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2008年11月28日

お答えします

 いよいよGスピリッツ第10号(12月17日発売)の取材&原稿が佳境に入ってきて、このところダイアリーを更新できないような状態だが、今日はコメントに書き込まれた質問にお答えします。

 まず“ハッスルをどう思うか?”について。これまで何度も書いてきているが、100パーセントではないにせよ、私は基本的にハッスル肯定派だ。それは長年、取材してきた中でエンターテインメント・プロレスを推進した故・冬木弘道さんに共鳴する部分があったというのが大きい。

 冬木さんの根本は昔気質の昭和のレスラー。“理不尽大将”のキャラばかりが印象に強いと思うが、プロレス自体は相手を引き出し、パートナーを際立たせる巧さを持った人だった。そんな冬木さんはメジャー団体に対抗してFMWを盛り上げるために常に様々な話題作りをしていた。それは世間的に見れば“やらせ”になるのかもしれないが、冬木さんはどんな形でもいいから会場に足を運ばせることを優先した。会場に足を運んでくれさえすれば、あとはリング上…プロレスを観てもらえばいい。そして、プロレスを面白いと思ってもらえれば、今度は知り合いを連れて来てくれるだろう、そうなれば観客動員が増えるという考えである。

 これもよく書いていることだが、冬木さんは「俺の考えるプロレスは真剣勝負だと思おうが、スポーツだと思おうが、ショーだと思おうが、それはお客さんの自由。10人いれば、10人観た要素が全部そこにあるのが理想的なプロレス。真剣勝負のところもある、インチキもある、ショーもあるし、ドラマもある、スポーツもあるしというすべてがマッチして絡み合っているのが理想だよ」と言っていた。これに私は共鳴したのだ。

 今、ハッスルの客層(後楽園ホール)は若いサラリーマン、OLが多い。彼らがハッスルをどう見ているか、プロレスをどう見ているかわからないが、ハッスルを通じて他のプロレスにも興味を持ってくれたら儲けものだと思っている。どうあれ、世間の人がプロレスに興味を持ってくれたらいい。そうした人たちが「ハッスル以外のプロレスはどうなのかな?」ともし観に行った時に、その団体はハッスル以上に面白いものを提供すればいいのである。

 芸人がプロレスをやることについては、私もあまり好きではないが、彼らのプロレスに対する真摯な姿勢は好きだ。プロレスにリスペクトを持って接しているし、彼らにとっても取り直しがきかない一発本番と同じ真剣勝負なのだ。

 プロレスが難しいのは、ただ勝てばいいのではなく、お客さんを喜ばせる、満足させなければいけないというところ。レスラーは対戦相手と戦うだけでなく、常に観客の目、心理、空気とも戦っている。

 プロレスは肉体、技術、頭、精神、すべてをフルに使っての真剣勝負。大試合のプレッシャーで試合直前に吐いているレスラー、花道に向かう扉の裏でブルブル震えている女子レスラー、足を骨折しながら「これで相手が攻めてこないと八百長だと言われるでしょ? 相手が思いきり攻めてもいいように…」と痛み止めの注射を打ってリングに上がったレスラー…そんな人たちを私は見てきている。

 怪我で再起不能になった人もいるし、命を落とした人もいる。9月の雷陣失神事件も一歩間違えれば大変なことになっていた。それだけリスクのある仕事なのだ。突き詰めると、様々な要素がトッピングされても最終的にプロレスは闘いなのだ。

 ハッキリ言って、もしプロレスが薄っぺらなものだったら、私は28年もこの仕事をしていない。そして今もプロレスとプロレスラーをリスペクトしつつ、仕事をしているというのが私なりのすべての答えです。

 あとはこれまでのGスピリッツを読んでいただいて、レスラーが何を考え、何に悩みながらプロレスに取り組んでいるを汲み取ってください。最終的に答えを見つけるのは、その人自身ですから。
PS. プロレスコラムを再開してくださいという書き込みもありましたが、年明けあたりから再スタートしようと思っています。もうしばらくお待ちください。

投稿者 maikai : 17:54 | コメント (2)

2008年11月25日

武藤学校が実践する理想的な教育

 今年で30年目を迎えた全日本プロレスの年末の風物詩『世界最強タッグ決定リーグ戦』。ハッキリ言って今年の参加チームは地味めだが、昨日の後楽園ホール大会は充実、プロレスを堪能させてくれた。

 メインでは新日本の『G1タッグ・リーグ戦』で優勝した天山&小島のテンコジと、今大会の注目チームの諏訪魔&近藤のスワコンの激突だ。

 前半戦はテンコジが試合を制圧した。開幕戦で左眼球を負傷して万全ではない諏訪魔を容赦なく攻め立てるテンコジにブーイング。ここ最近では同情ともとれる声援が多かっただけに、この現象はテンコジにとっては歓迎すべきことだ。

 そんな戦況で光ったのが近藤。序盤から諏訪魔を引っ張り、時間切れになるかと思われたところでキングコング・ラリアット! 小島をピンフォール、それもラリアットで29分26秒の激闘を制したのだから客席のボルテージは最高潮に。先の11・3両国における丸藤戦といい、近藤への注目度、評価は急上昇である。そして時間切れ引き分けに逃げることなく、ギリギリまで勝負した近藤、小島の試合に対する姿勢を評価したい。

 メインとは違った意味で客席を大いに沸かせたのは11・3両国でデビューしたばかりの元力士・浜亮太だ。浜は武藤のパートナーに抜擢されて最強タッグに参加。この日はみのる&ケアとの公式戦だった。

 こうなると、みのるがどんなイジメ方をするのか残酷な興味が湧くが、浜は191キロという巨体で常識を吹っ飛ばした。この規格外の体の持ち主には試合の組み立てや細かいテクニックは必要ない。体を浴びせるだけで必殺技になるのである。カバーに行くだけでも、それが圧殺技になり得るのが凄いところ。みのるの張り手の嵐にダウンしたが、元力士だけに打たれ強いし、意外にスタミナもスピードもある。最後、みのるがこのまん丸の体をゴッチ式パイルドライバーで叩きつけたのはプライドだったのだろう。

 正直な話、浜が7月に全日本に入門した時には「?」と思っていた。膝に爆弾を抱えていたし、あのアンコ型の体がプロレスに向いているとは、とても思えなかったのである。だが、武藤は逆転の発想で浜をプロレスラーに改造した。普通なら相撲体型をレスラー向きに改造するところを、入門時185キロあった体重をさらに増えさせて189キロに。そして現在は191キロ! これは武藤の「他人にはない個性を伸ばす。個性がプロレスラーには大事」という考えによるもの。そしてカズが基本を叩き込み、諏訪魔がレスリングを教える一方で、その巨体をいかに活かすかを教え込んだ。「短所を克服するよりも長所、個性を伸ばす」というやり方だ。

 かつての曙もそうだったように「プロレスは甘いもんじゃない!」という教え方ではなく、プロレスの楽しさを教え、そこから奥深さを教えていく。結果、他の格闘技にいた人間も抵抗なくプロレスに入り、夢中になっていく。武藤学校は理想的な教育をしていると思う。

投稿者 maikai : 10:45 | コメント (1)

2008年11月23日

ラスト後楽園

 もう年末。一昨日は大日本プロレスが、昨日はドラディションが今年最後の後楽園ホール大会を開催した。

 今年を振り返ると、大日本を観るチャンスはあまりなかった。というのも、大日本の後楽園大会は月曜開催が多く、サムライTV『S-ARENA』出演曜日と重なってしまうのだ。

 というわけで、大日本に関してはあまり詳しくなくなってしまったが、今年がひとつの転換期だったことは理解しているつもり。ここ何年間かは伊藤竜二、佐々木貴、沼澤邪鬼などの新世代が台頭、デスマッチ路線以外でも関本大介が頭角を現すなど急激な世代交代の流れにあったが、そこに今年に入って「待った!」をかけたのがベテランのシャドウWXだった。5月に伊東からデスマッチ・ヘビー級のベルトを奪取して、この年末まで死守してきたのは立派。一昨日の後楽園では大日本旗揚げメンバーの谷口裕一が大黒坊弁慶とのコンビで関本&マンモス佐々木のタッグ王座に挑戦し、普段のお笑いキャラではなく、ケンドー・ナガサキに仕込まれたレスリングと返し技の妙で客席を沸かせた。また今年は単発ながら山川竜司も復活している。2008年はベテラン勢の巻き返しの年だったと言ってもいいかもしれない。

 ただし、年末に大一番が控えている。12月19日の横浜文化体育館だ。ここではシャドウWX復活のきっかけを作った宮本裕向がWXに挑戦する。去年の3月、佐々木相手に究極のデスマッチをやって注目された宮本は、以後、地道に経験を重ねてきた。ここで一気に大日本の頂点に立つことも十分に考えられる。

 ベテランのシャドウWXか? あるいは新鋭の宮本か? 2009年の大日本の進路は横浜文体の結果が握っている。

 昨年10月の西村修の離脱によって無我ワールド・プロレスリングから団体名を変更したドラディションは昨日の後楽園で年内のスケジュールを終了した。残すは12・28新木場における吉江自主興行のみだ。

 久々に観たドラディションは様々な選手が出場するバラエティに富んだ興行だった。そこには一貫したポリシーは感じられない。ただ、メインの藤波&吉江&関本vs嵐&長井&宮本の6人タッグは純粋に楽しめた。骨太な選手が揃って重厚な技をぶつけ合い、そこに藤波のピシピシッとした基本技がスパイスとなって絡む。最近のやたらに高度でハイスピードなプロレスばかりを観ていると、こうした試合がホッとしたりする。特に工夫を凝らした展開ではないが、大人がじっくりと落ち着いて楽しめるプロレス、昔ながらのプロレスという味わいだ。

こうした何の変哲もない試合こそが、実は無我なのかもしれない。


PS. マグナムTOKYOについての質問がありましたが、限りなく引退に近い形での退団を発表したという経緯からすれば、ドラゴンゲートへの復帰はないと思います。リング上でもRGに「マグナムTOKYOさんじゃありませんか」と突っ込まれ「一昔前にマグナムTOKYOなんて呼ばれたこともあったけど…」と答えていることからも、過去の自分とは決別していることが感じられました。この件に関して裏事情は知らないし、特に詮索するつもりもありません。ただ、マグナム…じゃなかった黒木君をデビュー前から知っている者として、彼が第2の人生に踏み出したことは純粋に嬉しく思っています。

投稿者 maikai : 12:30 | コメント (1)

2008年11月21日

マニアに向かって…

 グランプリを終えてハッスルが昨日の後楽園大会から新局面に突入した。12・30有明コロシアムにおける『ハッスル・マニア2008』に向かっての新ストーリーがスタートしたのだ。

 大晦日にテレビ東京で午後9時半から2時間の放映も決定。これまでマニアは11月に開催されていて、去年は11月に『ハッスル・マニア2007』、大晦日に『ハッスル祭り』を開催したが、今回はマニアと祭りを合体させた一発勝負。大会のテーマは「どんな逆境でも人はハッスルできる」というもの。

 このテーマに沿ってプロレス不況という逆境の中、髙田総統はマニア成功に矢面に立つ。気持ちがバラバラのハッスル軍ではTAJIRIがハッスル軍立て直しに乗り出し、一時の大スランプから脱した天龍は完全復活を目指す。またボノちゃんは自力で魔界からパパ(グレート・ムタ)を呼び戻す決意を固めて「どんな逆境だってハッスルするぞ!」と宣言した。やっぱりハッスルの場合には勝敗が最優先されるグランプリのようなものよりも何か大きなテーマに沿ってストーリーが展開されるというのがしっくりくる。

 新局面突入に当たって新たな人材も投入された。モンスター軍の新メンバー、血鶴は昨日の時点では正体を明かさなかったが、長身でちょっと楽しみ。そしてサプライズはあのマグナムTOKYOがアラン黒木として登場したことだ。今後、何が起こるのがワクワク。観る人をワクワクさせることこそがハッスルの生命線だと思う。

投稿者 maikai : 11:46 | コメント (1)

2008年11月18日

S-ARENAに新鮮ゲスト登場

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 昨日のサムライTV『S-ARENA』のゲストは私にとって新鮮だった。それは大阪プロレスのアジアン・クーガーとタダスケ。クーガーに関してはずっとインディー系のフリーとしてファイトしていたが、空中殺法だけでなくレスリングがしっかりしていて「どこで誰から教わったんだろう?」と思っていた。ある時、かつてのユニバーサル・レスリング連盟代表だった新間寿恒氏に「ウチの練習生だったんですよ」と聞いて「なるほど」と合点がいったことを憶えている。という程度で、直接喋ったことはなかった。去年の4月にデビューしたタダスケとはもちろん初対面。

 で、いざ本番が始まると、さすがに2人とも大阪プロレス。関西ノリのお笑いを披露して番組を盛り上げてくれた。

 正直な話、大阪プロレスをナマで観られる機会はそうそうないので、私はあまり詳しくない。でも、デルフィンが沖縄プロレスを旗揚げ後、大阪プロは確実に新たな時代に入った。何年か前に『S-ARENA』に白鳥智香子と出演してアツアツぶりを見せつけてくれたタイガースマスクが10月にルードに転身。ブラックバファロー、政宗と共にルード軍団を結成。ここに新メンバーとして怪奇派ヲロチが加わった。ルード軍に対抗するのは大阪プロ王者・秀吉、ビリーケン・キッド、ツバサ&アジアン・クーガーのムチャルチャといった正規軍。さらにゼウス、原田、小峠、タダスケの新世代ユニットBLOOD&GUTSY、お笑い系のくいしんぼう仮面、ミラクルマン、えべっさん、松山勘十郎…とコンセプトがしっかりしている。

 そしていよいよ天王山2008の開幕。昨年は優勝=タイガースマスク、準優勝=ゼウスだった。11月24日には天王山の東京初進出として新宿FACE大会。メインではタイガースマスクvsアジアン・クーガーの因縁の一戦が公式戦として行われる。これは勝負の行方はもちろん、大阪プロの魅力を東京のファンに伝える上でタイガースマスクもクーガーも責任重大だ!

投稿者 maikai : 09:41 | コメント (0)

2008年11月15日

今こそ弾けよ!師弟コンビ

 昨日の後楽園ホールにおけるノアのツアー開幕戦はタイトルマッチ前哨戦がズラリ。12・7日本武道館で健介に挑戦する齋藤彰俊は最初で最後の前哨戦で今までのプロレスラーとしての歴史を健介に見せつけた。まずはW★ING時代の徳田光輝、木村浩一郎との格闘3兄弟時代にタイムスリップしたように真っ白な空手着、試合の途中から現在のプロレスラーの姿になり、試合後には健介を荒縄で縛ってパワー・ウォリアーを模したお面を被せるなど、型破りなダーク・エージェント流のパフォーマンス。彰俊は18年間のすべてを健介にぶつける意思表示をしたのだ。

 ジュニア戦線ではKENTA&石森&菊地vs丸藤&鼓太郎&エドワーズ。これは11・27仙台における丸藤vs菊地の世界ジュニア戦、11・28新潟におけるKENTAvsエドワーズのGHCジュニア戦、12・7日本武道館における金丸&鼓太郎vsKENTA&石森のGHCジュニア・タッグ戦の前哨戦という様々な要素が入り混じったもの。私的に注目しているのは丸藤の世界ジュニアに挑戦する菊地。菊地は全日本時代の96年7月24日、渕を破って第16代世界ジュニア王者になった。97年1・15後楽園で小川良成に敗れて王座を失っているから、約12年ぶりに取り戻すチャンスを得たことになる。

「世界ジュニアは懐かしいし、やっぱりまた巻きたいよね。俺は数少ないチャンスの中で頑張っていくしかないから。こんな俺でも生まれ育った仙台が味方になってくれる。きっと何かあるでしょう。あとはベストのコンディションで丸藤の胸を借りたい」とキャリア21年目、43歳のベテランは語った。あの火の玉小僧の復活に期待したい。

 そして昨日、最も輝いて見えたのが11・28新潟で彰俊&バイソンのGHCタッグに挑戦する田上&森嶋の師弟コンビ。久々に田上火山が噴火、ダウンしているキース・ウォーカーの上に森嶋の巨体を喉輪落としで叩きつけるという合体プレーまで披露した。

 田上にとって森嶋は初めての付き人。凄く可愛かったようで、以前、田上にプロレスに入ってからの思い出の試合を聞くと、96年5・24札幌で三沢から初めて三冠ヘビー級王座を奪取した試合と05年12・4横浜で森嶋の挑戦を受けてGHCヘビー級王座を防衛した一戦を挙げていた。

「元付き人とタイトルマッチをやれたっていうのは、やっぱり思い出の試合だよねぇ。パワーが凄くて殺されると思ったけど(苦笑)、19歳ぐらいの可愛い坊やちゃんが怪物になったんだもんねぇ」と嬉しそうに語っていたものだ。

 そして昨日の試合後の2人のやりとりは以下の通り。

森嶋=「ヤル気になった田上さんは凄いですし、それは付き人やってて知っていますから。僕は暴れるだけ暴れるんで、田上さんには噴火してほしいです」
田上=「今日は試合やってて楽しかったな。まあ、新潟までこの調子がもてばいいなあ…」

 ウーン、何とも味わい深い師弟コンビだ!

投稿者 maikai : 14:50 | コメント (0)

2008年11月13日

女子プロの中での小島聡の男気

 昨日のNEO後楽園ホールにおける小島聡は見事だった。12月31日に引退する元気美佐恵とのシングルマッチ。「男子レスラーと真正面から戦いたい」という元気の気持ちに真摯に応えたのである。

 試合前の小島はいつもと勝手が違う会場にちょっと緊張気味。ちょうどトイレに入るところで顔を合わせると「知っている人がいるとホッとしますね。何だかトイレに来るのも恥ずかしくて…」と苦笑。試合前の練習もリングは女子レスラーが使っていたから、小島は階段の踊り場で調整していたようだ。

 そんな小島もいざリングに上がると厳しい戦う男の顔に。ヘッドロックで締め上げ、グランドに移行してアームロック、起こしてフロント・ネックロック、元気のタックルを跳ね返し、チョップやエルボーには胸を突き出して逆に一発でダウンさせる。さらに逆片エビ固め、元気が必死にロープに逃げれば、それを引きずってリング中央でSTF、そこから脇固めや腕折り固めに移行、そしてマシンガン・チョップからいっちゃうぞエルボー…と、最初の5分はレスリング、男子レスラーの当たりの強さを元気に体感させた。

 防戦一方だった元気は女子プロ特有のヘアー投げを成功させると、場外戦で反撃開始。小島のきついイス攻撃を食らったものの、イスで反撃し、京子、田村、松尾、勇気の力を借りて小島を大机に固定させると、コーナー最上段からダイブ! リングに戻ってからは5発目のラリアットでやっと小島をダウンさせ、スピアー、Gドライバー連発と大健闘。

 小島は小島で「受けてあげる」のではなく、真っ向から元気の大技を受けて止めていた印象だ。そして15分過ぎに再び小島が攻勢。DDTで流れを変えるとコジコジカッターの連発。村山レフェリーはカバーにいくことを促すが、小島は仁王立ちして元気が立ち上がってくるのを待つ。立ってくるたびにコジコジカッターを連発し、とどめとばかりに垂直落下式ブレーンバスター。ようやくカバーに入った小島だが、元気はカウント2で跳ねる。ここで遂に小島のラリアットが爆発! 19分19秒、小島は元気の首を刈り取った。

 上目線ではなく、変にカタくなるわけでもなく、余裕を見せるわけでもなく…元気に男子プロレスを体感させ、自らも女子プロレスを体感し、本当に真正面から小島は元気と戦った。その試合後のコメントも良かった。

「紙一重だよ。それが嘘偽りのない気持ち。俺は本当のことを言うと、女子の技は男子には通じないと思っていた。でも試合をやってみて、18年間、とんでもない思い違いをしていたことがわかった。女子プロレスというジャンルに対して恥ずかしい気持ちです。もし、こうやって女子プロに関わらなかったら、驕りというか、違った目線で見ている情けない自分がいたと思う。今日、ラリアットを出すつもりはなかったけど、出さざるを得なかった。出さなきゃ勝てなかった。男女の違い、年齢なんてプロレスには関係ないと思います」

 そして小島に敗れた元気も素直なコメントを出した。

「男子プロレスの凄さを改めて実感しております。女子プロレス人生を悔いなくまっとうできると確信しました。プロレスは好きでも女子は観たことがない人、男子プロレスと女子プロレスは違うと思っている人、女子プロレスファンのみんなに熱くなってほしかったし、プロレスラーは真剣に試合をしているんだということを感じてほしかった。無理な相手に挑戦するのがプロレスラー、自分の想いを貫くのがプロレスラーだと思います」

 小島に対戦を直訴した元気、それに応えた小島、共に素晴らしかったと思う。

投稿者 maikai : 12:53 | コメント (2)

2008年11月12日

DDTの新ブランド発進!

 ユニオン、マッスル、ハードヒット、クルーザーゲーム、新北京プロレス…と、次々にブランドを立ち上げているDDTが昨日、新ブランド旗揚げ戦を行った。その名前は『BOYS』。ズバリ、ターゲットは女性ファンだ。「ビジュアルに優れたレスラーを団体の垣根を越えて集め、殺伐としたイメージを排除し、部活のようなノリで試合をする。料金設定も女性に優しく…」というコンセプトの下、昨日の第1弾は女性の入場料無料! 実に太っ腹だ。女性客240人に対し、男性客(入場料3000円)は45人だから採算度外視の興行だが、「広告宣伝費だと思えば」と高木三四郎社長。

 まずは紋付袴姿の男色ディーノ…じゃなかったBOYS塾長のジャニー江田島が登場。これはジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏と漫画『魁!!男塾』の男塾塾長・江田島平八をミックスさせたキャラか!? そしてBGMにフィンガー5の『学園天国』が流れる中で自己紹介式。部活というコンセプトなので、選手たちはアニメ、映画、ミュージカルにもなった『テニスの王子様』よろしくテニス・ルックで登場だ。KUDOもヌンチャクをテニスラケットに持ちかえて爽やかに登場。HARASHIMAも普段の暑苦しさを抑えてあくまでも爽やかだった。

メインで20分を戦ったHARASHIMAと円華、メンズクラブではない大石真翔、DEPの正岡大介、STYLE-Eの新人・玲央あたりに人気が集中。女性ファンが携帯やカメラでリング上をバチバチと熱写している光景はある意味で新鮮。まるでプロレスファンとは思えないコギャル系が多かった2000年頃の渋谷club ATOMでのDDTを思い出してしまった。

 さて、大会はあくまでも部活ノリだ。最後はHARASHIMAが江田島塾長の無茶ブリで若大将よろしく加山雄三の『夜の太陽』を熱唱。塾長の「起立!礼!着席!」で終了となった。

 終了後はテニプリ・ルックに着替えた参加選手全員との記念撮影会。これはひとり1000円(希望者のみ)だったが、試合がタダだったことを考えればオトクだろう。

 DDTの柔軟な発想、軽いノリと遊び心、それを実現させるためにコンセプトを練りに練り、徹底的に凝るところにはいつも感心させられる。この『BOYS』が定着し、新しい女性ファンを取り込んでくれることに期待したい。

投稿者 maikai : 11:29 | コメント (0)

2008年11月10日

昨日は妻と…

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 今日はプライベートな話題をひとつ。昨日9日は妻の誕生日ということで久々に外食。フレンチをメインとするヨーロッパ料理のレストランへ。前々から名前だけは知っていたが、つい先日、夫婦で散歩をしていて偶然、発見したお店だ。住宅街にあるこじんまりとしたレストランだが、あのジャン・レノが『WASABI』の撮影で日本に滞在していた時に予約なしで来店したとか。

 それはともかく、今年は5月にハワイに行った後は公私共に何かとあって、夫婦でゆっくりした時間を過ごしていなかった。せめて誕生日ぐらいはスイッチを非日常に切り替えないと精神衛生上、よろしくない。

 で、料理は美味しかったです! 海の幸の前菜、トリュフとキノコのスープ、魚料理、肉料理のメイン。デザートは予約時に「妻の誕生日なので」と言っておいたので、バースデー・バージョンの特別なもの。シェフ自ら写真を撮ってくれるという気さくな感じもよかった。

 ウーン…やっぱりプライベートなことを書くのは照れ臭いなあ。この辺にしておきましょう。

 写真は前菜=根室のカレイのマリネ、鮑のエスカルゴ、牡蠣(自家製サワークリーム、海水のゼリー乗せ)、ノルウェー・サーモン、生ハムのサラダ。人間、美味しいものを食べると幸せな気分になれますね!

投稿者 maikai : 10:18 | コメント (1)

2008年11月08日

久々にドラゴンゲートに不穏な空気

 9~10月はあまり会場に行ける状況ではなかったため、昨日は8月28日以来のドラゴンゲート後楽園へ。8・28後楽園はタッグ・リーグの決勝。それからの2ヵ月ちょっとで流れは大きく変わっている。ツインゲート統一タッグがリョウスカから土井吉、さらにサイバー・コング&YAMATOに移動し、トライアングルゲートはGamma&神田&YAMATOから無所属の望月&フジイ&岸和田、ブレイブゲートは堀口から吉野に移動。唯一、ベルトを守り通しているのはドリームゲート王者の鷹木だけ。その鷹木もタイフーン所属になっている。

 そんな流れを頭にインプットして久々に観たドラゴンゲートには何か不穏なものを感じた。11・16大阪でツインゲート統一タッグに挑戦する土井&谷嵜が前哨戦として6人タッグでサイバーと激突したが、サイバーを意識する谷嵜が熱くなりすぎて制止に入った土井に食ってかかるシーンが生まれ、メインのタイフーンvsWORLD-1の6人タッグは、何だか流れがない試合展開でギクシャク。ハッキリ言ってドラゲーらしい雰囲気がない試合だった。

 その謎が解けたのは試合後の鷹木の発言。「今のドラゴンゲートのユニットは意味がないんじゃないか!? ドラゴンゲートの軸がズレていると思うのは俺だけか? 大阪で横須賀享に勝ってドリームゲートを防衛したら、タイフーンは俺の好きなようにさせてもらう」と宣言したのだ。

 鷹木vs享はタイフーン同門対決だが、鷹木のタイフーン入りによって享はユニット内で孤立しているようだし、前述の鷹木の発言に斎了がブチ切れた。これでほとんどタイフーンは空中分裂状態。また土井と谷嵜の関係を考えればWORLD-1にも微妙は空気が流れているし、戸澤塾は11・6大阪でのトライアングル挑戦に解散を賭ける。

 さらに12月に入れば個人闘争の『キング・オブ・ゲート』がスタートすることを考えれば、年内にドラゲーの戦いの図式は大きく変わりそう。まずポイントとなるのは11・6大阪、そして中心人物になるのは鷹木。ここにCIMAがどう絡んでくるか…。

 気づけば鷹木、サイバー、YAMATO、無冠ながらハルクといった新世代が中心に来ているドラゲー。キャリアや名前に関係なく、選手たちは常に考え、アクションを起こさなければ生きていけない厳しい団体なのだ。

投稿者 maikai : 16:52 | コメント (0)

2008年11月07日

3ヵ月半ぶりのSEM空間

 昨日は7月16日以来のSEM。私はこのSEMという空間が好きだ。団体の枠を越えて若い選手が気持ちを剥き出しに向き合うからである。そして選手たちは試合を通して自分の力量を振り返って明日への糧とする。

 昨日の試合ではKENTAにボコボコにされながら、最後まで食らいついていった南野たけしが「このザマですわ。メチャクチャ高い壁やった。全然、あかん。何やこの壁。こんなに差があるとは。正直、ショック…」と素直なコメント。観ている側からすれば大健闘でも、やっている当人が肌で感じることは違うのだろう。

 また、中嶋勝彦に喧嘩を仕掛けて敗れた青木篤志も「今日の負けは素直に認めます。蹴りはかなりきついっスね。ちょっと羨ましいような気もします。強いです。素直に認めます。ちょっとこのショックはデカイかもしれないですね」と素直なコメントを出した。

 こうやって傷つき、悔しい思いをして若い選手は成長していくものだと思う。

 ちょっと残念だったのはHARASHIMA&円華vs石森&伊藤。試合的には面白かったのだが、共に一歩踏み込めずに20分時間切れになってしまった。HARASHIMAはDDTの元KO-D無差別級王者でDDTのエースのひとり、円華も元インディペンデントワールド・ジュニア王者でK-DOJOのトップ(来年からフリー)ということで「メジャー、なにするものぞ!」という気持ちが強かったかもしれなし、ノア勢も構えるところがあったのかもしれない。ここが難しいところだ。意地も大事だがSEMという空間では背景を度外視して純粋に戦ってほしい。HARASHIMAも円華も「技術では負けない。向こうがやるというなら、何度でも来る」と言っていただけに再戦に期待したい。


 

投稿者 maikai : 11:56 | コメント (0)

2008年11月06日

“今のテンコジ”の魅力は

 G1タッグ・リーグ戦はテンコジの優勝で幕を閉じた。決勝トーナメント準決勝では中西&吉江のビッグ・マウンテンズと対戦。体格的にもコンディション的にも中西&吉江の方が明らかに上だ。この相手に対して小島が体をさらした。これは天山のコンディションを考えた上でのもの。一方的に痛めつけられる小島、泣きそうな顔でコーナーから檄を飛ばす天山…これがテンコジの現実である。ファンはそんな“今のテンコジ”を応援した。「プロレス界に友情はある」というベタなテーマを掲げるテンコジだが、共に力を合わせて決して諦めないという姿勢はファンの心を打った。小島の大逆転のラリアットに後楽園ホールは大爆発。

 そして決勝の真壁&矢野戦でもテンコジは共に流血させられ、苦境に追い込まれながらも耐えに耐え、決して諦めずに最後は天山が矢野にアナコンダ・バイス! 38歳の小島と37歳の天山が友情を口にし、感激に涙する姿をファンは素直に祝福した。

 この日のテンコジはリバイバルではなかった。かつての勢いにまかせる元気いっぱいのタッグチームは、若い力に追い込まれる現実をさらした。だが、それが味になっていた。それは“やられの美学”とでも言うべきか。そんな中で仲間を信じること、諦めないことの大切さを訴えた。

「表面上、肉体的には衰えている、弱くなっていると思います。でも、ひとつだけ強くなったのは絆です」と小島。

 そういえば小島はみのる&ケアの世界タッグに挑戦する時に、強さを全面に出すみのるに対して「プロレスに大切なのは強さだけじゃないんだ!」と主張していた。このG1タッグ・リーグ戦ではそれを証明した。強さだけじゃない。だからプロレスは面白いし、味があるのだと私も思う。

投稿者 maikai : 15:07 | コメント (0)

2008年11月05日

リバイバルからリアルタイムへの正念場

 昨日は後楽園ホールでG1タッグ・リーグ戦の最終公式戦。Aブロックでは天山&小島のテンコジが中邑&後藤に勝って首位で決勝トーナメントへ。敗れた中邑&後藤はバーナード&フーラーと決勝トーナメント進出をかけて戦うことになった。Bブロックは現IWGPタッグ王者の真壁&矢野が中西&吉江に敗れて全勝とはならなかったものの、首位で決勝トーナメントへ。勝った中西&吉江は邪道&外道を1点上回って決勝トーナメント進出を果たした。

 さて、私が注目しているのはテンコジだ。全日本の10・11後楽園ホールで鈴木みのる&太陽ケアの世界タッグに挑戦して完敗を喫し、みのるに「もうリバイバル・ブームは終わりだ! てめぇらの知らないうちにタッグマッチは進化しているんだ。お前らの時代は終わったんだよ!」と罵倒され、そのショックを引きずったままG1タッグ・リーグ戦に突入。初戦で飯塚&石井に敗れて先行きが危ぶまれたが、結果的には首位でリーグ戦を突破した。

 だが、まだテンコジは本調子ではないと思う。11・3両国ではF4vs天山&NO LIMITという形でテンコジ対決を行って気持ちを確かめ合ったが、小島自身がブログで書いていたように2人の激突はKAI&大和vsNO LIMITの若いタッグ対決の足を引っ張っていた。私は実況席から観ていたのでよくわかったのだが、ダイビング・ヘッドバットを失敗した天山は右膝に大きなダメージを負っていた。

 昨日の中邑&後藤戦、天山は足の負傷をひた隠しにしていたが、明らかにステップがおかしかった。そして中邑&後藤の集中攻撃を浴びてしまった。耐えに耐え、最後にアナコンダ・バイスで後藤を仕留めたのは天山の意地を感じたが、やはり本来のテンコジとは程遠いものだった。後楽園ホールに充満した天山コールにしても、ほとんど同情と過去のテンコジへの想いからだったように感じられた。つまり“リバイバル”から抜け出せていないのである。

 優勝するには今日2試合戦わなければいけない。果たして天山の体は持つのか? そんな天山を小島がフォローできるのか? この先には全日本の最強タッグも控えている。結果、内容の両方で『昔の名前で出ていいます』ではなく、リアルタイムのタッグチームになれるか…テンコジは正念場を迎える。

投稿者 maikai : 12:36 | コメント (0)

2008年11月04日

ムタとみのるの妙味

 昨日は両国国技館で全日本のPPV解説。解説の仕事というのは、リング上のその場その場の局面を追うために試合の全体像が掴みにくいのだが、丸藤と近藤の世界ジュニア戦は好勝負だったと思う。

 初対決でありながら相手の戦術を読み合い、裏をかき…という攻防は2人のこの一戦にかける意気込みと技量の高さを示していたし、先の10・25日本武道館におけるKENTAとの60分時間切れで評価が分かれた丸藤は改めてプロレスラーとしての力量を見せつけてくれたと私は思っている。

 37分55秒の熱闘だったが、やはり丸藤の方が一枚上。近藤は精一杯、丸藤は八分の印象を受けた。丸藤は静と動を巧く操る。静の時も休んでいるのではなく、その先の試合の流れ、相手の出方をきっちりとシミュレーションして、その上で動に転じる。そんな丸藤を攻略するのは並大抵のことではないだろうが、全日本のジュニア戦線が丸藤効果でレベルアップしていくことを望みたい。

 メインのムタvs鈴木みのるは観客、PPVを観たファンにはどう映ったのだろうか? ヘッドセットを付けていたために客席の反応は掴みにくかったが、セミの世界ジュニア戦とは打ってかわってシーンとしているように感じた。セミでお腹いっぱいになってしまったのか? それとも見入っていたのか?

 私的には、この試合ではムタとみのるがレスラーとしての純粋な力量にプラスしてプロレス頭を競っていたのように感じた。「ムタと武藤敬司は同じじゃねぇか。俺には魔界なんて通用しない」と言っていた鈴木は頭髪もタイツもシューズも白黒にしてのリングイン。「俺の中にも陰と陽がある」というメッセージに受け取れた。きっと、みのるなりにムタという存在、ムタ・ワールドを消化して試合に臨んだのだろう。

 共に自分の間合いをきっちりと持った選手だけに、どちらかが敢えて相手の領域に踏み込まなければ試合は成立しない。踏み込んだのはみのるだった。結果、みのるはムタに飲まれてしまった。

 この試合の大きなテーマになったのは毒霧だ。10・23弘前でムタの闇討ちに遭い、毒霧を浴びたみのるは「あんなものは通用しない。逆にてめぇに毒霧を飲み込ませてやる」と宣言。このタイトルマッチでも一度はムタの口を塞いで逆噴射させ、その後の毒霧もかわしてみせたが、終盤、フォールに行こうとしたところで下からムタが3度目の毒霧。ムタはみのるの口めがけて噴射し、みのるは毒霧を飲み込む羽目になった。

 その後、ムーンサルト→シャイニングで決着がつき、呆気ない幕切れに客席は騒然となったが、ムタがみのるに毒霧を飲み込ませた時点で2人の勝負は着いていたのである。

 ただし、これが客席に、PPVを観ていた人に伝わったかどうか。改めて試合をジックリ観れば、随所にムタとみのるならではの妙味があると思うのだが、それがちゃんと伝わらなければ意味はない。そこがプロレスの難しいところだ。

投稿者 maikai : 13:37 | コメント (1)

2008年11月03日

カブキさんと家族の10年

 ザ・グレート・カブキは1998年9月7日、50歳の誕生日前日にリングを降りた。第2の人生として東京・文京区後楽に居酒屋『かぶき』を開店。そして10年が経ち、カブキは還暦を迎えた。

 昨日は新宿FACEでカブキの還暦&かぶきうぃずふぁみりぃ10周年を記念した『カブキ祭りだョ全員酒ぅ~豪!』なるイベントが催された。さすがに“東洋の神秘”と呼ばれたカブキの記念イベントだけにシークレット・エンターテインメントということで何が飛び出すかわからない破天荒な宴。来場者にはカブキの出身地・宮崎の特産品を使った弁当が配られ、お酒も飲み放題。お客さんの多くは『かぶき』の常連さんだと思われ、プロレス会場でありながら、大宴会場という“いい雰囲気”になった。

 カブキ引退試合の時にペイント&連獅子姿で花束を渡した愛娘・映理ちゃんが小カブキになって父カブキとヌンチャクの共演。当時は幼稚園に通っていた映理ちゃんも高校1年生だ。

 その映理ちゃんが大ファンのモハメドヨネが花束を持って駆けつけ、乾杯の音頭はノアの三沢光晴社長。思わぬ大物の出現に、すでにアルコールが入っている客席は大喜びである。

 第1部はバイオリン漫談、歌謡ショー、マジック、締めはキラー・カーンの熱唱。第2部は和太鼓のオープニングからプロレス編となって第1試合=JWP提供の春山&ボリショイvs日向&KAZUKI。第2試合=トークショーで、これは流智美氏と私が進行役となった。まったく打ち合わせなしのぶっつけ本番。客席の空気を読みながらのアドリブになったのが逆に良かったかもしれない。お客さんが楽しんでくれていたら幸いだ。

トークショー後はNEOの井上京子と元気美佐恵がプレゼントを持って祝辞。ここでカブキ・ファミリーが逆襲に転じてカブキ夫人のやす子さんが京子の長男の誕生日ということで逆プレゼント。家に置いてきたとばかり思っていた京子は愛息の姿を目にするや号泣という場面も…。

 メインエベントは西口プロレス提供のWWT(ワールド・ウェスト・タッグ)王座決定戦。まずはバトルロイヤルが行われ、何とカブキ本人も出場した。勝ち残ったのはカブキ、アントニオ小猪木、ジャイアント小馬場、ハチミツ真也(ハチミツ二郎の橋本真也ネタ)の4人。小馬場と小猪木が小BI砲を結成してカブキ&ハチミツと対戦。最後はカブキ&ハチミツが勝ったが、ここでハチミツが粋な計らい。パートナーの権利をやす子ママに譲り、カブキ&やす子ママの夫婦がめでたくWWT王者になった。ベルトを腰に巻かれたやす子ママは本当に嬉しそうな顔をしていた。

 今回のイベントはカブキ・ファミリーがお店のお客さんたちに対して10年間の感謝の気持ちを表したものであり、お客さん側もそれを労う温かな催しだった。

そしてファミリーそれぞれの想い。カブキさんが引退してお店をやろうと決心した時、専業主婦だったやす子ママは飲食店で何ヵ月間かアルバイトして勉強していた。カブキさんにしてみれば、今回のイベントは10年間頑張ってくれているやす子ママ、常にリスペクトしてくれる映理ちゃんに感謝を込めてのものだったと思うし、やす子ママ&映理ちゃんにとっては頼もしい“BIG DADDY”への感謝だったと思う。映理ちゃんはこの日のためにダブル・ヌンチャクを4ヵ月も練習していたという。

 カブキさん、やす子ママ、映理ちゃん…素晴らしい宴にご招待いただき、ありがとうございました。そして、改めて還暦と10周年、おめでとうございます。またBIG DADDY酒場『かぶき』にお伺いします!

投稿者 maikai : 11:00 | コメント (0)