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2008年07月29日

火祭り&ハッスルGP

 昨日、更新できなかったので、遅ればせながら27日の火祭り開幕戦=後楽園、ハッスルGP=横浜文体について書こう。

 火祭り開幕戦は本当に熱かった。この大会は出場選手だけでなく、その空間にいる選手全体を高揚させるようで、第1試合の小幡VS斎藤からグーでガンガン殴り合う熱闘に。本番の公式戦では、かつての師匠・大谷を攻略した真壁が「客、レスラー、マスコミ…勘違いすんなよ。火祭り? ナニ言ってんだよ。俺にとっちゃ火遊びなんだから勘違いすんなよ、おめぇら。大谷に言っとけ、今と昔は変わってんだよ。かわいそうなくらい変わってんだよ。昔の頑張り屋の後輩なんて、とうの昔に捨てちまったんだよ。この俺の存在で、てめぇらの存在を消してやる。アウェーこそ、俺のグランドだ。おい、ゼロワン! てめぇら、束になったって俺を倒せねぇ。これが現実なんだよ」と、例によって見事な間合いで吠えれば、中西と30分時間切れになった田中は、それでも「俺が頭ひとつ抜けている。総合力では俺が一番。去年優勝した俺より、今の俺の方が凄いねん!」と自信を口にした。

 田中の自信発言は強がりではない。この1年間の積み重ねに裏打ちされた確信だ。田中は去年の火祭り優勝後に天下一ジュニアにも優勝したし、常にゼロワンMAXのエースの看板を背負って、どんな場面でも先頭を切ってきた。「火祭りだけ頑張ればいいってもんやない。俺は毎日が火祭り!」という言葉に嘘はなかった。常に高いモチベーションで戦い続けてきた田中だからこそ発せられる言葉なのだ。

 さて、ハッスルGPの方は横浜文体で1回戦が終了した。これまで髙田モンスター軍にハッスル軍が挑むというファイティング・オペラ…つまり、様々な話題、ネタ、ストーリーが織り込まれたファンタジーの世界を演出してきたハッスルだが、今回のGPは軍団の垣根を取り払った勝負本位のトーナメント。それぞれの公式戦に何かしらのトッピングがあるにせよ、最終的にはリングへの2人の力量と、勝敗が重要になってくる。つまり本来のプロレス力が試されるのである。

 この横浜文体で印象に残ったのはアン・ジョー司令長官と長尾銀牙の師弟対決と、メインで行われた坂田とTAJIRIのハッスル同門対決。

 アンVS長尾は、アンがシビアに長尾を攻め立てた。だからこそ、それを乗り越えて勝利した長尾を観客は祝福したのだと思う。シビアな攻めと、試合後の握手はアン…つまりは安生のリアルな部分だったはずだ。実際、長尾はあの巨体でよくぞ空中殺法をマスターしたと思うし、随分緊張していたものの、アンの猛攻をしのいだことで心も強くなったはず。自らマスクを脱いだ長尾浩志が2回戦でボノちゃんにどう挑んでいくか、ここが正念場になる。

 坂田とTAJIRIの同門対決のテーマは「プロレスは、強さだけではない」というもの。「喧嘩なら負けるけど、プロレスだったら確実に坂田さんをフォールできます」と公言していたTAJIRIが駆け引きや返し技を駆使して坂田を追い詰め、最後は坂田がそうしたトラップの数々をぶち破って勝利したわけだが、25分近くの長期戦にもかかわらず、観客を飽きさせなかったのは立派だった。

 ハッスルにはプロレスファンだけでなく、バラエティショーを観る感覚で来ている人も少なくない。そうした人たちに「プロレスって面白いんだね」と感じさせられたとしたら、これは大きな収穫。ハッスルだって、最終的に何を見せるかといったら、それはプロレスなのだ。坂田の2回戦の相手は越中詩郎。ハッスルのエースに君臨する坂田が越中とどんなプロレスをやるのかは見ものだ。

 火祭り、ハッスルGPの他にも全日本ではジュニア・ヘビー級リーグ戦が開催されているし、新日本ではG1クライマックス、ノアではジュニア・ヘビー級タッグ・リーグ戦がスタートする。プロレスは正面からだけでなく、後ろからも横からも斜めからも、あるいは裏からも楽しめる。だから「プロレスの醍醐味は勝敗だけじゃない」と言われる。だが、その根本はやっぱり勝ち負けの行方だ。どっちが勝っても負けても関係ないならタイトルマッチもいらないし、成立しなくなる。まずは勝敗…でも勝敗だけがすべてではないというのがミソなのだ。だから観る者にとってプロレスは面白いし、選手たちにとっては難しい。

投稿者 maikai : 2008年07月29日 14:13

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