« ラスト後楽園 | メイン | お答えします »

2008年11月25日

武藤学校が実践する理想的な教育

 今年で30年目を迎えた全日本プロレスの年末の風物詩『世界最強タッグ決定リーグ戦』。ハッキリ言って今年の参加チームは地味めだが、昨日の後楽園ホール大会は充実、プロレスを堪能させてくれた。

 メインでは新日本の『G1タッグ・リーグ戦』で優勝した天山&小島のテンコジと、今大会の注目チームの諏訪魔&近藤のスワコンの激突だ。

 前半戦はテンコジが試合を制圧した。開幕戦で左眼球を負傷して万全ではない諏訪魔を容赦なく攻め立てるテンコジにブーイング。ここ最近では同情ともとれる声援が多かっただけに、この現象はテンコジにとっては歓迎すべきことだ。

 そんな戦況で光ったのが近藤。序盤から諏訪魔を引っ張り、時間切れになるかと思われたところでキングコング・ラリアット! 小島をピンフォール、それもラリアットで29分26秒の激闘を制したのだから客席のボルテージは最高潮に。先の11・3両国における丸藤戦といい、近藤への注目度、評価は急上昇である。そして時間切れ引き分けに逃げることなく、ギリギリまで勝負した近藤、小島の試合に対する姿勢を評価したい。

 メインとは違った意味で客席を大いに沸かせたのは11・3両国でデビューしたばかりの元力士・浜亮太だ。浜は武藤のパートナーに抜擢されて最強タッグに参加。この日はみのる&ケアとの公式戦だった。

 こうなると、みのるがどんなイジメ方をするのか残酷な興味が湧くが、浜は191キロという巨体で常識を吹っ飛ばした。この規格外の体の持ち主には試合の組み立てや細かいテクニックは必要ない。体を浴びせるだけで必殺技になるのである。カバーに行くだけでも、それが圧殺技になり得るのが凄いところ。みのるの張り手の嵐にダウンしたが、元力士だけに打たれ強いし、意外にスタミナもスピードもある。最後、みのるがこのまん丸の体をゴッチ式パイルドライバーで叩きつけたのはプライドだったのだろう。

 正直な話、浜が7月に全日本に入門した時には「?」と思っていた。膝に爆弾を抱えていたし、あのアンコ型の体がプロレスに向いているとは、とても思えなかったのである。だが、武藤は逆転の発想で浜をプロレスラーに改造した。普通なら相撲体型をレスラー向きに改造するところを、入門時185キロあった体重をさらに増えさせて189キロに。そして現在は191キロ! これは武藤の「他人にはない個性を伸ばす。個性がプロレスラーには大事」という考えによるもの。そしてカズが基本を叩き込み、諏訪魔がレスリングを教える一方で、その巨体をいかに活かすかを教え込んだ。「短所を克服するよりも長所、個性を伸ばす」というやり方だ。

 かつての曙もそうだったように「プロレスは甘いもんじゃない!」という教え方ではなく、プロレスの楽しさを教え、そこから奥深さを教えていく。結果、他の格闘技にいた人間も抵抗なくプロレスに入り、夢中になっていく。武藤学校は理想的な教育をしていると思う。

投稿者 maikai : 2008年11月25日 10:45

コメント

確かに、武藤はプロレスを教えるのが上手ですね。
対観客ということでも、初心者にはわかりやすいような気がします。

一つお願いがあるのですが、年内にプロレスコラムの更新を是非ともしていただけたらと思います。

よろしくお願いいたします。

投稿者 ノン : 2008年11月27日 20:37

コメントしてください




保存しますか?