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2008年10月31日

稔の想いと永田の青義

 昨日のゼロワンMAX後楽園大会は見応えがあった。まずは天下一Jr1回戦の日高郁人vs稔。元バトラーツ対決である。

思えば12年前の96年の同じ10月30日、バトラーツは旗揚げ半年にして後楽園ホールに初進出を果たした。超満員の観客の中、稔こと当時の田中稔はセミファイナルでTAKAみちのくのインディペンデント・ワールド世界ジュニア・ヘビー級王座に挑戦。一方、日高は入門半年の新弟子でまだデビューしていなかった。

 このことを稔はちゃんと憶えていた。だから新日本とゼロワンMAXの対抗戦を頭に入れつつ、普段の嫌味なキャラを入れつつも序盤は打撃のバチバチ・スタイルで戦った。最後は粘る日高をファイヤーボール・スプラッシュでフォール。

先輩越えを果たせなかった日高だったが、稔の仕掛けてきたファイトに「僕が望んだ通りに田中稔でしたよ。新日本でいつも客を茶化しながら試合をしている稔じゃなく、田中稔でした」とコメントしたのが印象的だった。

 メインでは田中将斗から世界ヘビー級王座を奪った永田裕志に佐藤耕平が挑戦。ベルトを誇示する永田に大ブーイング…その光景は、かつてのアメリカの世界チャンピオンを思わせるものだ。そんなファンの心理をもて遊ぶように永田は観客に対しても耕平に対しても上目線。これがまた反感を買うという相乗効果がいい!

 試合はゼロワンMAXファンにとって憎き永田に耕平が気迫のファイトで挑んだ。192センチ、115キロの耕平は永田より体格的に勝るし、元々はプロ修斗出身の格闘家の匂いを持つ男だけに、こういう対抗戦になるとちょっと違う光り方をする。その攻めに時にわざとらしく顔をしかめ、時に本当にダメージを受けながら体を晒した永田も大したものだ。

 最終的には地力と経験の差がハッキリ出て、永田がバックドロップ・ホールドで完勝したが、ゼロワンMAXファンにしてみたら「あと、もう少しで…」という思いが残った一戦だったのではないか。

 マイクを掴んで「ゼロワンMAX…」と永田が言いかけたところで大谷、崔領二らが殺到。その後の「敗れたり!」を言えなかった永田だが、永田には永田なりのゼロワンMAXへの深い想いがある。

「リングが熱いね。これはきっと俺を倒してほしいという数少ない(苦笑)ゼロワンMAXファンの気持ちだと思う。思ったより苦戦した。耕平は将来楽しみな選手だと思っていたけど、今日は潜在能力を発揮したんじゃないの? 領二も凄い目で俺を見ていたね。俺ひとりの出現でゼロワンMAXは確実に改革されてきてますよ。ゼロワンMAX改革は俺のおかげですよ。橋本(真也)さんがゼロワンを旗揚げする時に俺を出してくれなかったら(03年3・2両国の旗揚げ戦で橋本&永田vs三沢&秋山が実現)今の俺はなかった。俺は俺のやり方で恩返ししたい。どこかの誰か(武藤のこと)みたいに“若手としかやらない”なんて俺は言わないよ。この世界のベルトをIWGPに匹敵するぐらいのものにしますよ」

 ゼロワンMAX勢とゼロワンMAXファンの神経を逆撫でしつつも、永田には永田の“青義”がある。

投稿者 maikai : 11:05 | コメント (0)

2008年10月29日

不況の時代にあってDDTは

 もう3日前の話になってしまうが、26日のDDTについて書きたいと思う。この日は新宿FACEで昼=ハードヒット、夜=DDT本隊の興行があった。昼の部は所用のために残念ながらパスさせてもらったが、夜の部は8月10日以来、久々のDDTを堪能させてもらった。

 2ヵ月以上も間を置いたDDTの風景はすっかり変わっていた。絶対王者的存在だったディック東郷が陥落して高木三四郎がKO-D無差別級&エクストリームの2冠王に。その東郷はフランチェスコ・トーゴーとなってイタリアン・フォーホースメンを復活。アントーニオ本多、ササキ&ガッパーナに、この日はPIZAみちのくも合流、伝説のユニットがパワーアップして帰ってきた。

 ポイズンとヌルヌル・ブラザーズの蛇ヌルBrosからマイケルが離脱、佐藤光留と変態団を結成するという“ならでは”の展開などがあった後はMIKAMI&タノムサクのスーサイドボーイズと大鷲&HARASHIMAのディザスターボックスがシリアスな試合をやってのけてディザスターボックスがKO-Dタッグ王座を奪取。メインでは三四郎のKO-D王座に挑戦したディーノが男色殺法を封印するシリアス・ファイトに。結局は男色殺法の応酬というオチがついたものの、観に来たお客さんを飽きさせないイベント全体の緩急の付け方は「さすがDDT!」と感心させられた。

 今後の展開としては11・16北千住のユニオンプロレス興行でユニオンのエース、石川修司が三四郎のKO-D王座に挑戦、その結果にかかわらず11・30後楽園のDDT本隊興行で三四郎と石川が組んでディザスターボックスのKO-Dタッグに挑戦する。DDTは完全に新しい流れに入った。

 今、不況の時代にあって、一番先に切り捨てられてしまうのは娯楽だ。それだけに、いかにお客さんに会場まで足を運んでもらうか、そして足を運んでもらったら、どれだけ満足させて帰ってもらうかが大事。もし、面白くなかったら次はないほど今は厳しい状況。「今日はイマイチだった…」などと言っていられないのである。1回1回の興行が大事な勝負だ。これはどの団体にも言えることである。DDTはその点、本当に細かくイベント全体の流れを練っていると思う。

 新規のファン拡大のためにDDT本隊だけでなくマッスル、ユニオン、ハードヒット、クルーザーゲーム、新北京プロレスというブランドを立ち上げた戦略も活きるはず。様々な趣向で「面白いものを提供したい!」というDDTの企業努力は光っている。

投稿者 maikai : 10:52 | コメント (0)

2008年10月28日

悪魔王子急襲!

 昨日のサムライTV『S-ARENA』にはK-1ファイターのバダ・ハリが緊急出演。私が聞かされたのはスタジオ入りしてからだった。9月22日放映分ではエミリヤーエンコ・ヒョードルが緊急出演。新しいスタジオになってから大物格闘家が飛び入り出演するようになったのはなぜ?

 それはともかく格闘技系の取材をしたことがない私にとっては、バダ・ハリはテレビで観る人物にすぎない。その言動、行動から悪童とか悪魔王子呼ばれているだけにどんな人物かと緊張していたら、実際には温和な感じで「日本の食べ物で好きなのはテッパンヤキ。ワギュウ(和牛)は世界で一番ウマイよね。ロウ・フィッシュ(刺身)は苦手…」などと実に気さくな24歳の青年だった。

 ところが番組本番になるとスイッチが切り替わり「今のK-1は年寄りばかり。俺が優勝して時代を変える」と宣言。12・6横浜アリーナにおける『K-1ワールドGP2008ファイナル』で対戦するピーター・アーツに対してもまったくリスペクトを感じていないような発言を連発。

 さらに9・23さいたまスーパーアリーナにおける『DREAM6』におけるリング上からの「今日は凄いKOと素晴らしい試合を観るために呼ばれた。だが、抱き合ったりキスしたりするシーンしか見ていない。本当の真剣勝負、本当のノックアウト、本当の試合を観たいんだったら、みんなは間違った場所に来ているかもしれない。これから行き先の正しい住所を教える。今日の試合をしたすべての選手にその場所を言いたい。アリスターもミルコも全員だ。つまりK-1だ。本当の試合をしたい選手、本当の試合をしていると思いこんでいる選手たち、K-1、『Dynamite!!』で闘おう。これが真剣勝負じゃないということを、オレが立ち技、K-1で教えてやる」という発言について聞いてみると、
「K-1で優勝して、大晦日の『Dynamite!!』でMMAをやったって構わない。密かに絞め技を研究しているんだ」と笑った。その言葉がビッグマウスに聞こえないところが、さすがバダ・ハリ。そして話を聞いていて感じたのは、常にファンの興味、心理を考えていること。

 強さ、ファンを惹きつけようという意識、そして自己プロデュース…バダ・ハリは確かにK-1の次代を担うプロ・ファイターだった。

投稿者 maikai : 14:49 | コメント (0)

2008年10月26日

丸藤とKENTAの60分に感じたこと

 昨日の日本武道館における丸藤とKENTAの60分時間切れドローは観戦した人にはどう映ったのだろうか? ネットを見ると賛否両論。私はチケットを買って会場に足を運んだ人が「つまらなかった」と思ったとしたら、それは正解だろうし、「最高だった!」と思ったとしたら、これまた正解だと思っている。この不況の中、お金を払った人が感じたことはすべて正解なのだ。

 だから、ここで書くことはあくまでも私論。私的にはかなり面白かった。両者の身体能力は言うまでもないが、彼らのプロレス頭とそれを実際にファイトに結びつける技術に感心させられた。

 ハッキリ言って丸藤とKENTAならどんな技だってできる。だが、彼らは技に頼らない試合をしていた。裏の読み合い、緩急、一手間加えた小技でアクセントを加えながら、実際にはベーシックな地味な攻防だった。ロープワークにしても自分が攻撃する時に使うだけで極めて少なかったし、カウント2の応酬も終盤戦だけだった。そんな中で時折、大技、飛び技が効果的に繰り出されていたと思う。あれが大技のオンパレードのような試合だったら、観ている方が疲れていただろうし、飽きてしまっただろう。

 丸藤vsKENTAは馬場時代の全日本スタイルでもない、四天王プロレスでもない、今の時代のひとつの最高レベルの試合だったと素直に感じた。これに体格的にもスタイル的にもまったく異なる森嶋猛が絡んできたら、さらに面白くなるのではないか。

 森嶋に関しても見方は様々あるようだが、私は諏訪魔や棚橋同様に買っている選手のひとり。よく批判される体型にしても、あれが筋肉ムキムキの体になってしまったら何の個性もなくなってしまう。言い方は悪いがデブでありながら動けて飛べるのが森嶋のキャラなのだ。そしてROHでチャンピオンとしてファイトしていたことによってプロレス頭も磨かれている。「あの体で、あの技はないだろ」という理屈に合わない部分も個性。理屈を超えた新しいタイプの巨漢レスラー、怪物レスラーを目指してほしい。

 丸藤、KENTA、森嶋が技術とプロレス頭をぶつけ合った時、ノア新時代のスタイルが生まれると私は思っている。

 

投稿者 maikai : 11:38 | コメント (11)

2008年10月25日

複雑な想い…

 昨日の両国で第1弾が開催された『プロレス・エキスポ』。もっぱら話題になっているのは内容よりも観客動員数である。

 正直、こんなに客が入っていない両国を見たことがなかった。両国駅に着いて国技館に向かう道で「あれっ、今日じゃなかったのかな?」と思ってしまったほどの人気のなさ。いざ会場に入ってみたら本当に客がいないのだ。主催者発表はないので実際の数はわからないが、最終的にも千人には満たなかっただろう。

 これは笑っていられる状況ではない。皮肉ることもできない大問題なのだ。この不入りによって「やっぱりプロレスは下火だ」というイメージがまたまた強まるだろうし、出資してくれた人たちが「もう、プロレスはこりごりだ」と思ってしまったら救い難い。かつてプロレス界はメガネスーパーという大スポンサーを失った。それによってプロレスに出資してくれる企業家が何年も現れなくなってしまった。今回のプロレス・エキスポがその二の舞になってしまったら…。

 プロレス・エキスポの趣旨は世界6地域・13ヵ国から未知の強豪を集めて開催するというスケールの大きなもの。日本人vs外国人にこだわったあたりも出資した人たちが昔ながらの純なプロレスファンであることがわかる。だが、現実は甘くなかった。まず、プロレス・エキスポというからには、それこそ各国のチャンピオンが集結しなければいけないわけだが、それは不可能。恐らくファンには逆に胡散臭いものと映ったのではないか。

 また、あまりにもパブリシティがなかった。ファンは当日までの期待感でチケットを買うものだが、その期待を膨らませる材料がまったく提供されていなかった。ただでさえプロレスを扱ってくれる媒体が少なくなっているのだから、この部分に知恵を絞って、せめて東スポ、週プロでは多くのスペースを割いてくれるような話題を提供するべきだった。この要素に関しては出資してもらった側の完全なる努力不足だと思う。

 救いは少ないながらもお客さんたちが盛り上がって楽しんでいたことと、選手たちが気落ちすることなく元気にファイトしていたこと。レベルの差はあっても試合は様々な毛色の選手が出てきたから普通に楽しめた。惜しかったのはメインの蝶野&ノートンvs高山&フライでトーンダウンしてしまったことだ。

 今日も昼の部、夜の部と2大会があるが、果たしてどうなるか? 私は差し迫った原稿を抱えているのと、夜は日本武道館のノアに行くので残念ながら目撃できないが、会場に足を運んだ人たちが楽しめて、出資した関係者が「これからもプロレスを応援していこう!」と思える材料が生まれる大会になることを祈っている。

投稿者 maikai : 11:30 | コメント (0)

2008年10月21日

Gスピリッツ第9号の全日本特集は自信作です!

 Gスピリッツ第9号がいよいよ明日発売になる。今回は全日本プロレス特集。全日本の特集というと、まったりしたイメージがあるかもしれないが、かなり刺激的な内容に仕上がったと思っている。全日本は変化が少ないように見えて、旗揚げから36年間で激変している。馬場さん存命の時代にしても当初の日本人vs大物外国人の時代からジャパン・プロレスの参入による日本人対決主流の時代、ジャパン・プロ離脱後の天龍革命時代(鶴龍時代)、天龍離脱後の世代闘争時代、四天王時代、三沢に全権が移った三沢革命時代、馬場さん亡き後の元子さん時代、そして武藤時代と大きく様変わりしているのだ。そうした流れを突き詰めていくと、自ずと刺激的な内容になるのである。

 私が今回インタビューしたのは辛口の職人の目を持つザ・グレート・カブキ、シューティング出身の北原光騎、鶴龍時代後に次代のエースとしてスカウトされて入団した秋山準、馬場時代も鶴龍時代も四天王時代も知らない武藤・全日本の未来のエース諏訪魔の4人。

 その発言を以下、チラッと紹介してみよう。

「ある意味、全日本プロレスは野球の球団的だったよね。馬場さんの考えが野球だから。その部分ではアメリカンプロレス的ではなかったよね」(カブキ)

「(極めっこの練習をやっていたら)“そんなのやるなら受け身の練習やれ!”って怒られてましたもん。ガチンコは小橋、菊地さんと3人でやってました」(北原)

「途中で僕、諦められていました(苦笑)。馬場さんに“あんまり口でプロレスするんじゃないよ”って言われても喋ってましたから」(秋山)

「ドラゴンゲートをケーブルテレビで観たんですよ。あれ、今の時代のプロレスだったら完成されているよね。だけど俺がやるのはこれじゃねぇなと思いましたよ。そうなると鈴木(みのる)さんとの試合は、結構、大事なヒントになるのかなと思うし」(諏訪魔)

 その他、本当はジャイアント馬場を叩き潰そうと思って全日本に参戦した池田大輔、もし潰れていなかったら某U系団体に入る予定だった丸藤正道の証言、かつて馬場に真剣勝負を挑んだ柔道家の岩釣兼旺七段のインタビューも掲載されている。

 こうしてあらゆる角度から全日本、ジャイアント馬場、王道に迫った企画はないはず。ハッキリ言って自信作です!

投稿者 maikai : 15:09 | コメント (5)

2008年10月20日

インディー三昧

昨日は新宿FACEでインディーのハシゴ。まず昼の部はガッツ石島率いるガッツワールドだ。

 ガッツワールドは12月6日で4周年を迎えるが、私にとっては初体験の団体。そこには“小宇宙”が確立されていた。ガッツ石島率いるメタボ軍と田村和宏率いるSTYLE―Eの団体抗争、佐野直率いるグレートプロレスの侵略、一宮章一率いる悪のサンジャポ軍団の存在(TBS『サンデージャポン』が取材に来ていた)などなど、それぞれの試合にテーマを持たせているのだ。

 元全女の今井良晴氏がリングアナをやっていたのにはビックリしたし、元レディース・ゴング編集長で現在はレディース・リング編集長の泉井クンが館内実況をやっていたのにもビックリ。さらにはUインター→キングダム→リングスで活躍し、現在はリングス金原道場を主宰する金原弘光と再会。「実は今日、ウチの道場生が出るんですよ」とのことで、一緒に観戦した。

 新宿FACE2回目の興行となった今大会はビッグマッチということでTAKAみちのく、大ハヤブサ、田中将斗という大物も参加。TAKAはラ・マルクリアーダとタッグを組んでSUZUKI&植松寿絵とのミックストマッチに登場した。男女職人対決となったTAKAvs植松はまったく違和感なし。お互いに攻防を楽しんでいるという雰囲気だった。

 そしてセミには大ハヤブサの登場だ。大ハヤブサが出現したのは2000年6月16日、FMWの後楽園ホール。当時、本物のハヤブサの江崎英治はマスクを脱いでHなる新キャラクターになっていたが、FMW悪の権力者・冬木弘道は冬木&GOEMONvsH&ハヤブサという不可能なカードを組んだ。当然、試合は冬木&GOEMONとHのハンディキャップマッチになったわけだが、Hのピンチに現れたのが大ハヤブサだった。5日後の6・21後楽園では冬木&ミスター雁之助&GOEMON&井上京子vs大ハヤブサ&H&黒田哲宏&リッキー・フジというカードが組まれ、冬木が大ハヤブサのマスクを剥ぐと、そこにあったのは怒り心頭の天龍の顔だったというオチだった。

 その後、大ハヤブサは03年11月20日、WMFの後楽園大会でマンモス佐々木と組んで雁ノ助&非道を一蹴、05年10月27日には後楽園のハッスルハウス10で金村キンタロー&田中将斗に袋叩きにされる安田忠夫を救出するために出現している。初登場から8年半にして今回が5度目…大ハヤブサを観る機会は本当に少ないのだ。

 今回の大ハヤブサのカードはリッキー・フジと組んでの雁ノ助&GOEMON戦。過去に戦った因縁ある相手だ。3年ぶりに登場した大ハヤブサのマスク&コスチュームはブルー。マスク越しに見える目元にはペイントが施されてある。

 とにかくデカイ。最近のレスラーは小さいだけに大ハヤブサの大きさとゴツさは際立つ金原も「うわぁ、やっぱり天龍さんはデカイですね!」と声を上げていた。

 雁ノ助&GOEMONはゴング前から大ハヤブサに殺到して先制攻撃に出たが、大ハヤブサはエプロンからのトペで反撃、そしてマスクを剥がされて“天龍の素顔”が露になるや怒りの攻め。チョップ、グーパンチの乱れ打ちで雁ノ助&GOEMONをふっ飛ばし、最後はグーパンチ→投げっぱなしパワーボム→ラリアットのフルコースでGOEMONをKO! 圧倒的な存在感と迫力を示して、天龍…いや、大ハヤブサは無言でリングを降りた。

 メインでは田中将斗がガッツワールドのホープ、ダイスケに胸を貸した。つい6日前には両国で永田裕志と大勝負を演じた田中だが、こうしたインディーのリングでも全力ファイト。まずは腕を取り、ヘッドロックに取り、足攻めに移行し…という基本的な攻防でダイスケの力量を試した上で垂直落下式ブレーンバスター、パワーボム、スーパーフライ、ラリアット、フィニッシュにスライディングDと技の出し惜しみなし。ダイスケにプロレスをレクチャーしつつ、ファンが望むものをキッチリと出した将斗はさすがだったし、食らいついていったダイスケもよかった。試合後、植松が「やっぱり田中将斗は凄いですね」と試合への姿勢、試合運びの巧さに感嘆していたのが印象的だった。

 夜の部は久々のIWAジャパン。いかがわしく、まったりした独特の空気は健在だった。こちらではケロちゃん(田中秀和)がリングアナをやっていたのはビックリ。

 さて、今大会の目玉は東スポで煽っていたビッグフットの登場。このビッグフットが本物かどうか鑑定するために動物学者で未確認生物をUMAと命名したことでも知られる実吉達郎氏を招待していた。ハッキリ言って、馬鹿馬鹿しいことをここまでやってしまうのがIWAジャパンのいいところなのだ。

 問題のビッグフットは三本線が入ったジャージを履いたゴリラの着ぐるみというのが正解か!? いや、それでは夢がない。とにかく強く、維新力が手も足も出ずにビッグフット(フロントキック)でKOされてしまった。ビッグフットだけでなく、そのエージェントのハルミヤコなる高飛車な美女のキャラもグッド。意外にブレイクしたりして…。

「また遊びに来てちょうだいよ!」と帰り際に浅野起州社長。はい、また来るので、よろしくお願いします!

投稿者 maikai : 11:01 | コメント (1)

2008年10月18日

カブキの視点に注目!

 10月22日(水)に発売されるGスピリッツ第9号のメインテーマ『王道とは何か?』で欠かせない人物がザ・グレート・カブキ。これまでにも第2号の長州特集、第7号の海外日本人特集に登場してもらい、Gスピリッツの常連になりつつある。日本プロレス崩壊後に全日本に移り、若手の教育係を務めるも、あくまでも自身のレスラーとしての拠点はアメリカに置いて、ある意味で一歩離れた視点で全日本を見つめてきた人物だから批判的な目も持っているし、何しろ引き出しが凄いのだ。Gスピリッツが情報誌ではないからこそ、その引き出しを今、開けられるのだと思っている。

 81年8月にダラスでお会いして以来、カブキさんは私のプロレスの先生でもある。私はカブキさん、馬場さん、佐藤昭雄さんによってプロレスのセオリーや“プロレスを提供する側”の視点を教わった。

 今回のカブキさんへのインタビューは約2時間。全日本プロレスのベースはアメリカン・プロレスだと言われているが、ではアメリカン・プロレスとはそもそも何なのかというところからスタートして、いろいろ話を聞かせていただいた。1970年に22歳でアメリカ・マットに立ったカブキさんの言葉には含蓄があった。

 また全日本と新日本はなぜスタイルが違ってしまったのか、馬場、鶴龍、四天王について聞いたが、これまたプレイヤーとしての視点でかなり辛口。「同じプロレスラーから見ると、こういう評価になるのか?」とちょっと驚かされた。

 これは全日本ファンに限らず、本当に多くの人に読んでいただきたいと思う。

投稿者 maikai : 12:13 | コメント (0)

2008年10月17日

久々のハッスル

 昨日は後楽園ホールでハッスル。私にとっては8・21後楽園以来、約2か月ぶりの生ハッスルだった。

「これもあり!」と、どちらかというとハッスル肯定派の私だが、どうしても拭えない違和感。久々に観て分かったのは、ハッスルにはプロレス特有の“裏読み”の楽しみがないのだ。キッチリと構成された世界だから、目の前に提供されるものをそのまま観て、面白いか、面白くないかだけ。ああでもない、こうでもないとこねくり回す余地がないところが違和感につながっているのだと思う。

 ということで素直に観たままの感想を書くと、印象に残ったのはダンプ松本、謎の空手少女KG(空手ガール・珠里)、天龍源一郎、ゼウスの4人。

 ダンプ松本の存在感はピカ一。それも“懐かしのレスラー”ではなくリアルタイムの存在感だ。やはり自分のキャラクター、世界を確立しているレスラーは違う。やはりプロレスラーは絵にならなければトップを取れないのだ。そんなことを改めて感じさせてくれた。

 喫茶店の美少女という設定で登場した空手少女KGは10・26栃木でHG、RGと組んで鬼怒川三人衆と戦うことが決定したが、チラリと披露した空手ムーブは説得力があったし、ファンの心を掴みそうな気配。いきなりスター誕生があり得るのはハッスルならではで、男子レスラーでも超新星が出現してほしいものだ。

 7・6福岡のボノ戦から不調続きの天龍はようやく復活ロードをスタートさせた。ハッスル劇場に愛娘の紋奈ちゃんまで登場したのはビックリしたが、そこまでハッスルに懸けるものが天龍にはあるのだろう。これから先、天龍がハッスルという世界で自分をどう表現していくか注目したい。

 最後にゼウス。かつてはハッスルの空気に合わず、何をやっても観客は無反応という状態でどうなるものかと思っていたが、ようやく認知されてきた。元々、力のある有望な若手だけに一度波に乗ってしまえば一気に駆け上がることも考えられる。案外、このゼウスが今後のハッスルのカギを握る男になるかもしれない。

投稿者 maikai : 12:36 | コメント (0)

2008年10月16日

馬場さんのベーッ!

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 10月22日(水)発売のGスピリッツ第9号の表紙と主な内容を公開します。

 今回の特集は全日本プロレスのスタイルについて。『王道』とは何かについて掘り下げてみた。これはかつて週刊ゴングの全日本担当記者だった私にとっては取り組んでみたかったテーマ。張り切って様々な選手に取材して、共に全日本プロレスを語り、面白い話を聞きだしたので期待していほしい。

 で、表紙の馬場さんの表情に注目。今回の記事、インタビューは、思わず馬場さんが「ベーッ」と舌を出してしまうような内容だ!…ったりして。

【特集】『王道』とは何か? 王者たちの知られざる実像、異端児から見た功罪、現役選手の苦悩…。全日本スタイルの正体に迫る!

★ザ・グレート・カブキ=全日本の歴代トップを斬る!

★丸藤正道=NOAH所属の世界ジュニア王者

★諏訪魔=馬場も三沢も知らない次代のエース

★秋山準=『格の時代』と『三沢革命』

★北原光騎=鶴龍時代のシュート事情

★池田大輔=純プロレスの是非を問う

【クローズアップ】
★柴田勝頼=バックボーンはプロレス

★岩釣兼旺=馬場に真剣勝負を挑んだ柔道家

【特別企画】
★Uの源流を探る(後編)
カール・ゴッチとキャッチ・アズ・キャッチ・キャン

【連載】
★Talk about a million secrets of BUMP
鶴見五郎=ツルティモ校長の極悪ヒール道

★アリーバMEXICO=敗者髪切りマッチの実態

★渋澤恵介の世界ふしぎ再発見
「ブロディ刺殺事件の現場を訪ねて」

【付録DVD=伝説のスーパースター特集】
“怪人”ザ・シーク、“殺人狂”キラー・コワルスキー、“生傷男”ディック・ザ・ブルーザー、“野生児”バディ・ロジャース、ほか。


P.S.コメント欄にたくさんのお悔やみのメッセージをいただき、ありがとうございました。皆さんのお気持ちは私自身の胸に受け止め、敢えてこのサイトにアップしなかったことをご理解ください。また、久しく会っていない米国の友にもありがとうと言わせていただきます。

投稿者 maikai : 15:22 | コメント (0)

2008年10月15日

父への感謝

 まず初めに8日間もダイアリーを更新できなかったことをお詫びします。

 さて、私は基本的にこのダイアリーではプロレス関連のことを書くようにしている。たまに旅行や日常のことも書いたりするが、47歳のおじさんのプライベートを書いたところで面白くないだろうと考えているからだ。だが、今日は敢えて、極めてプライベートなことを書かせてもらう。

 10月7日、父が他界した。73歳だった。身内・親族だけで12日に通夜、13日に葬儀を執り行い、ようやく気持ちが落ち着いたので、今日、こうしてダイアリーが書けるようになった。

 父が体調を崩して入院したのは6月30日。そしから他界するまでの100日間、いろいろなことを考えさせられたし、大切な時を過ごすことができたと思っている。

 私は20歳の時に実家を出て独り暮らしを始めたので、それから25年以上も父とゆっくり話をしたことがなかった。だが、病院への検査の行き帰りの車中、父子ふたりきりで2時間以上もゆっくりと話すことができたし、子供の頃にしてもらったお返しにおんぶすることもできた。

 歳が離れた妹、弟とも初めて大人としての話ができたような気がする。私が忙しい毎日を送っている間に彼らは大人になった。振り返れば、私は兄としての役目を果たしていなかった。それが少しでも取り戻せたとしたら嬉しいし、これからはちゃんと兄として彼らの力になりたいと思う。

 これまた忙しさにかまけて不義理をしっぱなしだったにもかかわらず、山梨の小佐野本家の人たちの優しさ、温かさに触れた。申し訳なさと感謝の気持ちでいっぱいだ。そうした中で、今さらながら自分が小佐野一族のひとりなんだということを強く自覚した。

 そして仕事に対しても、改めて職業意識が芽生えた。入院した日に医師から余命宣告を受けたが、その数時間後には『S-ARENA』で三田さんと笑いながら話をしていた。「これが俺の仕事なんだ」と思った。

 父の残された時間と目の前にある仕事…看病と仕事の両立は精神的にも肉体的にも辛いものがあったが、オファーがきた仕事は全部引き受けたし、関係者には心配・迷惑をかけるので黙っていた。

 父が他界した日、翌日締め切りの原稿を書いていたが、それもきっちり仕上げたし、通夜前日は全日本GAORA中継の解説と世界タッグ選手権の立会人代理。鈴木みのるに絡まれたのだって仕事の内だ。葬儀の日は斎場から新日本の両国国技館に駆けつけ、さらに『S-ARENA』にも出演した。昨日も締め切りの原稿を完成させた。これが私の生業である。何があっても仕事に穴を開けてはいけないのだ。

 理由はわからないが、そうやって仕事をきっちりやることも親孝行になるような気がした。4年前にフリーになってから、父は私の仕事ぶりをさり気なく気にしていたようだ。ひとつ言えるのは、父がプロレス好きでなかったら、私はこの道に進んでいなかっただろうということ。

 正直、父との間にはいろいろなことがあった。でも、最後にはちゃんと向き合えたし、家族や親戚の人たちとも向き合えたと思う。仕事についても考えることができた。自らの命をもって私にいろいろなことを考える機会を与えてくれた父には感謝の気持ちでいっぱいだ。

 今日だけは思いっきり私的なことを綴るのをお許し願いたい。

 お父さん、ありがとう。

投稿者 maikai : 16:35 | コメント (0)

2008年10月06日

ノアに熱!

 健介がGHCヘビー級王座を奪取し、丸藤が全日本の世界ジュニア・ヘビー級王座を奪取したことで、俄然、ノア・マットが熱を帯びてきた。

 昨日の後楽園ホールにおける開幕戦でも各選手の思惑が交錯して、一種異様な空気が充満していた。10・25日本武道館で世界ジュニア戦を戦う丸藤とKENTAはタッグで前哨戦。共に先発を買って出て、出し惜しみのない真っ向勝負。試合後には10・13広島でKENTAの挑戦を受けるGHCジュニア・ヘビー級王者のブライアン・ダニエルソンもベルトを持ってリングに躍り込む。ブライアンにしてみれば、武道館ばかりがクローズアップされる中で「俺のタイトルマッチを忘れるな!」という思いだろう。

「やっぱり緊張感がいつもと違う。いい意味で緊張感を維持して、必ず(GHCジュニアの)ベルトを巻いて武道館に上がりたいですね。広島をまずキッチリ。そこしか考えてないです。ただ、一番いい状態で武道館のリングに上がるためには広島で負けられないってことですよ。GHCジュニアと世界ジュニアのダブル・タイトルマッチ? それはファンが望む方に。世界ジュニアは獲ったら返上します。思い入れがないので。思い入れがあるのは丸藤正道なんで。たくさんの人に来てほしいなあ。のはあはいつまでも三沢、小橋じゃないという新しい大事な試合だと思っているから。06年のベストバウトのプレッシャー? ないです。100パーセントを出すだけです」とKENTA。

 世界ジュニアを奪われた全日本からはカズ・ハヤシがノア初登場を果たし、青木篤志の閃光十番勝負第6戦の相手をした。青木の腕攻め、サブミッションに対して同じフィールドで勝負したカズは「彼の腕へのこだわりのスタイルには凄く共感できる。同じ目標を歩んでいる気がする」と、ノアの若武者相手に試合をエンジョイ。最後はファイナルカットで完勝したが、対する青木の対応力も見事だった。キャリア3年に満たないのに大ベテラン相手に肝の据わった試合運び…その差は引き出しの中身のレパートリーだけという感じだった。なお、世界ジュニア奪回についてカズは「準備はいつでもできているけど、近藤選手の入団してまで取り戻したいという意志だけは汲んであげたい」とした。

 メインでは健介と秋山が6人タッグで激突。現時点で健介への挑戦者が決まっていないだけに注目されたが、そこに割り込んできたのが10・25日本武道館で秋山&力皇の挑戦を受けるGHCタッグ王者のバイソン&彰俊。丸藤vsKENTA、未だ発表されない健介の防衛戦が話題になる中で「武道館、今ツアーの主役は俺たちだろう!」というアピールである。そしてバイソンと秋山は“タッグ戦後のGHCヘビー級への挑戦”をぶち上げ、健介は「誰でもいいから、わかりやすくアピールしてこい!」と宣言。ヘビー級戦線もジュニア同様に熱くなってきている。

 各選手が各々の気持ちを言葉や行動でストレートに発散し始めたノア・マット。ノアは今、旗揚げ時の「主張したいことはドンドン主張するべき。ただし自分の発言、行動には責任を持つように」という原点に立ち返っている。

投稿者 maikai : 09:28 | コメント (0)

2008年10月02日

交流戦なのか? 対抗戦なのか?

 新日本のIWGPヘビー級が全日本の武藤に、全日本の世界ジュニアがノアの丸藤に移動。また王座の移動はなかったものの、ノア・9・27大阪では新日本の裕次郎&内藤哲也がGHCジュニア・タッグに挑戦したし、新日本10・13両国では永田がゼロワンMAXの世界ヘビー級王者・田中将斗に挑戦する。

 もはやボーダーレス…何となく大連立のようなムードが漂い始めているが、どうやら各団体の思惑には温度差がありそうだ。今週号の週プロではノアの仲田龍統括本部長が、新日本が来年1・4東京ドームをオールスター戦にしたいという意向を示しているのに対してNOという見解を示しているし、世界ジュニア王者になった丸藤は全日本の思惑に関係なく、ノア10・25日本武道館におけるKENTA戦を初防衛戦にしたいと発言した。

 私はもちろんオールスター戦は結構なことだと思うが、それは特例のお祭り。他団体同士の戦いは交流戦ではなく、あくまでも対抗戦であるべきだと考えている。交流戦は「ウチもおたくも苦しいし、協力し合いましょう」というニュアンス。そこに緊張感のある戦いが生まれるとは思えないし、他団体に助けてもらおうというのは虫がよすぎる話。もともとは商売敵なのだ。その「あそこには負けられない!」という感情がスリリングな試合を生み、団体間にピリピリしたムードが生まれるのだと思う。だからこそ、観る側も熱くなるのではないか。

 表現は悪いが、かつて新日本の様々な団体と絡みながら、相手を潰す、あるいは吸収しようというエゲツない戦略は正解だと思う。ビジネス的に合意したとしても所詮は商売敵。新日本はそれをわかっていて、最終的には物事を優位に進めていた。つまり行き着く先は戦争なのだ。

 だからノアが世界ジュニアを全日本のリング&選手ではなくノアのリング&選手でやろうとするのは正しい。他団体にベルトを持っていかれるということは、道場破りに看板を持っていかれるのと同じ。取られてしまったら、それを相手にどう使われようと文句は言えないはずだ。他団体の選手相手にベルトを賭けるなら、そのくらいの覚悟を持って臨むべきである。私が世界ジュニアを奪われた土方隆司を評価するのは、彼がそうした自覚を持って丸藤戦に臨んでいたからである。

「90年代の女子プロレスのようになりそうで…」という書き込みがあった。私も同意見だ。女子オールスター戦、対抗戦(という建前の交流戦)は盛り上がったが、その後は各団体ともに“他団体の選手が出場して当たり前”という意識がファン&プロモーターに定着して苦労した。一番大事なのは各団体が地力を持っていること。地力と勢いがあってこそ「今こそウチの力を見せつけてやる」「あそこを飲み込んでやる」という他団体との絡みであり、救ってもらおうと思って他団体に接触したら自滅してしまう。基本はあくまでも団体内での戦い。他団体との絡みは本当にスペシャルであるべきだろう。

 最後に全日本でジュニアのタッグのベルトを新設してもいいのではないかという書き込みがあったが、私は、新たなタイトルを創るよりも、世界ジュニアという全日本ジュニアの看板を取り戻すことが先決だと思う。極端な話、ベルトが戻ってこなくても文句は言えないのだから。

 

 

投稿者 maikai : 11:04 | コメント (4)