTに顔を出す時間は編集長当時の私にはなかったのだ。

club ATOMで目の当たりにしたDDTにはカルチャー・ショックを感じた。まず客層が全日本や新日本とまったく違う。場所柄、プロレスファン層とは明らかに違う若者、コギャルたちが集っていた。そして、そこには独自の世界が構築されていた。観客はポイズン澤田のパフォーマンスにマラカスを振り、高木三四郎に陶酔する。当時のWWEのRTC(風紀委員会)をパクった佐々木貴をリーダーとする生徒会(マドンナはNEOの仲村由佳)もあったし、従来のプロレスとは一線を画すファンタジー・プロレスが繰り広げられていた。お客さんは馬場、猪木も闘魂三銃士も四天王も知らないが、DDTの凝ったストーリーラインにはやたらと詳しいのだ。そこにはプロレス界のアングラ、サブカルチャーがあった。

 あれから9年…昨日、DDTは遂に両国国技館進出を果たした。彼らはアングラの世界だけでは収まらなかったのだ。招待券を一切出さずに超満員札止めの8865人という観客数は立派だ。大会場の興行になると招待券を撒き過ぎて、客入りは格好がついたものの、観客のノリが悪いということよくがある。ところが、昨日の両国のお客さんはDDTの選手、流れをよく把握していて実に反応がよかった。選手それぞれの営業努力もあったと思うが、9000人近くものお客さんを呼び込めたのは、旗揚げから12年間の積み重ねの結果である。

 ダークマッチに出場する予定だった高木の師匠・鶴見五郎が試合時間に会場に到着しないというハプニング(鶴見は25日と勘違いしていたそうだ)もあったが、それもひとつのネタとして観客が笑いにしてしまのがDDTのいいところ。ダークマッチ2試合を含む全10試合は結果的に5時間に及ぶ興行になってしまったが、最後までダレることなく(途中のグダグダ感のあった試合は、それはそれで味わいのひとつ)ビッグショーとして完成されていたと思う。

 メインの王者HARASHIMAと飯伏幸太のKO-D無差別級選手権はシリアスな勝負。25分を超える激闘を制したのは飯伏のパワーボムの体勢から後方にブリッジして叩きつける新技フェニックス・プレックス・ホールド。

 飯伏が言うには「14年前にプロレスごっこで初めて出した技です」とのこと。飯伏は戦前に「プロレスごっこの集大成を見せる」と言っていたが、まさにこの技にその言葉が集約されていたのである。

「個人的には今まで通りにいろんなところに出て、GHCジュニア、IWGPジュニアも獲って、山とかキャンプ場でタイトルマッチをやるのが最終目標です」と飯伏。そう、飯伏は自由人のままでいいのだ。

 エンディングも素晴らしかった。全試合終了後、試合に出場した全選手の控室でのバカ騒ぎする姿をスクリーンに映し出すイキな演出。場内にはDDTコールが発生し、さらに“2010年7月25日、両国国技館第2弾決定”の文字が浮かぶや、大歓声が起こった。

「両国はデカかったし、辛かった。年に何回もやる大きい団体は本当に凄いと思いましたね。厄介な扉を開けてしまったけど、新たな第一歩。DDTの未来が見えました!」と高木。今日は早くも反省のミーティングを行っているはずだ。

 観客論に基づいた徹底的な作り込みと時代の一歩先を行く斬新なセンスという文化系の発想力でここまで来たDDT。いや、お見事でした! これからも期待しています!

投稿者 maikai : 14:11 | コメント (1)

2009年08月23日

ありがとうございました!

若林トークショー02.jpg

 昨日は東京・中野のStudio twlという小劇場で催された『若林フリー健治の胸突き八丁!十番勝負!!~その二~』にゲスト出演させてもらった。正直、どれぐらいのお客さんが来てくれるか不安だったが、ほぼ満員になって一安心。

 それにしても若林さんの人気は凄いなあと改めて実感。開演前にはサイン、写真撮影のファンサービスがあり、その時点で会場には一体感が。やはり若林さんの気さくな人柄というのも大きいと思う。もちろん喋りも絶好調で、ナマ実況は私も聞き入ってしまった。

 私的には、最近はスタジオでカメラに向かって喋ることが多いので、久々にお客さんの前、しかもかなり至近距離ということで柄にもなく緊張。これには自分でもちょっとビックリ。それでもMCを務めたMARS16のlessさんの巧みな誘導と若林さんに助けられて、それなりに喋れたのではないかと思っているのだが、どうだっただろうか?途中からは若林さんも私も時間配分や進行を度外視して、話があっちに飛び、こっちに飛びと暴走しちゃったから、lessさん、進行役の拷問コブラさんは大変だったに違いない。

 とにかくアッという間の2時間。実は若林さんも私も10時からのサムライTV『S-ARENA』のナマ本番が入っていたため、最後はお客さんをお見送りすることも出来ず、ステージから荷物を持って退場し、待たせておいたタクシーに乗り込むという慌ただしさ。本当に失礼してしまったが、出来れば、あと1時間ぐらいは喋りたかった。本当に若林さんが好きな人、プロレスが好きな人に囲まれての空間は居心地が良かったし、「こういうファンの人たちがいてくれれば、プロレスは大丈夫!」と感じた貴重な時間だった。

 挨拶もそこそこに飛び出してしまいましたが、lessさん、拷問コブラさん、ありがとうございました。若林さん、あなたはやっぱり凄いわ! そして足を運んでくれたファンの皆さん、ありがとうございました!!

投稿者 maikai : 12:13 | コメント (3)

2009年08月21日

明日はよろしくお願いします!

 この2日間はゆったりペースで仕事をしていたので快調! 腰の方も不安がなくなった。そして、明日22日(土)はいよいよ、若林アナのトーク・イベント『若林フリー健治の胸突き八丁!十番勝負!!~その二~』への出演だ。

 先日、若林さんと電話で話をしたが、ヤル気満々、開演前には来場してくれた方のためにファンサービスの時間も設けるという。ちょこっと話しただけでも馬場さんから始まって、ああだった、こうだった、あれはケッサクだった…などと、2人の脳ミソからは様々なことが溢れ出てくる。2人の中だけで溢れ出ちゃったら意味がないので、あれこれ打合せするよりも、ぶっつけ本番で皆さんの前で話すのがいいようだ。

 では、ダメ押しでもう一度だけインフォメーションを掲載しておきましょう。ご来場をお待ちしています。

【開催日時】8月22日(土)
開場/18:30 開演/19:00~(約2時間)
【会場】Studio twl(東京都中野区新井3-16-7 ガーデニア中野地下1階)
会場ホームページ http://www.studio-twl.com/
【アクセス】JR中央線・中野駅より徒歩約13分 /西武新宿線・沼袋駅より徒歩約8分
【チケット料金】2,600円
※前売・当日共に同じで、整理番号付の自由席となります。
※ご予約の場合は当日のお支払となりますので、キャンセル時は速やかにご連絡下さい。
【チケットお問い合わせ】Studio twl
Email=info@twl.co.jp
TEL=03-5318-3775(24時間、留守電でも対応しています)
※御希望の「日にち」「ライブ名」「お名前」「枚数」「電話連絡先」をお知らせ下さい。

投稿者 maikai : 12:42 | コメント (0)

2009年08月19日

腰痛はイエローカード?

 15日の両国国技館で腰に違和感が! 別に何をしたわけでもないが、マスコミ用のボックス席で観戦していて、杉浦のコメントを取りに行こうとイスから立ち上がった時に重痛いイヤな感じが…。

 翌16日の霞ヶ浦文化体育会館におけるGAORAの全日本中継解説と17日のサムライTV『S-ARENA』は腰ベルトを巻いて無事にやり遂げ、昨日は朝から2年前にお世話になった整体の先生のところへ。

「前と同じ感じで骨盤が歪んでますねえ」と先生。うーん、またやってしまったか! だが、1時間ほど診てもらうと、あーら不思議。前屈もスムーズに出来るではないか。もちろん、昨日の1回で治るわけはなく、何回か通わなければならないが、ひと安心。

 今週土曜日には若林アナのトークショーに出演するし、30日には何時間に及ぶかわからない全日本両国大会のナマ解説もある。もちろん、その間には書くべき原稿もあるし、Gスピリッツの取材&原稿も本格化する。「腰が痛い!」などと言っている状況ではないのだ。

 考えてみれば、三沢さんの事故があった6月13日からバタバタと忙しい日々が続いていた。スケジュールをチェックしてみたら、完全休養日は6月12日。で、その後の休みは腰が痛くなる前日の8月14日。それも朝から山梨県の小佐野本家の墓参りに行っていたから休養日とは言い難い。これじゃあ、体のどこかが悲鳴を上げるはずだ。

 ということで、昨日は整体から帰ってきた後は軽い原稿を2本書いただけで、ディファ有明のSEMはパスしてのんびり。『ロンドンハーツ』などを観て過ごし、12時前には就寝。

 フリーは自分の体だけが頼り。無理した結果、仕事に穴を開けてしまったり、それこそ仕事が出来なくなってしまったらアウトなのだ。相変わらず上手くオンとオフを切り替えられない私にとっては、腰痛はシグナルであり、イエローカードのようなものかもしれない。

 睡眠も十分摂ったし、今日はイイ感じ。午後からGスピリッツ用の取材にGO!

投稿者 maikai : 10:12 | コメント (2)

2009年08月17日

G1の季節には…

 今年のG1は真壁刀義の優勝で幕を閉じた。と言っても、私が行けたのは15日の両国大会のみ。昨日は茨城の霞ヶ浦文化体育館における全日本プロレス『SUMMER IMPACT2009』開幕戦のGAORA中継解説があり、冷房設備のない暑い会場で喋りまくっていた。8・30両国に向けて各選手がうだるような暑さの中で熱戦を展開。真夏でも道場の窓を閉め切って練習している成果がこういう場面で活きてくるのだと実感させられた。

 さて、G1だが、やはり私には私なりの思い出と思い入れがある。やけに暑い日には15年前の第4回大会を思い出すのである。15年前の1994年8月1日、あと1ヵ月で34歳になろうとしていた私は週刊ゴングの編集長に就任した。編集長としての初仕事は8月3日から開幕するG1をメインとする本作りだった。3日から7日までの両国5連戦。毎日、昼に出社し、デスクワークをしてから両国に行き、試合後にはまた会社に戻って仕事をして…という毎日。春日の駅からゴング編集部に向かう道が毎日暑かったことばかりが記憶に残っている。その時の私の胸の中は新編集長としての夢と希望、そして不安でいっぱいになっていた。

 ちなみに94年大会は91年大会以来3年ぶりにA、Bブロック別のリーグ戦が行われ、各ブロックの1位が優勝戦で対決するというシステムだった。Aブロック=蝶野、長州、武藤、藤原、谷津、木戸、Bブロック=パワー・ウォリアー(健介)、藤波、橋本、馳、越中、飯塚。今年の大会には、このメンバーで出場しているのは飯塚だけ。優勝した真壁も、準優勝の中邑もプロレス入りしていないのだから時代を感じる。

 そして最後は蝶野がパワーを下して2年ぶり3度目の優勝を達成。蝶野はこの優勝を機に続く9月シリーズで“黒の武闘派”に転身する。その蝶野は昨日、“最後のIWGP挑戦”を宣言した。

 15年経った今も、G1の季節を迎えると、あの第4回大会の興奮と、編集長になったばかりのドキドキ感が蘇ってくるのだ。

投稿者 maikai : 10:30 | コメント (0)

2009年08月12日

いよいよ10日後!

「王道、それは1本の道、天下の道、山あり谷ありの道。しかし己が信じた道…」(ジャイアント馬場5000試合達成記念試合より)
「プロレスとは裸の詩(うた)、心の詩、漢の詩、涙の詩、魂の詩!」「乾坤一擲!」「鬼か、魔物か、怪物か!ジャンボ鶴田!」「イカ天とは“イカす天龍”のことであります!」「恩知らずのキラーカーン!」「胸突き八丁!」などなど…。

 いよいよ10日後の8月22日(土)午後7時から東京・中野のStudio twlで若林健治アナウンサーのトークライブ『若林フリー健治の胸突き八丁!十番勝負!! ~その二~』が開催される。そして、そのゲストは何と…私なのだ。

 10日のサムライTV『S-ARENA』でもちょこっと宣伝させてもらったが、改めてここで告知を。

【会場】Studio twl(東京都中野区新井3-16-7 ガーデニア中野地下1階)
【アクセス】JR中央線・中野駅より徒歩約13分/西武新宿線・沼袋駅より徒歩約8分
【チケット料金】2600円
※前売・当日共に同じで、整理番号付の自由席となります。
※ご予約の場合は当日のお支払となりますので、キャンセル時は速やかにご連絡下さい。
【チケットのお求め方法】会場ホームページ(http://www.studio-twl.com/)にあるチケット予約フォームかメール、又はお電話(03-5318-3775)で前売券の予約をして下さい。
※メール、お電話の場合は、御希望の「日にち」「ライブ名」「お名前」「枚数」「電話連絡先」をお知らせ下さい。
※予約フォームまたはメールでご予約をして頂いた場合は、折り返し確認のメールをお送り致します。整理番号も併せてお知らせ致します。
※電話も24時間、留守電にて予約を受け付けています。
※2日以内に確認メールが届かない場合は、お手数ですがお電話(03-5318-3775)にてお知らせ下さい。
■主催者(拷問コブラ)
Email: goumoncobra@gmail.com
※mixiのメッセでもお気軽にどうぞ。
■会場(Studio twl)
Email: info@twl.co.jp
TEL:03-5318-3775

 なお、当日券は予約が定員に満たない場合のみの発売になるので、お早目の予約をおすすめします。

若林さんと私の全日本プロレス1984年同期コンビが本音で喋り倒します! 会場に集まったお客さんしか聞けない、ただ一度きりの若林さんの実況もあります! ご来場、お待ちしています!

投稿者 maikai : 12:10 | コメント (0)

2009年08月10日

GENOME9に見たもの

 リング上に麻生太郎総理、小泉純一郎元総理、さらに北朝鮮の金正日総書記がズラリ! これはもちろん本人ではなく、社会風刺コント集団ザ・ニュースペーパーの面々。衆院選出馬が噂されるアントニオ猪木のパフォーマンスだ。昨日の有明コロシアムにおけるIGF『GENOME9』は、例によって“アントニオ猪木なる世界”に支配された。

 さて、肝心の試合のメインは高山善廣&ボブ・サップvs小川直也&ジョシュ・バーネット。実に豪華なメンバーが揃った。全員190センチ、110キロ以上のヘビー級が揃ったリング上は壮観。だが、実際の試合内容は…。

 試合後、門馬忠雄さんに「やっぱり、この大きさがプロレスの醍醐味だねぇ!」と話しかけられた高山は「風景はWWEの大きな選手に負けないものがあると思いますよ。でも写真で見たら“オッ!”だけど、動いているのを見たら“アーッ…”って感じですかね。それじゃダメでしょ(苦笑)。こんだけの体格の人間が揃って何か出来たらプロレスもカムバックするチャンスがあると思うけど、みんなその意識を持っているのかな? もう一歩じゃなくて、オリンピッククラスのハイジャンプが必要ですよ。諦めちゃいけないね。今後、どういう仕掛けをされるのかわかんないけど、それに乗るのが俺の務めかなって」。

 高山が言うように、もったいない試合だった。正直、プロレスが出来るのは高山だけ。ひとりだけでは試合にならないのだ。

 スイングする試合を見せてくれとは言わない。お互いにタイミングを合わせてくれとも言わない。別に噛み合わないゴツゴツした試合でいいのだ。キレイな受け身を取ってほしいとも思わないし、相手の技を光らせてくれとも思わない。ただ、プロレスの“基本の基”だけは最低限、身に付けてリングに上がってほしいとつくづく感じた。ロープを使ったり、コーナーに振ったりするのなら、せめてリング上の走り方だけでもマスターしてほしいのである。IGFに従来のプロレスを求めないが、どんな競技でも基本はあるはず。それを踏まえないと、どうにも試合に広がりが出ないというのが、昨日のメインを見ての感想だ。

 昨日の試合で面白かったのは第2試合のジョン・アンダーセンとSTYLE-Eの柴田正人のヘビー級対決。アンダーセンの肉体は一見の価値あり。あそこまでの筋肉を見せられると、ステロイド云々なんていうことは吹っ飛んでしまう。もはやサイボーグだ。そして試合もヘビー級のドッカンドッカンとした単純明快なド迫力。いきなりハンマーでの殴り合いから始まり、アンダーセンは125キロの柴田を軽々とサイド・スープレックス。柴田がDDT、投げっ放しジャーマンで反撃してフォールに入ってもカウント2で軽々と吹っ飛ばしてしまう。最後も丸太のような腕からのラリアット、強烈なボディスラム、投げっ放しのラストライド! それこそ“これぞプロレスのヘビー級の醍醐味”という試合だった。

 そしてネクロ・ブッチャーvsタカ・クノウのデスマッチ・ファイターvs柔術家という無茶苦茶なカードも面白かった。あくまでも実直に試合をするクノウに対してネクロはパンチ、噛みつき、鉄柱攻撃、本部席へのスラム、入場用の階段を打ちつけて流血させ、その傷口をひっかく…などのいつも通りのファイト。最後、ネクロがパワーボムを狙ってきたところをキド・クラッチに丸めこんだクノウの切り返しは見事だった。ネクロの反則三昧に耐えて最後はきっちりと決めたクノウが何だか職人レスラーに見えた瞬間だった。

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2009年08月09日

白帯の勇者

 昨日は後楽園ホールでZERO1の『火祭り』決勝。最後の舞台に立っていたのは4連覇を目指していた田中将斗でもなく、大谷晋二郎でもなく、曙でもなく崔領二と佐藤耕平だった。

 Aブロック代表決定戦の4WAYマッチで勝ち残れずに涙した大谷は2人に「心して決勝の舞台に上がってくれ。お前ら2人が、この『火祭り』に参加した勇者たちすべての思いを背負って、思い切り魂と魂のぶつかり合いを見せろ。『火祭り』は絶対に大成功で終わらなきゃいけないんだ」と熱い檄。マスコミには「勝ち残った2人の戦いを見てあげてください」と語った。

 さて試合だが、耕平が左足首を負傷したことで流れが変わった。耕平は負傷もそうだが、明らかに心が折れていた。セコンドに付いた『火祭り』参加選手がそんな耕平に、そして崔に必死に声をかける。その「頑張れ!」という祈りは客席にも伝わり、当事者の崔と耕平にも伝わった。一度は心が折れた耕平もそこから立ち直り、試合は20分を超える消耗戦に。崔が耕平を押さえた瞬間、後楽園ホールにいる全員が一体となった。

 正直、あとでVTRなどで観たら、決していい試合ではなかったと思う。だが、リアルタイムのライブでは最高の空間が生まれた。きっと、そこには大谷が言うところの“プロレスの神様”が降りてきたのだろう。

 優勝した崔は3・29靖国プロレスで世界ヘビー級王者になり、7・1新宿で将斗に陥落するという過程の中で成長し、いろいろ悩み考えるようになった。その中で、今回の『火祭り』に際して、彼の心の中にあったのは志半ばでこの世を去った師・橋本真也、04年10月に急性硬膜下血腫で倒れて現在もリハビリ中の星川直浩だったという。

「そういった方々がいるのに、自分は体が動く。五体満足でプロレスができるのに、これで悩んでいたらおかしいと思ったんです。だったら体がボロボロになってもお客さんの声援に応えるファイトをして、皆さんの元気になれるように頑張りたいです。初心に戻って基本を忘れず頑張っていきたい。心の底から“まだまだ”と思うし、スタートラインに立ったばかりだと思いますよ。責任も重大なんで、これからブーイングを浴びることもあるでしょうけど、それも覚悟してやっていきます。まだまだ僕は白帯レスラーです」

 崔は今年に入ってトップに立ったことで、その重さを知り、謙虚になった。その心意気はいい。だが、ZERO1の現状を考えると、いつまでもスタートラインに立ったままではいられないし、白帯のままでもいられない。白帯の真っ白な心はそのままに、力強く踏み出してほしい。あと1ヵ月もしないうちにキャリア丸8年。時代を引き寄せる正念場の時期に来た!

投稿者 maikai : 10:06 | コメント (0)

2009年08月08日

いざ両国へ!

 昨日は後楽園で全日本プロレスのジュニア・ヘビー級リーグ戦最終日。優勝したのは近藤修司だった。「もう一度、絶対王者に!」と近藤。振り返れば近藤は、05年10・22後楽園でTAKAみちのくのV13を阻止して第23第世界ジュニア・ヘビー級王者に君臨。以後、07年2月17日の両国で中嶋勝彦に敗れるまでドラゴンドア所属だった石森、AKIRA、MAZADA、カズ、論外相手に5回の防衛に成功して“ジュニアの絶対王者”と呼ばれた。特に06年8・27両国でのカズとの防衛戦はベストバウトだった。昨年11・3両国で当時の世界ジュニア王者・丸藤に挑戦した試合は昨年度のプロレス大賞ベストバウトにもなっている。そうした経緯を経てのカズvs近藤の最高レベルの世界ジュニア戦が両国で実現するのは必至だ。

 昨日は両国で行われる武藤&船木vs蝶野&鈴木、高山vs諏訪魔の三冠戦のダブル前哨戦として武藤&諏訪魔vs高山&鈴木のタッグマッチも行われて30分時間切れに。印象としては武藤と鈴木はコンディションも良く、すべての面で研ぎ澄まされている感じ。この2人にブランクのある船木、そして蝶野がどう絡んで行けるかが、試合の良し悪しのカギになるような気がする。

 三冠戦については、諏訪魔の体と心がまだアンバランスな印象を受けた。肉体改造中で現在は120キロから108キロに。絞った上で筋肉をつけていくというが、まだ改造途中だし、その新たな体をコントロール出来ていない感じ。精神的には充実しているが、体がついていっていないのだ。その向こう気の強さと荒削りなナチュラル・ファイトで高山を押し切れるのか!? 現時点では王者優位は揺るがない。

 その他、両国では小橋建太の9年ぶりの全日本マット登場が決定。小島&KAI&大和のF4と6人タッグでの激突が濃厚。また長州との遺恨決着戦をアピールしていた西村に、3・14両国で長州のラリアットで苦汁を舐めた征矢がパートナーを志願。これが受け入れられて西村&征矢vs長州&越中が正式決定した。

 8・16霞ヶ浦で開幕する8月シリーズでも当然、両国に向かってのアクション&トッピングがあるだろう。夏休み最後のビッグマッチとなる8・30両国はオールスター戦的なムードが出てきた!

投稿者 maikai : 09:56 | コメント (0)

2009年08月04日

屋外プロレス

 8月2日の日曜日は後楽園の健介オフィス興行の後はノアの汐留街頭プロレスへ。雨が降ったりやんだりのあいにくの天気だが、1700人ものお客さんが集まった。第1試合は鼓太郎vs石森、第2試合は金丸vsマルビンという動きが速いジュニア・ヘビー級の試合、第3試合はヨネvs谷口でヘビー級の迫力を見せるという考えたマッチメークだ。メインは潮﨑&伊藤vs小橋&KENTAのタッグマッチ。GHCヘビー級王者=潮﨑、白GHC王者=小橋、GHCジュニア・ヘビー級王者=KENTAという3大シングル王者揃い踏みという豪華カードを提供した。通りすがりに初めてプロレスを観たという人も少なくないはずで、こうした地道な普及活動は本当に大事だと思う。

 振り返れば、私が週刊ゴングの全日本プロレス担当記者をしていた時代には夏になると屋外での試合が多かった。青果市場、駐車場、広場、スーパーの屋上など、様々な場所で試合が行われた。

 外ともなれば取材する者にとっても非日常空間だけになぜかテンションが上がったものだ。照明に虫がたかり、選手の口の中に蛾が入っちゃったりする。場外乱闘でもしようものなら泥だらけだ。そして雨が降ると観客も選手も記者&カメラマンも異常に興奮してしまう。選手やカメラマンが雨に濡れながら仕事をしている以上は記者だって傘をさすわけにいかない。リングの上をバッタが飛び跳ね、選手たちはリングが滑るから、自然とパンチやチョップの打撃戦になる。しかも雨に濡れた体はバッシーンといい音が出るし、水しぶきが飛ぶから凄い迫力。それを観てお客さんも燃えるのだ。

 私が感心していたのは、たとえ外の試合で土の上を歩いて入場という状況でも馬場さんは普段の試合と同じように必ず豪華なガウンを着ていたことだった。

 森喜朗元首相が新日本、全日本、ノアの3団体首脳を呼んだ時に「プロレスはスポーツなのか、興行なのか?」と質問したというが、私はスポーツであると同時に興行だと思っている。今は経費の問題等で地方巡業というのはなくなりつつあるが、昔は取材に行ってホテルを探すのに苦労するほどの田舎町でもプロレスは行われていた。でも、そんな場所でお客さんが大喜びでプロレスを観る姿に「やっぱりプロレスは大衆娯楽。難しい理屈は抜きにして、これがプロレスの本来の姿なんだよな」と思ったりしたものだ。

 それは夏の屋外プロレスも同じ。テントが張られ、イカ焼き、焼きそば、お好み焼きなどの屋台が並び、お祭りのような中でプロレスの試合が行われる。そんな空気が好きだった。きっと、そこに観に来た子供たちは、大人になっても憶えていると思う。

 プロレスはいつまでも大衆に根付いたスポーツ・エンターテインメントであってほしいと思う。

投稿者 maikai : 10:11 | コメント (1)

2009年08月03日

栄養の素

 健介オフィスの主催興行『Take The Dream』が昨日で10回目を迎えた。2年半前の07年2・11ディファ有明における第1回大会=旗揚げ興行の時には所属選手が健介と勝彦の2人だけしかいなかった。翌08年2・11後楽園ホールでの1周年記念では所属選手が2倍に! とは言っても、起田と健斗がデビュー戦を行っての4人だけ。本当に小さな団体なのだ。

 昨日の第10回大会では17歳の白石健太郎がデビュー戦を行う予定だったが、体調不良のためドクターチェックを行ったところ、ドクターストップがかかって延期に。現在、検査入院しているものの、実際には食欲もあり、元気だそうだが、北斗は「人様の子供をお預かりしている以上、ちょっとでもリスクがあったらリングに上げることはできないです。この際、徹底的に検査をして、いい形で改めてデビューさせてあげたい」と言っていた。厳しい練習&細やかな体調管理が健介オフィスのモットーである。

 さて、試合では勝彦、起田、健斗がそれぞれ成長ぶりを披露してくれた。

 起田と健斗は昨年11・14後楽園ホールにおけるノアのモーリシャス杯争奪リーグ戦公式戦以来の激突。前回の試合は20分時間切れになっているが、両者共に意識しすぎて、あまりいい試合とは言えなかった。今回はパワーで押す起田と、長身とスピードを活かした健斗のぶつかり合いはお互いの意地が交錯した好試合に。

 最後は起田が勝ったが、これが起田のシングル初勝利とはちょっと意外。考えてみれば、健斗はジュニア・ヘビー級なのに対してヘビー級の起田はどうしても格上相手に真っ向からぶつかって玉砕というパターンになってしまう。健斗よりもシングル初白星が遅かったのも仕方がない。

「ジュニア・ヘビー級タッグリーグとかで歓声を浴びている健斗が自分のモチベーションになっていました。一番身近にいる健斗からシングル初勝利を挙げられたのは嬉しいです。これからも競い合っていきたいと思います」と起田。敗れた健斗にしても心機一転、勝彦とのコンビでGHCジュニア・タッグ王座を目指すだろう。

 中嶋はセミでドラゴンゲートの望月成晃に勝った後、こう言った。

「やっと勝てました。通過できました。ここ何ヵ月間、望月さんのおかげで成長できたと思います。勝って満足ですけど、まだまだ望月さんと一緒にいたら、変われるんじゃないかって感じました。改めて相手は大事だと感じましたね。自分だけじゃ、絶対に伸びないところって多いと思うんです。相手がいて、自分がいる。それが成長する栄養の素だと思います。対アラフォーは通過点。自分ら20代の若い力が今のプロレス界…だけじゃなくて世の中にも必要だと思うんで、その先頭になれるように頑張ります」

“栄養の素”とはいい言葉だ。起田も健斗もお互いが栄養の素だからこそ、デビュー1年半でここまで来られたのだろう。

 さて、勝彦に負けた望月は「お前、俺のことを通過点、スタート地点って言ってたよな。お前みたいなレスラーの通過点、スタート地点になれるなら最高だよ。今日負けた俺の立場がないから、真のトップを取ってくれ」と勝彦にエールを送った後、勝彦にドラゴンゲートのタッグリーグ戦のパートナーを要請。

 これに勝彦は「数年前とは違う自分が、数年前とは違う環境でドラゴンゲートに上がれるのは楽しみです。望月さんの男気を感じたので、出るからには優勝を狙います」。

 健介はかつて若い人間たちを苗木に例えていたが、苗木は自ら栄養の素を見つけ、スクスクと逞しく育っている。

投稿者 maikai : 13:57 | コメント (0)

2009年08月02日

bound for the future

 昨日は三沢光晴さんの四十九日が明けてのノアのディファ有明大会。『DEPARTURE2009~bound for the future~』の大会名通りに先々に向かっての新たな動きが次々に起こった。

 第1試合の金丸vs伊藤の試合後に邪道&外道が乱入して金丸に8・30後楽園ホールにおける邪道&外道20周年記念興行への招待状を突き付け、第2試合では挑戦者決定バトルロイヤルの末に川畑輝鎮が8・29ディファで小橋の白(紫?)GHC王座に挑戦することが決定した。

 第3試合の6人タッグでは会場の隅で見ていた金丸を挑発するように勝彦がタッチアウトで平柳玄藩をKOした。これによって金丸&鼓太郎vs勝彦&宮原のGHCジュニア・タッグ戦はほぼ決定だ。ジュニア・リーグに優勝した金丸&鼓太郎がリーグ戦で勝っていない(時間切れ引分け)のは、この勝彦&宮原だけなのだ。

 セミ前のタッグマッチではGHC王者・潮﨑と彰俊が6・13広島のGHCタッグ戦(バイソン&彰俊vs三沢&潮﨑)以来、初めてぶつかった。潮﨑は先シリーズから次期挑戦者として彰俊の名前を挙げており、彰俊はそれに応えるような気迫のファイト。最後はここ一番でしか出さないデスブランドで潮﨑を沈めた。

「自分は今現在、ベルトに興味があるわけじゃありません。ただ、あの広島でシオも背負ったものがあると思います。それを取り払えるのは三沢さんの最後の相手になった自分しかいないと思います。ベルト挑戦は時や運の流れが決めていくものだと思います」と彰俊。タイトルマッチ云々は別として潮﨑と彰俊の“区切りの一騎打ち”は近いうちに実現するはずだ。

 メインではジュニア・タッグリーグ3連覇を逃したKENTAと石森がお互いを見つめ直す意味でシングルで戦ってKENTAが快勝。そして試合後にはタッグチームの発展的解消を発表した。1度リセットして、個人のレベルを上げて次のステップに行こうということだ。これにより、またまたノア・ジュニアの勢力図は大きく変わっていく。

 こうした様々な動きがあった中で、純粋に試合として私が目を見張った試合は第1試合の金丸vs伊藤。8分13秒、金丸がタッチアウトで勝利した。この結果だけ見れば「ノアにしては短い試合だな」ぐらいにしか思われないだろうが、内容が素晴らしかった。伊藤がタックルとヘッドロックという基本的な技で試合を構成し、そのメリハリでお客を惹きつけたのである。こうした技術を身につければ、その後の大きな技もより活きてくるというもの。この路線でしばらく頑張ってほしいと思う。

投稿者 maikai : 10:04 | コメント (0)

2009年08月01日

ターザン後藤の一本気な狂気

 昨日は新木場でベイダー主催興行の『ベイダータイム』。ランス・ケイド&トレバー・マードックの元WWE世界タッグ王者チームの登場などもあったが、私が個人的に注目していたのはターザン後藤&田中将斗vsTARU&ヘイトのタッグマッチだ。

 後藤と将斗はFMW時代の師弟。FMW時代の後藤は「小さい団体だからって舐められたくない!」と、全日本プロレス流の練習で若手たちをシゴキまくって鬼コーチと呼ばれていた。93年にFMWに入門した将斗も指導を受けたひとりだ。後藤は95年5月に大仁田厚と喧嘩別れしてFMWを退団、将斗が頭角を現したのは大仁田引退後の新生FMWだから、後藤は将斗の成長した姿を直には見ていない。それだけに後藤は今回の将斗とのタッグ結成に思うところがあったようだ。そして、それは試合で狂気として爆発した。

 今の後藤はインディー団体を荒らし回る“鬼神”。ビールビン、ワインのボトルを鉄柱で割って、その破片をTARUの額に突き刺し、さらにフォークも持ち出して…と、反則三昧。将斗も荒っぽいファイトをするが、将斗のハードコアと後藤の反則ファイトは明らかに方向性が違う。コーナーに控える将斗の表情は嫌悪感丸出しだった。

 もちろんTARU&ヘイトのVMが黙っているはずもなく、最後は両軍反則の裁定に。将斗は足早にリングを降りた。

 ただひとりリングに残った後藤は「まだみんなピンピンしているじゃないか。徹底的にやるのがFMWの魂だろ!」と血ダルマのまま絶叫。控室に戻ってからも「田中と俺は水と油。でもプロなら俺に合わせるべきだろ。あいつは大仁田と組んでりゃいいんだよ!」とサムライTVのカメラに噛みついていた。

 本当は将斗と組むのが嬉しかったはずの後藤。将斗にしても後藤のことを普段は「FMWのもうひとりの師匠」とリスペクトを持った表現をしている。それなのに後藤が将斗をドン引きさせるようなファイトに徹したのは「今の俺のスタイルはこれなんだ!」というものを頑なに守り、その現実を将斗に見せたかったからではないか。

 後藤は全日本の若手時代も“鬼神”の今も一本気でクソ真面目な男。そんな男の狂気は本当に恐ろしい。

投稿者 maikai : 15:48 | コメント (1)