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2009年07月09日

リッキーとジェリコ

 昨日の『スマックダウン&ECWライブ』は、派手さやスケールの大きさはなくても、プロレスそのものを堪能できた。

 オープニングのジョン・モリソンvsシェルトン・ベンジャミンは日本好みの試合。途中からベンジャミンがヒール・モードになったが、基本はレスリングの攻防。モリソンのフィニッシュであるスターシップペインはアラビアン・プレス+カンクン・トルネードという妙技だったし、トップロープにワンジャンプで上がるベンジャミンの身体能力も素晴らしかった。試合後、ベンジャミンにも多くの拍手が送られたのが印象的だった。

 ミッシェル・マクール&アリシア・フォックスvsメリーナ&ゲイル・キムのディーバ・タッグマッチも試合として純粋に楽しめた。かつてのディーバといえばビジュアルだけというイメージが強かったが、今のディーバはプロレスもしっかりしている。ちゃんと試合で魅せることができて、しかもビジュアル抜群なのだから、言うことない。

 レイ・ミステリオvsエヴァン・ボーンも日本のファンにとっては夢のカード。日本的にはミステリオvsドラゴンゲートで活躍したマット・サイダルだ。感心するのは2人とも動きまわる、あるいは飛びまわるのではなく、要所で緩急をつけて動くことで技をより引き立たせていること。ミステリオが代名詞の619を使うのはフィニッシュの前だけ。619に持ち込むまでのプロレスでお客を惹きつける。技の展覧会にしないことが2人の巧さと言っていいだろう。

 メインは前日と同じCMパンクにジェフ・ハーディーが挑んだ世界ヘビー級戦。2日目はエクストリーム・ルールになってシンガポールケイン、ガーベッジカン、テーブル、ラダーが飛び出す展開に。そうしてアイテムを使いつつも、決して頼らずに試合を構成した2人。ジェフのラダーからのスワントーン・ボムが不発に終わったのは残念だったが、テーブルの上へのスワントーンは見事に決まったし、王者パンクのフィニッシュ技go2sleepはキレイに決まった。2人とも、よく2日間のメインを務めたと思う。

 さて、私の個人的な注目はセミのクリス・ジェリコvsリッキー・スティムボートだ。前日と同じように入場時に「Y2J!」のコールがかかると「昨晩、俺が言ったことをバカなお前らは理解していないのか?」「日本も日本人も好きじゃない。もう2度と日本なんかには来ない!」と悪態をつくジェリコ。そうそう、それでいいのだ。

 そしてリッキーの入場。かつてのスーパーアイドルも56歳になったが、熱い胸板、太い腕…体をきっちり作っていることが嬉しかった。そして顔つきもちゃんと現役レスラーになっている。やはりリッキーはいつまで経ってもリッキー・スティムボートだ。

 今から30年前、リッキーは憧れの“まだ見ぬ強豪”だった。そして80年暮れの最強タッグにディック・スレーターのパートナーとして初来日した。当時、ゴングのアルバイトだった私は『ライディーン』に乗って入場してくるリッキー、カンフーポーズをキメるリッキーにシビレた。取材でジム・ブランゼルと一緒に東京タワーにも連れ出した。明るいアメリカ青年という感じではなく、ちょっとシャイなリッキーだったが、私のつたない英語を一生懸命聞いてくれ、私の顔と名前を覚えてくれた。それだけに思い入れのある選手である。

 今のリッキーに全盛期の姿を求めるのは無理な話。それでもいきなりプランチャを敢行し、チョップ、アームドラッグ(サイクロン・ホイップ)、ダイビング・ボディアタックという代表的なムーブを懸命に披露してくれただけで十分だ。

 そして、そうしたリッキーの攻撃を受け止めて、最後はきっちりとウォール・オブ・ジェリコで締め括ったジェリコ。ジェリコもまた、私には思い入れのある選手。WARのレギュラー時代には毎週、週刊ゴングをあげていたが、喜んで見出しのカタカナを読んでいた。ある時は「広告に載っていた増刊号も欲しいんだけど…」とリクエストされたこともあったし、新宿で飲んだことも。そんな男が今やWWEを代表するスーパースターになっているのだから嬉しい限り。

 リッキー、ジェリコ…昨夜は堪能させてもらいました!

投稿者 maikai : 2009年07月09日 10:39

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