« 2008年12月 |メイン|2009年02月 »

2009年01月31日

BONITA

 30代半ばまでは、よく外で飲んでいたものだが、最近ではもっぱら町内のお店や自宅で飲んでいる。不思議と外で飲むとすぐに酔っぱらってしまうし、眠くなるから家に帰るのが大変なのだ。去年も天龍さんの『しま田』に行った帰りのこと、桜新町から田園都市線に乗ったはいいが、なかなか渋谷に辿り着かない。ついウトウトとしてしまい、気付いてみたら渋谷を通り過ぎて水天宮前! 慌てて引き返したものの、またウトウトして、今度は二子玉川! そんなこんなの繰り返しで「渋谷で降りられないんじゃないか」と真剣に悩んでしまった。

 そんなこんなで出不精になっていたが、昨夜は新宿歌舞伎町に繰り出して『BONITA』へ。ここは昨年10月にNOSAWA論外、MAZADA、TAKEMURAの東京愚連隊がオープンしたバーだ。ずっと誘われていたのだが、お互いのスケジュールが合わずに昨日の夜になってしまったというわけ。

 左肩を怪我してしまったTAKEMURAはいなかったが、NOSAWA、MAZADAとのプロレスよもやま話は気付けば明け方まで。仕事抜きのプライベートな話なので、その内容はご勘弁願いたいが、2人ともプロレスが大好きなプロレスラーであることを改めて痛感した。後ろ盾なしにのし上がってきた男たちはダデではない。MAZADAが作ってくれた本場仕込みのタコスも絶品でした!

投稿者 maikai : 14:42 | コメント (0)

2009年01月30日

09年ハッスル新シリーズ開幕に思うこと

 昨日の後楽園ホールでハッスルの2009年新シリーズがスタートした。昨年はハッスル軍とモンスター軍をシャッフルした『ハッスルGP』が軸となったが、今年は再び両軍の全面対抗戦に。仕切り直しとしてリングの上ではHGがモンスターHGと化してモンスター軍入り、ボノちゃんはボノくんに成長してハッスル軍入りした。

 アメリカのオバマ大統領の就任式を彷彿とさせるようなボノくんのハッスル新キャプテン就任式、「都合が悪くなったら切られる派遣レスラー」と逆ギレ気味のあーちゃんに雇用を保障する髙田総統…などの時事ネタを取り込んでの“劇場”はハッスルならでは。また、体調を崩して重病説が流れる髙田総統という設定が今後、流れの中でどういう意味を持つのかと興味をそそるのもハッスルらしい手法である。

 このダイアリーを読んでくれる人たちにはハッスル・アレルギーの人が多い。それは様々な書き込みをみれば否定できないところ。私自身は全面的ではないにせよ、基本的にはハッスル肯定派。それはハッスルに関わる人たちが、手法はどうあれ何とか世間の人たちをプロレスに振り向かせたい、総合格闘技とは違うプロレスならではのエンターテインメント性を打ち出したいと真剣に取り組んでいるのが理解できるからだ。だが、アレルギーを持っている人たちには「プロレスを馬鹿にしている」と映るのだろう。

 ここが問題なのだ。ハッスルは世間一般の人たちを振り向かせるのはもちろんのこと、プロレスファンの支持を得るスポーツ・エンターテインメントにすることが最も大きな課題だと私は思う。プロレスを何とかしようと思って取り組んでいるのに、プロレスファンにソッポを向かれたら報われない。

 現状ではハッキリ言ってストーリーが面白かどうかがすべてになっている。だが、プロレスファンにとってはやはり試合内容なのだ。昨日のメインのハッスル軍vsモンスター軍のイリミネーションマッチもストーリーの序章の域を出ていなかったという印象である。

 ファンタジー、ストーリーがあったとしてもレスラーたちがそれを上回るだけのインパクと技術を持ち、そうした枠を超越したファイトを見せた時にリアル感が生まれて人の心が動かされるのではないかと私は思う。今年は舞台に負けないレスラーたちのハッスルに期待したい。

投稿者 maikai : 10:28 | コメント (0)

2009年01月27日

プロレス力の戦い!

2009_0126_017.jpg

 昨日のサムライTV『S-ARENA』のゲストは2・6後楽園ホールで丸藤正道の世界ジュニア・ヘビー級王座に挑戦するカズ・ハヤシ。いよいよ全日本ジュニアの切り札のお出ましだ。

 スタジオにやってきたカズはすでにいい緊張感を保っていた。全日本でジュニアの試合がメインを張るのは初。その喜びとプレッシャーがちょうどいいバランスになっているという感じか。

 思えばカズは分裂騒動後の全日本のジュニア戦線を耕した男である。ケンドー・カシンが剥奪された世界ジュニアのベルトをブルーK(正体はTAKAみちのく)と争って獲得したのは04年2月。そして05年1月にTAKAに敗れるまで6度の防衛を果たしているが、当時は全日本内のジュニア戦線は充実しておらず、防衛の相手はツバサ(大阪プロレス)、竹村豪氏(新日本)、Hi69(K-DOJO)、MAZADA(フリー)、AKIRA(フリー)、NOSAWA論外(フリー)と外の人間ばかりだった。

 そうやって他団体やフリーの人間を巻き込みつつ、全日本のジュニア戦線は大きくなり、近藤修司→中嶋勝彦→シルバー・キング→土方隆司→丸藤正道とベルトは移り変わった。カズにしてみれば4年の時を経て、ようやく収穫の時を迎えたということだろう。

「タッグで2回しか触れ合っていないけど、それでも不思議と噛み合いましたね。それは目指すプロレス、目指す方向が同じだからでしょう。今、コンディションも万全だし、丸藤選手を徹底的に研究していますから。ベルト奪回、そしてベストバウトの両方を狙いますよ」とカズ。

 この2人が交わればレベルの高い試合になるのは当然だと誰もが思っているだけに、当事者にとっては非常にハードルが高い試合かもしれない。類まれな運動能力、卓越した技術、そして試合を組み立てる発想力、どんな状況にも対応できるアドリブ力…これは天才児同士の“プロレス力”の競い合いである。その末に2人がファンを掌に乗せられるか注目したい。

投稿者 maikai : 10:50 | コメント (0)

2009年01月26日

逆風の中で小橋建太!

 昨日の後楽園ホールにおけるノアの1月ツアー最終戦は大盛り上がりだった。KENTAがメインをキッチリと締めたし、新たなアクションも起こった。昨年暮れからの逆風がエネルギーに転換されている感じで雰囲気が凄くいい。そうしたことについては次回(2月4日更新)の『プロレスコラム』で書くとして…今日は何と言っても小橋建太の復帰についてだ。

 一昨年12月に腎臓がんを克服して1年半ぶりに復帰。昨年は徐々に試合数を増やして8~9月ツアーには全戦出場したものの、完走後の9月9日に両肘を手術して再び欠場することになった。リハビリに励んでいたところ、11月末に右肘のボルトを除去する手術を余儀なくされて復帰はまだまだ先だと思われていた。それが昨日のリング上で「3月1日の日本武道館で復帰します」と宣言。正直、驚かされた。

 小橋の決断は「握力が戻るのは時間しかないのなら、試合に出た方が感覚を戻すのも早いんじゃないか」というもの。もちろん、それは医師のGOサインがあってのことで、三沢社長には21日に報告したという。

 小橋の感心させられるところは、ただの復帰ではなく、肉体改造をして戻って来ようとしているところだ。一昨年12月の復帰の際にはパンパンに張った見事な肉体を披露したが、本人曰く「あれは自分じゃない。テレビや写真を見て、ちょっと違うなって違和感を感じていたんだよ」。

 腎臓をひとつ摘出し、ひとつだけの腎臓では当然、負担も大きい。またタンパク質などの栄養を摂るのも制限されることを考えれば、一昨年の復帰の時の体でも驚異に値するのだが、本人は満足していなかったのだ。昨年、ツアーに参加するようになってからも、体が一回り小さくなっていたことは気にしていた。

「今度は自分の理想に少しでも追いつけるように肉体改造…それは腎臓と相談しながらになるけど、ウェイト・トレーニングをガンガンやって、タンパク質もガンガン摂って、みんなががんを忘れるぐらいに体を作って“ここまでやれるんだぞ!”っていうのを見せたいね。そこで数値が悪くなったりしたら、その時点で腎臓と向き合えばいいことだから。栄養素を摂って、練習で追い込む。…でも、あんまり変わっていなかったら恥ずかしいから、もう、あんまり言わない(苦笑)」

 この日も朝5時に起床して、伊藤旭彦をパートナーに練習してから会場入り。そしてサイン会、リングでの挨拶と汗を流した小橋。やはり、この男は人生=プロレスなのだ。何があっても前向きな気持ちを持ち続けていることには本当に頭が下がる。

「逆風? もし、そうだとしたらいい方向に吹かせるのがプロレスラーの責任だよ」

 3月1日、小橋建太はすべてをエネルギーに変えて日本武道館のリングに立つ!

投稿者 maikai : 14:23 | コメント (0)

2009年01月21日

新春恒例!最強運決定戦

 皆さんは占いを信じるだろうか? 私の場合はスポーツ新聞で占い欄があれば一応はチェックするし、テレビを観ていて『スッキリ!!』ではエンディングの“きょうの占い スッキリ!!☆BOX”で「ウーン、青!」とついついBOXを選んだり、『ラジかるッ』では画面右上に出る干支占い、星座占い、血液型占いに見入ったりしてしまうが、たいがいは忘れてしまう。まあ、いいことが書かれていて大したことのない1日だったら損した気分になるし、逆に運勢が悪いと書かれていたのにいいことがあると得した気分になるという程度だ。

 で、年明けにいつも注目しているのがフジテレビの『最強運決定戦』という番組。星座×干支×血液型の3つの組み合わせによって、その年の運勢を占うというもので576通りあるというから、何だか信憑性があるような気がする。ちなみに私の場合はおとめ座×丑年×A型。

 これまでの結果は06年=526位、07年=553位、そして去年08年はグーンとランクアップして94位。じゃあ、今年09年は…おおっ、またまた急降下して443位ではないか!

 でもね、これまでを振り返ると一番よかった年は06年。一番順位の低かった07年は確かに週刊ゴングの休刊などゴタゴタしたが、Gスピリッツという新しい主戦場ができ、その他にも仕事の開拓ができた年。一番順位がよかった去年は身内の不幸もあって、決していい年ではなかった。結局、どんな1年を過ごしたかは、その人の気持ちの持ちようが大きいと思うし、運勢が悪いと言われたら、気をつければいいだけのこと。

 ということで、不確かな世の中ですが…皆さん、今年も前向きに行きましょう!

投稿者 maikai : 08:09 | コメント (0)

2009年01月20日

結婚式2次会でハッスル!

 先週の土曜日は、昼はサムライTVの『21世紀の初代タイガーマスク』の収録、夜は知人の結婚式2次会に出席。プライベートなことなので遠慮していたのだが、ハッスルの公式ブログでバンザイ・チエも書いていたので、私も書いてしまおう。

 主役は、私がGAORAの全日本中継でお世話になっている映像制作会社ブロンコスのディレクター、雁部貴幸クンと日刊スポーツ電子メディア局の大木知葉さん。雁部クンはかつてPRIDEなどの格闘技イベントを手掛け、現在はハッスルを担当している。そして新婦の大木さんはDSEに勤務していたこともあったから、プロレス&格闘技関係者が勢揃い。久々にお会いする人もたくさんいたりして、新郎新婦の人脈に驚かされた次第だ。

 2次会の場所は新宿FACEで「試合でもやるの?」などと冗談を言っていたら、本当にリングが設置してあってビックリ! ブロンコスが映像制作のプロとして力を入れたお祝いビデオには髙田総統、曙、坂田、武藤敬司などが登場。設置されたリングではBENTENとトウカイブシドーV3の超マニアック対決、さらにはハッスル提供試合としてTAJIRI&チエvsアラン黒木&KGが実現。特別リングアナは小路晃(小路二等兵ではない)が務めた。

 試合は黒木&KGにRGが加わったことで、TAJIRI&チエには小路が加勢して急遽6人タッグになり、10分の熱闘の末に時間切れになったが、昨年12・30有明コロシアムにおける『ハッスル・マニア2008』後の09年初試合が結婚式の2次会なんて、ハッスルも粋なことをしてくれる。

 試合後、かつてのマグナムTOKYOこと黒木克昌と話をする機会があった。彼と話をしたのは、彼がドラゴンゲートで眼窩底骨折をして欠場していた06年秋以来、約2年ぶりのこと。08年4月にドラゴンゲートを退団した黒木は古巣の空手・大道塾に戻ってコロンビア支部の指導員をやっていたという。現在も大道塾で子供たちに空手を教えながら、ハッスルのリングに上がっている。

 ドラゴンゲートと黒木の間に何があったのかは双方から聞いていない。ただ、黒木がドラゴンゲート時代より明らかにいいコンディションで再びプロレスのリングに上がっていることが、私としては素直に嬉しいことだ。

 雁部クン、知葉ちゃん、おめでとう。末長くお幸せに! そして黒木クンと話す機会を作ってくれてありがとう!

投稿者 maikai : 06:06 | コメント (0)

2009年01月19日

輪島ブーム到来!?

 昨日の午後はリラックスタイム。テレビ東京の『節約エコレシピ名人 芸能界No1.決定戦!!』で北斗昌の優勝を見届けた後はチャンネルをNHKに変えて大相撲初場所の8日目だ。解説を聞いていたら、何だか聞き覚えのある声…。何と輪島大士さんがデーモン小暮とゲスト解説を務めているではないか!

 輪島さんが本場所を訪れるのは角界を去った85年以来初めてだという。全取組終了後にチラッと顔が映ったが、実に感慨深そうだった。

 そういえば、場所前にはテレビ朝日の『ワイド!スクランブル』に出演して朝青龍の進退問題についてコメントしていたし、このところメディアへの露出が増えているような気がする。

 そんな輪島さんに私が取材したのは昨年11月のこと。そのインタビューは12月発売のGスピリッツ第10号の巻頭記事になり、往年の輪島さんの雄姿が表紙を飾った。ひょっとしたら、とんねるずの『生ダラ』で火がついた“ワジー”以来の輪島ブーム到来か!? そのキッカケがGスピリッツだったら嬉しいなあ。

投稿者 maikai : 15:52 | コメント (0)

2009年01月18日

21世紀の初代タイガーマスク

 滅多に寝込むことのない私だが、新年早々、風邪にやられてしまった。火曜日の午後から調子がおかしくなって発熱。何だかんだと金曜日の夜まで上がったり下がったりの繰り返しで、今週はほとんど仕事にならなかった。だが、フリーの身だけに仕事をキャンセルするわけにはいかない。ということで、何とか気合いで熱を下げ、昨日は清野茂樹アナウンサーとサムライTV『21世紀の初代タイガーマスク』の収録へ。清野さんとは去年の6月に『昭和のプロレス』の実況収録もやっている仲だ。

 さて、今回の番組は05年6月9日のリアルジャパン・プロレスの旗揚げから去年の3・13後楽園大会までの初代タイガーマスクの戦いをまとめたもの。PART1は今日の午後12時~13時に放映されてしまっているが(再放送はサムライTVのサイトで確認を)、PART2は25日午後12時~13時に放映されるので、ぜひチェックしてほしい。

 内容はPART1=①大谷晋二郎戦(05年6・9後楽園)②折原昌夫戦(05年9・26後楽園)③石川雄規戦(05年12・16後楽園)④スーパー・タイガー&石川雄規vs鈴木みのる&アレクサンダー大塚(06年6・7後楽園)⑤飯伏幸太戦(06年9・20後楽園)⑥鈴木みのる戦(06年12・12後楽園)

 そしてPART2=①初代タイガーマスク&折原昌夫vs鈴木みのる&飯伏幸太(07年3・7後楽園)②初代タイガーマスク&飯伏幸太vs川田利明&KUDO(07年6・8後楽園)③小林邦昭戦(07年9・21後楽園)④鈴木みのる戦(07年12・20後楽園)⑤初代タイガーマスク&仮面シューター・スーパー・ライダーvs天龍源一郎&折原昌夫(08年3・13後楽園)になっている。

 収録していて改めて感じたのは、佐山聡が「昔の名前で出ています」的な感じで初代タイガーマスクとして復帰したのではないということだ。

 もし、単なるリバイバルならば自分がコントロールできる相手を選んで“タイガーマスク・ショー”を見せればいいだけの話だが、旗揚げ戦では、本来なら交わることのなかった世代の大谷に敗れ、第2戦の折原戦では30分時間切れをやってのけ、第3戦ではUWF、藤原イズムを継ぐ弟弟子にあたる石川と対決。飯伏というプロレス新人類の天才とも手合わせし、往年のライバルの小林邦昭と懐かしの名勝負を再現する一方では川田や天龍との昔では考えられなかった夢の対決も実現させている。

 そして何といっても大きいのは鈴木みのるに触れたことだ。他のレスラーたちは多少なりとも初代タイガーマスクというものに対してリスペクトを持って戦っているが、みのるの場合には「伝説だ、レジェンドだと言われている佐山聡に現実を突きつけてやる。タイガーマスクの時代はもう終わり! 昭和の遺物は消えてなくなれ!」という完全否定の目線で戦っているのだ。

 この『21世紀の初代タイガーマスク』という番組は、鈴木みのるの出現によって、あの80年代のスーパーヒーロー、タイガーマスクの21世紀への挑戦とも言うべき内容になった。見どころは懐かしさよりもタイガーマスクが必死に再生しようとする様だ。

 そういえば去年の3月、初代タイガーマスクとの抗争に一区切りをつけた鈴木みのるにGスピリッツ第6号用のインタビューをした時にこんな言葉が飛び出してきた。

「やっぱり肉体で会話するわけじゃないですか。いくら能書き言ったって、実際にリング上がってみないとわからないわけですよ。で、いざリングに上がったら、なぜこの人が初代タイガーとしてまだ生きてられんのかっていうのがわかったし。みんながレジェンドだっていう人たちを俺は肌で感じてきている。俺としては、ホントは“どいつもこいつもジジイで!”って言わなくちゃいけないんだけどね(苦笑)」

投稿者 maikai : 16:09 | コメント (0)

2009年01月15日

10周年を迎える大阪プロレスに注目

 ちょっと古い話になってしまうが、12日の月曜日の『S-ARENA』には大阪プロレスの小峠篤司、原田大輔、松山勘十郎、えべっさんが出演してくれた。

 とにかく、みんな若い! 3代目えべっさんは別として(笑)、一番キャリアがある勘十郎のデビューが04年2月。勘十郎は闘龍門13期生で大原はじめ、新日本の岡田かずちかと同期だ。そして、あの風貌で(失礼)まだ24歳だという。

 04年2月といえば、日本スポーツ出版社がグラついていて再建に躍起になっている時で、同社の執行役員だった私は経費節減などに忙殺されていてプロレスどころではなかった。だからほとんど印象にないのだ。小峠は05年4月、原田は06年8月ー…いずれも私がフリーになってからデビューした選手。時の流れの早さを感じざるを得ない。

 大阪プロレスの選手は、お笑いの本場から来ただけあってノリがいい。これまでもアジアン・クーガー、タダスケ、ワルになったタイガースマスクと『S-ARENA』で共演したが、ボケも突っ込みも勝手にやってくれるから、大助かりだった。

 大阪プロレスはデルフィン体制から様変わりしたが、心をひとつにして未来に向って邁進しているという感じがして、選手たちを見ているとハッピーな気分になれる。

 土日祝日にデルフィン・アリーナで地道に興行を行い、2月15日には大阪府立体育会館第一競技場で今年初のビッグマッチ『大阪ハリケーン』を迎える。メインは昨年の最強決定トーナメント『天王山2008』で優勝したビリーケン・キッドが秀吉に挑戦する大阪プロレス選手権、セミではムチャルチャ第3の男としてザ・グレート・サスケがアジアン・クーガーと組んでタイガースマスク&ブラックバファローの大阪プロレス・タッグに挑戦する。その他、ブラッド&ガッツの小峠&原田&タダスケがK-DOJOの大石&旭&KAZMAと若き対抗戦、休憩時間にはアントニオ小猪木、ハチミツ二郎らが参戦して西口プロレス提供試合もある。そして5月20日には後楽園ホールで10周年記念興行を開催することも決定した。

 正直、私が大阪プロレスを観るために大阪まで足を運ぶことはまずない。『S-ARENA』で大会ダイジェストを観ている程度だ。それでも独自の世界観、価値観をきっちりと確立しているから楽しめる。

 大阪プロレスの設立当初のモットーは「老若男女が気軽に楽しめる大阪発のエンターテインメント…大阪の新観光名所を作る」だった。ちょうど旗揚げ1周年興行の2000年4月29日の和泉市民体育館大会に足を運んだ時に知り合った大阪日日新聞社の記者が「関西には大阪プロ、CMLL、神戸には闘龍門がありますけど、大阪プロは家族連れが多くて、CMLLはルチャ・リブレ、闘龍門は若者が多いライブ感覚という感じで、3団体が競合することはないですよ」と話してくれたことを思い出す。

 あれから9年が経ち、団体の体制も、選手も様変わりしたが、しっかりと大阪に根付いていると思う。まずは、大きな団体でも一杯にするのが大変になってしまった大阪府立第一にどれだけのファンを動員できるか見ものだ。

投稿者 maikai : 16:29 | コメント (0)

2009年01月13日

2009年ノアの胎動

 昨日は前日に引き続いてディファ有明へ。ノア1月ツアーの開幕戦だ。夜にはサムライTV『S-ARENA』の仕事が入っていたために会場にいられるのは7時半まで。メインの健介vs秋山タッグ前哨戦は無理にしても、セミの佐野vs潮﨑は観たかったが、残念ながら潮崎の入場時点で会場を後にしなければならなかった。

 前日の丸藤プロデュース興行を含めて感じたのは「ノアが動き出したなあ」ということ。初日の第1試合で先輩・菊地と15分時間切れで引き分けた青木は菊地を攻略できなかったことを悔しがる一方で「自分から動くことをしないと駄目ですね。自由にやらないと損するって気付いたんで。ちょっとでもアクションを起こせるように頑張ります」とキッパリ。ただ単にアクションを起こすという宣言ではなく、“アクションを起こしていいだけの内容と結果を出したい”というニュアンスに好感が持てた。

 この初日で大きかったのはKENTA&杉浦が田上&高山に勝って“従来の格”をひっくり返したことだ。ダウンした高山の顎に蹴りをぶち込んで、あわや失神というところまで追い込んだKENTAは「この1勝は大きい。何かを変えられるんじゃないかと思った。内容も大事ですけど、観ている人は“どっちが勝つか”ということに興味を持つと思うんで、今年は結果にこだわっていきたい」と勝負優先を宣言したし、1・4東京ドームにおける新日本との対抗戦で中邑に敗れた杉浦は田上をオリンピック予選スラムで攻略して、雪辱に向けて再スタートを切った。

 2日間を通じて弾けていたのが森嶋。あの巨体をフルに活かしたファイトと躍動感は他のレスラーにないものだし、自信を持って、伸び伸びと試合を楽しんでいる印象。この男が新日本や全日本との対抗戦に乗り出したら、かなり面白い展開になるはず。個人的には、新日本だったら中西、全日本だったら諏訪魔との一騎打ちが見てみたい。

 それ以外の動きでは、力皇が秋山とのコンビを解消してヨネと組んでいくことを表明。バトラーツ出身で、インディー的なプロレス頭を持つヨネは「ノアをひっくり返したい。他団体も巻き込んでいきたい」と意味深な言葉で今後を語っている。

 NOSAWA論外相手に世界ジュニア王座を防衛した丸藤は、カズ・ハヤシの挑戦を受諾して全日本に乗り込む構えだ。

 今年の注目は昨年暮れに凱旋帰国した潮崎。初日では健介vs秋山の6人タッグ前哨戦に参加し、主役であるべき秋山を差し置いて健介に向かっていった。そして昨日の佐野戦は観ることができなかったが、勝っても内容に満足せず、勝ち名乗りを拒否したという。その姿勢はよし。以前の潮﨑はおっとりとした感じだったが、今の潮﨑はアメリカで揉まれてギラギラしている。今ツアーは本田多聞、力皇とのシングルもあるだけに、一気にノアの真ん中に立つことができるかの正念場を迎える。

 3・1日本武道館で健介のGHCヘビー級王座への挑戦が決定的な秋山は2日間続けて健介と前哨戦。「興味を持ってもらおうと思ったら、見出しに載ってナンボ。何かを乗せてもらわなきゃしょうがないし、何かがないと誰も観に来てくれない」が口癖の秋山のこと、きっと3月の本番まで、あの手この手を使って話題を提供してくれるはずだ。

 その他、百田光雄が還暦にしてスキンヘッドになり、レジェンド・ヒールにイメチェン。また1・25後楽園でKENTAのGHCジュニアに挑戦する鼓太郎は、KENTAの「結果にこだわる」の発言を逆手に取るように、昨日のタッグ前哨戦では巧妙に反則勝ちをせしめた。これに対してKENTAは「こういう言葉は使わない方がいいんだけど…殺す!」と激怒。こういう不穏な空気もノアには珍しいことだ。

 今、ノアの選手たちは現状を変えようと前向きになっている。こうしたムードの中で社長の三沢光晴はこう言う。

「個人がやりたいことをヘルプする会社の体制は変わらないから。ウチは選手の気持ちが一番。潮崎にしたって戻したんじゃなくて本人の“日本でやりたい”っていう気持ちを尊重したわけだからさ。まあ、ぶっちゃけ、何をやるにしてもお金という問題が出てくるけどさあ(苦笑)、それも考えようだから。例えば、今の子供たちは遊ぶのに金がかかるけど、俺たちの子供の頃は金をかけなくても遊べたじゃん。プロレスの場合は会場、リングがなければ出来ないから、同じ例えはできないかもしれないけど、視点を変えればお金をかけなくても出来ることはいっぱいあるはずだよ」

 “何でも人任せにしないで、思ったことは主張するべき。ただし自分の言動、行動には責任を持つこと”というのは、三沢が98年夏にジャイアント馬場から現場の全権を任された時からの信念だ。三沢革命の原点に戻って動きだしたノアに注目である。

投稿者 maikai : 16:56 | コメント (0)

2009年01月12日

NOSAWA論外の挑戦

 ノアの2009年初興行となった昨日のディファ有明における丸藤正道プロデュース興行は1800人の超満員。逆風の話題、新日本との対抗戦がエネルギーになっているという印象だ。

 いろいろ材料はあるが、今日はポイントを絞ってメインの丸藤vsNOSAWA論外の世界ジュニア戦について書こうと思う。私の注目は4日のダイアリーでも書いたNOSAWA論外である。

 1・3後楽園ホールで鈴木みのると組んで日本最古のタイトル、アジア・タッグ王座を獲得して日本でメジャー王座初戴冠を果たしたNOSAWAがこれまでのインディー人生の経験をいかに駆使して丸藤攻略にかかるかがポイントだった。

 果たしてNOSAWAは「生き残るためには何でもあり!」というこれまでの生き方をリング上で表現した。ゴング前から襲いかかり、いきなり場外戦に持ち込んでリングアウト狙い。ノアの場外カウントは20だが、PWFルールでは10という違いを考えての姑息な戦法だ。

 その後もスクールボーイや首固めと「勝てば何でもいい」という戦法。ノアのセコンド陣を挑発してそちらにレフェリーの目を向けている隙にMAZADAを呼び込んでの東京愚連隊合体プレー、足を抱え込んでの“死んだふり”作戦。その一方では超高校級ラ・マヒストラル、究極式ラ・マヒストラルなどのテクニックも披露したが、全般的には狡さとセコさを強調するファイトに徹した。

 本当は、素の部分にある“真摯な野沢”の一面も出してもらいたかったが、あくまでも“NOSAWA論外”であることがプライドであり、彼ならではのプロ意識なのだろう。

 ポールシフトでNOSAWAを振り切って4度目の防衛に成功した丸藤は「いつもみたいな技の応酬じゃなくて“何でもいいから勝ってやろう”という汚いけどガムシャラな人間と戦って新しいものが見えた部分がある」とコメント。「負けちゃ何もならないんで、相手の得意分野を潰して勝ったことに意義がある」としながらも「論外じゃなかったね」と評した。

 今回の試合はNOSAWA論外にとって丸藤、世界ジュニアへの挑戦であると同時に、試合内容を重視するというノアの選手、ファンの意識を逆手に取った、ノアそのものへの挑戦だったのかもしれない。

投稿者 maikai : 15:22 | コメント (0)

2009年01月11日

長州力という存在

 昨日は1・4東京ドーム以来のプロレス会場。新宿FACEのロックアップに行って来た。通路でたまたま長州力とバッタリ。「久し振りだなあ」と声をかけられて新年の挨拶を交わした。考えてみたら、長州さんと個人的に喋ったのは久しぶり。確か、昨年の春に後楽園ホールのトイレで雑談したのが最後だったと思う。

 長州力というのは私にとって特別な存在だ。私が彼を取材していたのは文字通りの革命戦士としてイケイケの時期。新日本の維新軍団時代、そしてジャパン・プロレス時代である。当時の長州力は上昇志向の塊で本当にギラギラしていた。相手のことなどお構いなしの我儘なファイト、マスコミ嫌いも相当なもので何度も怒鳴られたり、路上で胸倉を掴まれたこともあった。でも、それがすべて長州力というレスラーの魅力になっていた。ようやく普通に喋れるようになり、本音をポロリとこぼしてくれるようになったのは新日本の現場を仕切るようになってから。すでに私の担当外になった91年頃からである。

 今の長州力は周囲に気を配り、マスコミにも極力、丁寧に対応している。ちょっと寂しい気もするが、あの時代から20年以上も経っているのだから、そうした変化も当然だろう。

 だが、リング上ではいつまで経っても長州力は長州力。昨日は田中将斗と組んで吉江豊&関本大介と対戦したが、存在感は圧倒的だった。

 もちろ全盛期のパワー、スピード、斬れ、ギラギラ感はない。それでもジュニア・ヘビー級のスピード感とは違う躍動感溢れるファイトは健在だし、テーマ曲『パワーホール』が鳴った時の観客の沸き方はやっぱり長周力だ。

「元気いいですよ、3人とも。彼らは歴然と何が違うのかがわかる。厳しい中でも、こういう選手に団体云々じゃなくて暴れてほしいですよね。俺たちのスタンスは味付けみたいなものですよ」と長州。

 思えば、05年10月に新日本に現場監督と戻ってきた時に長州はインディーの選手を登用して批判を浴びた。それに対して「間違いなく、あのリングの中で今のいろんな厳しいものを背負って、ひとりひとりが力を出していけるっていう選手を選んだつもりでいますけどね。だから、これがマスコミにもファンにも、まだ我々にチャンスがあるっていう具合に見えたかどうかですよ」と長州は言っていた。

 その後の日本マット界の流れを考えると、メジャーとインディーの区別がなくなり、田中将斗や関本大介は団体の垣根を越えてブレイクした。長州の目に狂いはなかったのだ。

 昨日の試合後、田中将斗は「何か自分ではスパイスみたいな言い方をしているようだけど、俺はまだまだ長州力から学ぶことがあるから。ここぞという時のパワーは凄いし、入場からあそこまで盛り上がるのは長州さんぐらいしかいない」と言っていた。

 そう、そんなに残された時間は長くないのだから、多くの選手に長州力を食いつぶしてほしいと思う。

 ここにきて私が妙に長州力という存在が気になっているのは、1・4東京ドーム前の記者会見での以下のような言葉があったからだ。

「今回の東京ドームは、自分のプロレス人生の中において、いろんな想いをこめながらリングに上がりたいと思います。何年か前の東京ドームで1度引退宣言をしてから現在に至っているわけですけど、これが最後になるのかなという心境でもありますし。僕自身も最後は黒。プロレス界において、そういうカラーで自分を作り上げてきたっていう自負がありますので。対戦相手もいますけど、明日は東京ドームに来たお客との勝負も頭の中に入れている。プロレスの面白さ、醍醐味、そういうものを訴えます」

 今後、長州力が自らの幕引きに向かってどう進んでいくのかはわからない。だが、リングに上がる限りは右腕を突き上げて、長州力のままでいてほしいと願う。

投稿者 maikai : 14:43 | コメント (0)

2009年01月09日

2009年ハッスルの課題は

 遅ればせながら2008年大晦日のテレビ視聴率について書いてみたいと思う。すでにいろいろなところで数字が出ているので、大雑把に書くと08年の大晦日はNHK『紅白歌合戦』が40%越えで圧勝。3部構成のTBS『Dynamite!!』はいずれも15%越えはならず。民放では日本テレビ『ガキの使いやあらへんで!!』が1部=10%、2部=15.4%で首位に。テレビ東京の『ハッスル・マニア2008』は昨年の4%から3.4%にダウンして最下位になってしまった。

 ただ、泰葉vsアン・ジョー司令長官の試合だけは高視聴率だった。それまで1~2%で推移していたのが、泰葉登場の11時6分から一気に5%代に乗り、11時17分には10.2%に。この時間帯、『Dynamite!!』の第3部(11時~11時24分)の平均視聴率が8.4%だったことを考えると、泰葉の試合だけは総合格闘技より注目を集めたことになる。

 だが、これは喜べることではない。世間の人は“プッツンおばちゃん”の泰葉に興味を持っただけで、プロレスには関心を示さなかったということ。「泰葉さえ観れば、他のプロレスの試合はいいや」という判断を下したということに他ならないからだ。

 これではハッスルの本来の役目は達成されない。私がハッスルに期待を寄せているのは、面白おかしいトッピングでも何でもいいから、とにかく世間の目をプロレスに向けさせ、そして取り込むことができるのではないかという点。今回で言うならば、泰葉に興味を持った人たちが、その他の試合を観て「プロレスって面白そうだな」となるのが理想だったが、残念ながらそうはならなかった。“客寄せパンダ”の泰葉に、他のプロレスの試合は完敗を喫してしまったのである。

 面白おかしいネタが主軸のままだったら、一度飽きられた時の反動が怖い。2009年のハッスルの課題は、ファンタジーの中でどれだけ本流のプロレスを充実させられるかだと思う。これからの新シリーズに期待したい。

投稿者 maikai : 14:38 | コメント (3)

2009年01月08日

寄席で感じたこと

 2日が仕事始めだったので、ろくに正月気分を味わっていなかったから、昨日は妻と浅草演芸ホールで平成21年初席を観てきた。

  新春ということで一人の持ち時間は3~5分程度。多くの落語家さんたちが入れ替わり立ち替わり登場するから通の人には物足りないのかもしれないが、落語初心者の私には大いに楽しめた。とにかく落語家さんの数の多さにビックリ。私が知っている落語家さんといえばプロレスファンで、私自身もお世話になっている三遊亭楽太郎師匠や日テレの『笑点』に出ている人たちぐらいなもので、昨日の出演者で知っていたのは圓蔵、正蔵、たい平、子猫、花緑といったところ。本当に層の厚い世界だと感心したし、この中から抜きんでてくるのは大変なことだと思った。

 そしてビックリしたのは朝9時から夜9時まで12時間もやっているということ。一部から四部まで分かれているものの、入れ替え制ではないから入場料3000円で丸1日楽しめてしまうのだ。

 こういう別の世界を覗くと、すぐにプロレスに結びつけてしまうのが私の性。団体を問わずに若手レスラーが集まって、低料金でファンに提供できる興行は出来ないものかと思ってしまった。

 これに今、一番近いのはSEM。ノア、健介オフィス、DDTらの若手が競うSEMは私のお気に入りの興行でもある。こうした興行がもっと拡大されたら…。たとえばディファ有明、新宿FACE、新木場規模の会場で毎週定期戦を行い、スケジュールが空いている若手選手が出場する。試合数の少ない団体の若手レスラーたちは“観客の前で試合をする”という経験を積めるし、それを低料金で提供すれば、ファンも拡大されるはず。寄席のように、そこに何人か大物が参加すればなおいい。

 そしてAという団体のファンがBという団体の若手の試合を観て「今度はBにも観に行こうかな」となれば、しめたもの。ファンにしてみれば「誰が台頭してくるか?」という先物買いの楽しみもできるだろう。

 1・4東京ドームには新日本、全日本、ノア、ゼロワンMAXが集った。だったら若手選手の交流も可能なのでないか。若手同士だったら、しがらみもなく伸び伸びと戦うことができるだろうし、そこから新しいライバル闘争が生まれる可能性もある。

 これが私のプロレスに関する今年の初夢です。

投稿者 maikai : 13:12 | コメント (3)

2009年01月06日

1・4東京ドーム総括

IMG_2140_1.jpg

 昨日は世間的には仕事始め。私も午前中から人に会い、夜は今年初のサムライTV『S-ARENA』など、バタバタしていて1・4東京ドームについて書けなかった。ということで1日遅れになってしまったが、総括してみたい。

 結論から書けば「プロレスを堪能させてもらった」の一言に尽きる。ダークマッチを含めて実に11試合。全日本、ノア、ゼロワンMAX、TNA…と、オールスター戦のようなカードがズラリと並んだが、ひとつ間違えれば締まりのない、ダレた興行になる危険性もあった。だが、注目のミスティコに始まって、どの試合も選手の持ち味が発揮され、しかも進行がスムーズ。飽きることなく、すべての試合を楽しめた。

 それは選手たちが東京ドームという特殊な空間をしっかりと認識して試合をしていたからだろう。あの巨大空間ではじっくりとした攻防やグランド主体の攻防は伝わりにくい。だからどの試合もスタートからエンジン全開。結果、15分を越えた試合は上の3試合だけだった。そうなると普通は物足りなさを感じたりするものだが、例えば永田vs田中の世界ヘビー級戦は11分41秒だったが、時間の短さを感じさせないハードさと中身の濃さがあった。

 この新日本vsゼロワンMAX対抗戦は休憩前の第6試合に組まれたが、きっと永田も田中もリング上の勝負と同時に、その後に控えている新日本vsノア対抗戦、武藤vs棚橋のIWGP戦に勝ってやろうという意識だったと思う。勝利者インタビューを受けた後の永田は足下がフラつくほどのダメージを受けていたのがそれを物語っていた。そして敗れたとはいえ永田と真正面からぶつかり合える田中将斗の気迫と技術は、やはりゼロワンMAXのエースにふさわしい男だと改めて感じた。

 新日本vsノアについては明日から再開する『プロレスコラム』で書かせてもらう。

 そしてメインの武藤vs棚橋。中邑、後藤、三沢、杉浦の話を聞いていたため、私が試合を観たのは試合開始10分過ぎから。セミの中邑&後藤vs三沢&杉浦でボルテージが最高潮になって観客はお腹がいっぱいになってしまったのか、スタンド席に行ってみたら会場が静かになっていてちょっと心配したが、その空気を変えたのは武藤のシビアでバリエーション豊かな足攻めだった。昨年4・7後楽園ホールの試合では武藤ワールドとタナ・ワールドが融合したが、今回の試合は完全に武藤ワールド。だが、アリ地獄のような武藤ワールドの中でもがきながら棚橋がそれを突破して勝ったことに大きな意味があると思う。棚橋はまったく遊びがない武藤を何とか攻略したのである。遊びがなかったということは、それだけ武藤にもプレッシャーがかかった大一番だったということだろう。

「去年の4月にベルトを獲ってから、それを高めるために一生懸命に突っ走ってきたから。駅伝で言えば区間賞だと思っているよ。そのタスキを棚橋に渡したわけだから。それを引き継いでくれないと」という武藤の言葉には「タナ、新日本をお前に任せたぞ!」という気持ちが込められていた。

 また、その直後の「ただひとつ…よく“俺が新日本を守る”とか“守った”とか言うけどさ、守っちゃいねぇよ。守っていねぇから俺が呼ばれているんだよ。呼ばれないようにしろよ。…といっても10年後の東京ドームに俺が出ているかもな」という言葉は檄でもあり、自身のプライドでもあったろう。

 新王者の棚橋とは昨日の『S-ARENA』に一緒に出演したが、高揚と使命感が同居している感じだった。花道への移動以外はモニターで他の試合をチェックしつつ、自身の試合を迎えたという。王座奪回の使命とメインの使命、そのプレッシャーは半端じゃなかったようだ。

「昨日の試合でさらに武藤敬司へのリスペクトの気持ちが大きくなりましたね。あと、直前のノアとの対抗戦を観ていて、中邑と後藤が頑張りましたけど、三沢光晴の凄さを改めて感じました。プロレスは誰かと誰かが戦ってつながっていく。俺は武藤敬司という存在があったからこそ、ここまで引っ張り上げられたわけだし、俺は平澤、内藤、吉橋、岡田たちを引っ張り上げていく。そうすればプロレスは不滅ですよ。真面目に戦ったのも俺だし、チャラけるのも俺…そのすべてをさらけ出したチャンピオンになりたいですね」と言う棚橋は書き初めの色紙に『愛』と書いた。それはいつもの「愛してまーす!」の愛でもあり、新日本愛、プロレス愛、プロレスを愛してほしいという意味でもある。

 今回のドームは3年ぶりに観客動員数を4万人台に乗せた。実際、前売りは去年の2倍以上の売れ行きと聞いていた。その理由について菅林社長は「ミスティコの参戦決定で伸び、棚橋のIWGP挑戦決定で伸び、さらにノアさんの参戦で伸びました。現状で考えられるすべての力を注いだのが4万人につながったと思います」と言っていたが、最後に胸を張ってこう言った。

「去年1年間、選手たちがいい試合、面白い試合をしたのが、今回の結果につながったと思います。地方で地道に熱い戦いをやってくれた結果だと思います。これからも気を抜かずに頑張りたいと思います」

 春頃だったと思うが、私も新日本のある関係者に「随分と変わりましたね」と言ったことがある。それまでの新日本は良くも悪くもアントニオ猪木の影がつきまとっていたし、「これが新日本だ!」という雰囲気で、正直、全試合を見終えると胸やけするような感じもあった。それが正規軍、RISE、GBHというわかりやすい戦いの構図、選手たちが自分の個性を自由に発揮し、さらに同じような展開、カラーの試合がなくなり、大会の進行もスムーズになったからだ。

 それは反面で昔ながらの新日本の匂いが薄くなるということでもあるが、全日本にしても馬場時代でも色が変わっていったし、今や武藤・全日本という事実上の新団体になっている。だから新日本も時代に対応しながら変化していって当然なのだ。

 東京ドームではIWGP4大タイトルがすべて移動した。プロレス復興に向かって新しい戦いのスタートである。

投稿者 maikai : 11:02 | コメント (2)

2009年01月04日

新年最初に琴線に触れたのは…

DSC01425_1.jpg

 三箇日が過ぎてしまいましたが、明けましておめでとうございます。ということで初日の出ではありませんが、以前ワイキキで撮った日の出を掲載してみました。今年もMaikaiをよろしくお願いいたします!

 さて、私の年末年始は30日に有明コロシアムの『ハッスル・マニア2008』に行き、大晦日は自宅で『ハッスル・マニア2008』と『Dynamite!!』をテレビでチェック。元旦は実家に戻って人並みの正月気分を味わった。

 仕事始めは2日、午後12時からの全日本プロレス後楽園大会のGAORA生中継の解説。いきなり昼からのナマは緊張したが、これで気が引き締まった感じだ。全日本の2日&3日後楽園ホール2連戦はいずれも上々の入りだった。考えてみれば正月2日からの後楽園2連戦は1976年からの恒例行事で『プロレス界のお正月』として完全に定着している。

 全日本は新年から大きく動いた。まずは高山善廣の8年7ヵ月ぶりの全日本参戦。ノアでGHCのシングル&タッグ、新日本ではIWGPシングル&タッグ、NWFを奪取した高山がいよいよ全日本の三冠王座を狙ってきたのである。全日本には97年3月からフリー参戦し、99年5月に所属選手となって00年6月の分裂騒動まで在籍した。その間に世界タッグ、アジア・タッグを獲得しているから、三冠以外の日本のメジャー団体のシングル&タッグを総なめにしていることになる。かつては挑戦さえできなかった三冠を狙って古巣に参戦というのはひとつのドラマだ。

 高山は全日本では鈴木みのる率いるGURENTAI入りした。そのGURENTAIは正月2連戦でみのる&NOSAWA論外がアジア・タッグ王座を獲得。これでみのる&太陽ケアの世界タッグに続く2つ目の勲章となる。1月11日にはNOSAWAが丸藤の世界ジュニアに挑戦するし、ムタvs高山の三冠戦も順調にいけば3・14両国で実現するだろう。こうした流れにみのるは「世界タッグ、アジア・タッグ、そして今度はNOSAWAが世界ジュニア。三冠は高山に任せた。GURENTAIが日本のプロレス界すべてを独占する!」と宣言。どうやら今年も全日本を裏で動かすのは鈴木みのるになりそうな気配だ。

 その他の話題としてはブラザー・ヤッシーのプロレス休業宣言。昨日の新春ジュニア・ヘビー級バトルロイヤルで優勝後、2月シリーズでの極めて引退に近い休業宣言。その開幕戦となる2・6後楽園でのかつての盟友・近藤修司とのコンブラ対決をアピールした。その真意・理由は語らなかったが、名脇役として全日本マットを盛り上げてきたブラザーがいなくなるのは残念。当然、これを受けてブードゥー・マーダーズをめぐる新たな動きが出てくるだろう。

 そんなこんなで色々あった全日本の後楽園2連戦で、私の琴線に触れたのがNOSAWA論外のアジア・タッグ奪取だった。

「鈴木さんにとってはオマケみたいなものかもしれないけど、ボクにとっては日本で初めてのメジャー・タイトルです。しかも最初の師匠の高野拳磁(俊二)さんが巻いていたベルトなんで、個人的に魅力があるベルトでした。PWC、屋台村上がりだし、インディーもダメでメキシコ渡って、全日本に拾われて、今こうして日本最古のベルトを巻いている。全日本に参戦して約6年間、やられてやられて、受け身取ってきて良かったと思います。武藤&カズ、渕&西村っていうチームを破って獲ったってことで自信がつきましたね。丸藤戦も(丸藤勝利の大方の予想を)ひっくり返したいって欲が出てきました」とNOSAWA論外。いつものように何でも茶化してお笑いにもっていくのではなく、素の野沢一茂に戻ってコメントしていたのが印象的だった。

 思えば野沢の全日本参戦は02年9月、マスクマンのダーク・ゲレーラとしてだった。メキシカンということだったので、人前で喋ることもできなかった。03年の最強タッグに参加した時もメキシカンのマスクマン、パルカ・ゲレーラ。東京愚連隊のNOSAWAとして全日本に参戦したのは04年からだった。それからここまでのし上がってきたのだから大したものだ。

 私が初めて野沢に会ったのは、DDT旗揚げ前の97年春に木村浩一郎に連れられて週刊ゴング編集部に挨拶に来てくれた時だった。それから12年…野沢はNOSAWAとなり、さらにNOSAWA論外になって、人々に夢と希望と勇気を与えるプロレスラーになった。

投稿者 maikai : 11:26 | コメント (2)