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2008年03月31日

中邑スタイル

 昨日は後楽園ホール昼夜2連戦。昼はドラディション、夜は新日本プロレスだった。順番から行けばドラディションだが、やはり夜の中邑真輔VS棚橋弘至のIWGP戦について書きたい。1・4東京ドームで棚橋から中邑に王座が移動したばかりだが、棚橋は春の祭典NJCを勝ち上がり、現時点での新日本のトップであることを実証してリマッチ=挑戦権を掴んだ。シチュエーション的には最高だ。

 後楽園ホールは超満員。立ち見客が膨れ上がっている光景は久しぶりのような気がする。振り返ると、去年のNJC決勝の永田VS真壁あたりから後楽園ホール大会に熱気が戻ってきた。あれから1年…この熱が両国、東京ドームまで波及することを願いたい。

 さて、注目のタイトルマッチは…私的には1・4東京ドームより見応えがあった。共に自分の技を大切にして、試合のペースを自分に引き寄せようという感じでいたずらに大技を出すことはない。たとえば、開始5分過ぎまでの段階で王者・中邑はヘッドロックを中心に試合を組み立て、出した技は基本のボディスラムぐらいなものだった。

 先に試合を転がしたのは棚橋。巧みに足攻めでペースを掴んでテキサス・クローバー・ホールドの布石を打つ。中邑が雪崩式ランド・スライドを狙えば、棚橋はそれをパワーボム、だが中邑は下から三角締め、その三角締めをテキサス・クローバー・ホールドに切り返す棚橋…といった高度な読み合いも展開された。

 最後も見応え十分。棚橋はスリング・ブレイド2連発、ハイフライフロー、中邑もランド・スライドと決め技を出したが決まらない。奥の手として巻き込み式の飛びつき腕十字を決めにかかった中邑だが、これを見切った棚橋は丸め込み、決まらないと見るや、すかさずジャパニーズ・レッグロールに入ったが、カウント2で中邑が腕十字に切り返す。私は腕十字というフィニッシュは好きでなないのだが、この中邑の切り返しはビシッと決まった。文句のないフィニッシュだった。

 正直な話、私は、今まで中邑真輔に魅力を感じていなかった。それは中邑をプロレスラーとしてイメージしにくかったからだ。だが、この棚橋との防衛戦を見て、腕十字でも様々な表現ができるのだなと感じた。今後、世界や他団体にも目を向けるというが、その中で「一番すげえのはプロレスなんだよ!」という言葉に説得力を持たせられるようなオリジナルの中邑スタイルを築いていってほしいと思う。

投稿者 maikai : 13:01 | コメント (0)

2008年03月30日

ノアのタッグリーグ戦開幕

 ノアの『グローバル・タッグリーグ戦』がスタートした。昨年はジュニア・タッグリーグ戦、GHC次期挑戦者決定リーグ戦、GHCタッグ王座決定リーグ戦を開催して地方でのカード強化をしたノア。今回のタッグリーグ戦は年間の恒例行事として定着させたいようだ。

 開幕戦となった昨日の後楽園ホールはいいムード。このところSEMでやり合っている伊藤と山口のノアVS健介オフィス若手対抗戦が第1試合に組まれたこともあって、いきなり会場は熱気ムンムン。私にしてみれば、何だか全日本プロレスにジャパン・プロレスが乗り込んできた時のような活気を感じる。山口竜志だけでなく、2月にデビューした起田高志、宮原健斗も新人とは思えない体力と技量を持っているから今後の若手戦線が楽しみ。今、ノアの中で谷口、青木、伊藤に差をつけられてしまった感がある平柳と太田にVS健介オフィスできっかけを掴んでほしいと思う。

 タッグリーグ公式戦は2試合。まずは健介&勝彦VSディーロ&ブキャナン。かつて全日本マットで戦っているから知らない間柄ではない。健介&勝彦にとっては、やりやすい初戦だったはずだが…ディーロ&ブキャナンはやっぱりメジャーリーガーだった。体がデカイ、パワーがある、当たりも強い、動きも速い、そして巧い! 昨年5月にノアに初参戦した時には、全日本のROD時代のようなファンの支持がなくてどうなることかと思ったが、10月にGHCタッグ王座を奪取して実力を証明し、10・27武道館で丸藤&杉浦にベルトを奪われた試合で完全にノア・ファンに認知された。昨日の後楽園ホールでも、ちゃんと観客とコミュニケーションを取っていたから全日本時代の経験は無駄ではなかった。最後はブキャナンが健介のノーザンライト・ボムに敗れたものの、私は敢えてこのディーロ&ブキャナンを優勝候補に推したい。

 メインは森嶋&ヨネVS秋山&力皇。これは去年の4・1後楽園の再戦でもある。その時はGHCタッグ王者の森嶋&ヨネに秋山&力皇が挑戦して、秋山組が王座奪取に成功している。結果から書いてしまえば、今回も秋山組が勝った。ハッキリ言って、セミの健介&勝彦VSディーロ&ブキャナンの方がいい試合だったと思うが、このメインもハードな戦い。森嶋とヨネは爆弾を抱えている力皇の首を徹底的に狙ったし、また新GHC王者・森嶋が試合の途中から右腕を気にし始めて、試合後には医務室に直行している。各選手が体を張った過酷なリーグ戦になることを予感させるような試合だった。

 やはり注目は健介&勝彦絡みのカードになると思うが、どれもタッグ選手権と言っていいようなカードばかり。今日の越谷・桂スタジオでは、早くも健介&勝彦と現GHCタッグ王者の丸藤&杉浦が激突する。

 
 

投稿者 maikai : 09:21 | コメント (0)

2008年03月28日

金村キンタロー復帰について

 昨日のメビウス新宿FACE大会で金村キンタローが復帰した。今回、金村に復帰の場を提供した折原昌夫に対して批判の声が相次いだ。これは当然だと思う。ただ、折原が自分の興行の話題作り、金儲けのために金村をリングに上げるのはいかがなものかという批判はちょっと違うと私は思った。私が知っている折原はそんな人間ではないからだ。だいたい当たり前に考えれば、金村を上げるのは興行的にむしろリスクを背負うことになる。誰がわざわざそんなことをするだろうか。試合前、控室の通路で折原とバッタリ顔を会わせた。

「いや、いろいろ言われるのは承知の上ですよ。最初に金村を上げる団体は絶対に叩かれるでしょ。だから、本当は金村を上げたいと思っている団体もあるはずなのに二の足を踏むんですよ。あいつはね、1年も試合しないでいたら駄目になっちゃうんですよ。今日、試合前、俺も一緒にリングに上がってお客さんにお詫びしますから…」
 と折原。是非はともかく、折原は過ちを犯した友人を社会復帰させたいの一念だったように思う。ただ、試合後に批判的なファンに対して挑発的なコメントを発したのはいただけない。それは「わかってほしい」という意味なのだろうが、そうやっていらぬ誤解を招いて、これまで損をしてきたではないか。折原の純粋さ、一本気な性格を知っているだけに、くれぐれも誤解を招くような言動、行動は慎んでほしいと願う。

 金村は終始、神妙だった。ちょっと痩せていた。私は、金村に反省はあると思うし、折原への感謝もあると思う。被害女性と示談が成立したのなら、遅かれ早かれプロレスラーなのだから試合をするという流れになっていたはずだ。

 だが、それでも、業界に及ぼした影響を考えれば、やっぱり早過ぎる復帰だったと言わざるを得ない。アパッチプロレス軍だって活動を自粛しているのだ。少なくともアパッチが活動を再開し、アパッチのメンバーが受け入れてくれて、最初にアパッチのリングで活動を再開するというのが筋ではなかったか。この復帰を、様子を窺っていた他団体はどう見たか? 今回の“早過ぎる復帰”によって、金村は逆にいばらの道を選んでしまったかもしれない。

投稿者 maikai : 09:25 | コメント (3)

2008年03月27日

SEMに集まるエネルギー

 今、プロレスリングSEMが面白い。元々はノアの若手のための大会だったのが2月から他団体に門戸を開放し、まず健介オフィスが参戦。若手による対抗戦という形になって、とにかく熱いのだ。

 昨日の第11回大会では青木が第1試合で健介オフィスの起田をぶっ潰し、第2試合では石森&谷口VS南野&宮原という形で、かつて闘龍門Xでしのぎを削った石森と南野が火花を散らした。メインでは3月5日の第10回大会で20分時間切れ、5分延長時間切れの熱闘を演じたKENTA&伊藤と中嶋&山口が再戦。伊藤が山口をドラゴン・スープレックスで破り、24分50秒の戦いを制した。

 だが、熱いのは対抗戦だけではない。杉浦VS太田、丸藤VS平柳のノア内の先輩VS後輩は、熱い…というより凄かった。もう、ほとんどかわいがりなのだ。杉浦は太田に何もさせず、ダウンすれば「立て!」と踏み潰して、最後は後頭部にフルスイングのキックをぶちこんで終わり。丸藤も普段の華麗なファイトではなく、張り手、踏みつけ、強引にマットにねじ伏せる体固め…と、エゲツないファイト。あの平柳が悪党ファイトをする余裕がまったくなかった。そして最後はヘッドロックでねじり上げて終わりだ。

「下で健介オフィスの起田クンが見ていたので、甘っちょろいことはできないなと。いや、平柳とは高校時代にレスリングで2回ぐらい対戦しているんですよ。俺は18歳でこの世界に入って、あいつは遅れて入ってきたけど(高校卒業後、サラリーマンを6年やった後にノアに入門)年は一緒。あいつは俺をどう思っているのか…追いつこうと思っているのか、追い越そうと思っているのか、このままでいいと思っているのか。もっと早く潰そうと思えば潰せたけど、裏で言ってもわからないので、お客さんの前で俺はあいつにメッセージを送ったつもりです。あれが今の俺と平柳の差ですよ。これからどれくらいの勢いで、どれくらいの時間で成長するのか…今日のお客さんに次のシリーズでも、その次のシリーズでも成長を見せろと。平柳のヒール? まだ俺の方が悪いでしょ。ワルだって探究していけば、それはそれでいいんですよ。中途半端が一番悪い。俺をワルできりきり舞いさせられるならやればいいし、できないなら方向転換は今のうちですよ。今、若手の間で差がつく分岐点にきているでしょ。そこで何をすべきかですよ。プロなんだから、俺たちの厳しい練習をクリアーしてデビューしたんだから、その頃の気持ちを思い出せって。最後の決め技? ヘッドロックだって決め技になるってことです。俺もそうだけど、若い頃は技を考えたり、大技を使いたかったりするんだよね。俺の場合は世渡り上手だったから、すいすい来ちゃったけど、平柳は俺と違って真面目で世渡り下手だから、しっかりやった方がいいんですよ」
 と丸藤は厳しいファイトを語った。そこには高校で同期だった平柳への気持ちもあるし、セコンドで見ている健介オフィスの選手に見せつけてやるという気概もあった。健介オフィスだけではない。この日のセコンドには、昼間に道場に練習にきていた柿本大地以下、DDTの若手の姿もあった。

 今、SEMの世界には団体の枠を超えて若いレスラーのエネルギーが集まってきている。そのエネルギーは今後のプロレス界の大きなパワーに転換されるはずだ。

投稿者 maikai : 10:14 | コメント (0)

2008年03月24日

Gスピリッツが目指すものは…

 すでにモバイルGスピリッツで告知され、アマゾンなどのネットショップでも明らかにされているが、Gスピリッツ第6号の発売が4月16日(水)に決定した。言い訳させてもらえば、このところダイアリーの更新が不定期になっているのは、Gスピリッツ用の様々な仕込み、取材、原稿書きがスタートしているから。本当は昨日のゼロワンMAXの靖国プロレスにも行きたかったのだが、原稿を優先させた。

 前回の第5号の発売は1月12日。3ヵ月以上も間隔があいてしまい、それまで毎月楽しみにしてくれていた方々には申し訳なく思う。その分、僕たちGスピリッツにかかわる人間は充実した本を提供したいと思っている。

 私は、Gスピリッツに競合誌はないという感覚でいる。週刊プロレスともGリングともまるっきり方向性が違う本だからだ。極端に言ってしまえば、共通点はプロレスを取り上げているということぐらいか。いち早く情報を知りたければネットもある、新聞もある、週刊プロレスがある。そちらでどうぞと言うしかない。

 では僕たちGスピリッツが目指しているものは何か? 「今のプロレスが載っていない懐古趣味の本」という声もある。そういう人たちはちゃんと読んでくれていないのではないかと思うし、そう受け取られたとしたら、それは僕らの力量不足でもあるのだろう。

「あの時代はよかった!」「昭和はよかった!」がテーマではない。あの時代のプロレスはなぜ熱かったのかを、今の視点に立って考察することに僕たちは重きを置いているのだ。そこに必ずや未来のプロレスのヒントがあるはずだから。

 また、物凄いスピードで過ぎていく時間の中で忘れ去られたり、埋没してしまったものの、実は気になっていた試合や事件を独自の視点で発掘することも大事な作業だと思っている。その時には見えなかったものが、時間を経た今だからこそ見える、あるいは明らかにできるということもある。そうやってプロレスを深く味わえる材料を提供したいのだ。

 Gスピリッツはプロレス情報誌ではなく、プロレスを考える専門書。とはいえ、もちろん作り手の自己満足では本はもたない。でも、こういうコンセプトで、本として丁寧に作られたプロレス専門書があってもいいのではないかと私は勝手に思っている。4月16日…ご期待ください。

投稿者 maikai : 11:42 | コメント (2)

2008年03月21日

ドラゲー大田区大会の3人のドラマ

 昨日の大田区体育館大会はドラゴンゲートの2008年初のビッグマッチ。見所はいくつもあったが、ここでは3人のレスラーについて書きたい。エルブレイザー、谷嵜なおき、石森太二。根っこが闘龍門の3人…谷嵜は会社の体制が変わったドラゲーにも上がっていた。

 かつて闘龍門XでミニCIMAを名乗っていたエルブレイザーはPACと組んでツインゲート統一王者の新岩相手に初のドラゲーでのファイト。どんなに難易度が高い空中殺法でも滅多にミスをしないエルブレイザーが飛距離が短かったり、ロープの上でバランスを崩したりと失敗を連発。初めてのリングということでロープの太さ、弾力などが計れなかったのもあるだろうが、やはり相当のプレッシャーがあったのではないか。試合はPACがアラケンに押さえられて、白星を飾ることはできなかった。

「付いていけないです。僕が今までやってきたことは何なんだろう。凄く速いし、巧い。取り残された人間は、所詮、取り残された人間なのかなと悲しくなりましたね。今は、またこのドラゴンゲートに出たいという気持ちが大きいです」
 と、傷心のエルブレイザー。だが、かつて神戸の道場で鬼教官をやっていたアラケンは、
「僕の中では感傷的な気持ちが抜けないままの試合でしたね。神戸の道場で流した汗は血よりも濃いってことですよ。時間さえあれば、いつでもこのリングに来てほしい。いや、来てください…敬語ですね。だって昔は練習生だったかもしれないけど、今、彼は独りでゼロワンMAXさんとかで立派にやっているわけですから、それは凄いことですよ。業界内では未だにヤンチャだって聞きますけど(苦笑)、大人になりました」
 と、素直にその成長を喜んでいた。

 谷嵜の場合は1年8ヵ月ぶりの出戻りだけに観客の反応も微妙。前回の後楽園で噛みついてきたYAMATOをインプラントで下したが、客席は爆発とはならなかった。

「僕がこのリングに上がること、YAMATOが拒絶するのはわかります。お客さんの中にも納得していない人もいると思います。だけど俺はこのリングで死に物狂いで戦っていきます。また一からやり直したいと思います」
 と試合後にマイクで挨拶。控室でも、
「言いたいことはいっぱいあるけど、リング上で見せていきたいと思います。よろしくお願いします」
 とコメントするにとどまった。YAMATOへのタッグ結成呼び掛け、その一方での斎了からのラブコール。プロレスに悩んだ末にドラゲーに戻ってきた谷嵜には、今、新たな運命が押し寄せている。

 そして最後にプロレスリング・ノア代表としてKENTAと共に鷹木信悟&B×BハルクのGHCジュニア・タッグに挑戦し、見事に王座奪取に成功した石森太二だ。

 石森は闘龍門Xのエースだった。闘龍門ジャパンが揉めずに体制が変わらなければ、石森は今現在、かなりのポジションにいたと思われる。ところが体制の激変に伴って石森はドラゲーに上がることなく、エルドラドのリングに上がった。そしてノアに触れたことでエルドラドを退団、フリーとしてノアに上がってきた。ノア所属になったのは今年に入ってからだ。紆余曲折あっただけに、このドラゲーに上がるにあたってはエルブレイザー、谷嵜とは違った複雑な気持ちがあったことだろう。

「ドラゴンゲートに上がるのは、これが最初で最後だと決めていたので、ベルトが獲れてよかったです」
 と試合後の石森。だが、その表情に喜びはなく、
「相手の2人はとても自分より後輩とは思えませんでしたね。お客さんが満足してくれたとしても、自分では納得してないです。存在感ではあの2人より負けていましたから。自分の持ち味を出せないままの試合でした」
 と唇を噛んだ。

 エルブレイザー、谷嵜なおき、石森太二。誰ひとりとして自分の試合に満足していなかった。それだけドラゴンゲートに対する特別な感情がそれぞれにあるのだ。

投稿者 maikai : 12:31 | コメント (0)

2008年03月18日

3月の天龍

 昨日のサムライTVはハッスルハウスの生中継のために『S-ARENA』はいつもより1時間遅れの午後10時スタート。9時過ぎにスタジオ入りすればいいので、ナマでハッスルハウスを観ようと後楽園ホールへ。結局、HG&崔VS天龍&RGのセミハッスル終了まで観ることができた。

 今の私はハッスル特有の会場の空気に違和感を感じない。お客さんに「楽しんでやろう!」というハッピーなエネルギーがあるのがいい。ハッスルの世界を丸ごと楽しめばそれでいいのだ。

 オープニングの川田と崔の歌対決というお楽しみもあれば、第1ハッスルではTAJIRI、KUSHIDA、チエの軽快なプロレスがあり、そこにゲストとして8歳のカンフーくんがいる。安生VSバボでは、安生がグランドでバボの鼻と口を塞いで呼吸をできなくするという、道場のスーパーリングではよくある厳しい攻撃にどよめきが起きた。セミハッスルのテーマはHGとRGの喧嘩。芸人同士のプロレスである。そうした諸々の要素すべてがハッスル。プロレスを中心に置いたエンターテインメントという意味では、こなれてきたと思う。

 さて、やはり注目は天龍だ。この3月は天龍にとって充実していたに違いない。1日の全日本・両国で32年前にプロレスのイロハを教わったドリー・ファンク・ジュニアと戦い、13日のリアルジャパン後楽園では初代タイガーマスクと初対戦。そしてこのハッスルではお笑い芸人のRGとタッグを組んで、これまたお笑い芸人のHGと試合をした。師匠、交わることのなかったレジェンド、お笑い芸人…58歳になった天龍だが、今もなおプロレスを堪能している。

 

投稿者 maikai : 12:16 | コメント (0)

2008年03月17日

懐かしくて新しいハードヒット

 昨日は新木場でDDTが昼夜のダブルヘッダー。昼の試合は抱えている原稿の締め切りが迫っていて行けなかったが、夜の新ブランド『ハードヒット』には出向くことができた。スポーツライクなプロレスを打ち出す『ハードヒット』は通常の3カウント、ギブアップ、KOに加えてロープ・エスケープ、ダウンがロスト・ポイントになる5ロスト・ポイント制を導入したもの。簡単に説明すれば新生UWFの初期の頃のルールと同じような感じだ。

 試合前に和田良覚レフェリーが若手選手を使ってルール説明、全選手入場式という流れは、かつてのUWFのようで懐かしい。

 だが、これはUWFのパロディではない。プロレスが多様化した中でのDDTの新たな試みなのだ。第1試合では、上井文彦氏がかつて上井ステーションでエースにしようとしていた総合格闘家の毛利明彦とK-DOJOの関根龍一が対戦。毛利が膝十字や腕十字でエスケープ・ポイントを奪えば、関根は何とドロップキックでダウン・ポイントを奪うというスリリングな展開に。最後は毛利が飛びつき腕十字でタップを奪ったが、膠着もなく、緊張感のあるいい試合になった。

 かつてのUスタイルというと、同じような試合が続くケースが多かったが、プロレスが多様化して、レスラーの頭が柔軟になってきているから、それぞれのカラーが出る。参加している選手がこのルールの中でどんなことができるのかを実験しているのが面白かった。UファイルのスタイルE所属の竹田誠志と戦った高木三四郎は、普段は使うことのないプロレスの基本技ダブルリストロックでエスケープ・ポイントを奪い、ボディスラムから間髪入れずにコーナーに駆け上がってダイビング・エルボーという大胆な攻撃にもトライした。最後はパワーボム、ラリアットでKOだ。

 HARASHIMAとパンクラスMISSIONの冨家飛駈の試合は17分を越えたが、UWF→藤原組→パンクラスで培ってきた冨家のキーロックから腕十字、脇固めとおもいきやアキレス腱固め、肩固めからスリーパーといったサブミッションの妙技が観客を惹きつけた。最後はHARASHIMA=3ロスト・ポイント、冨家=1ロスト・ポイントという状況からHARASHIMAがキックのラッシュで立て続けにダウンを奪って最後は逆転KOするという、まさにUWFを彷彿とさせるようなスリリングな試合だった。

 メインはユニオン所属の石川修司が飯伏を共に4ロスト・ポイントという状況で、スープレックスから32文ロケットキック(顔面へのドロップキック)でTKO勝利。195センチ、120キロの石川は池田大輔のフーテン興行に参戦してバチバチ・ファイトで頭角を現している。そこで培った実力と経験が『ハードヒット』という新ブランドで結果として出た。
「フーテンではルールが曖昧なんですけど、この『ハードヒット』はロスト・ポイントがあったり、ロープ・エスケープやダウンできっちりと攻撃をストップさせられてしまったりと勝手が違いました。特にロスト・ポイントは戦っている間にわからなくなっちゃって焦りました。でも楽しかったです。飯伏とは今まで1勝3敗で負け越していたんですけど、ユニオンに来て2年…バチバチに出たりの自分の道は間違っていなかったと思います。U出身の高山選手と、このルールでいつか戦えるような選手になりたいです」(石川)

 石川がルールについて語っていたが、これがミソ。かつてのUWFは選手がやりすぎないように制御するためのルール作り、ファンが楽しめるゲーム性のあるルール作りを心がけていた。そうなると、規制がきっちりするのは当然だし、ゲーム性ということでロスト・ポイント制を取り入れてこれが成功したのだ。ただ、3カウント・フォールを廃止したためにプロレス的な要素が薄れてしまった。

 今回の『ハードヒット』はUWFのゲーム性、スポーツ性を取り入れつつ、プロレスの3カウント・ルールを残した。そして選手たちはそのルールの中で自分自身のプロレスの可能性を試そうとしている。この懐かしくて新しい試みは、かつてのUWFファン、多様化したプロレスを消化して観ている今のプロレス・ファンの両方に受け入れられるのではないかと思う。

投稿者 maikai : 11:12 | コメント (0)

2008年03月14日

龍虎相打つ!

 ミドルキック、ローリング・ソバットが分厚い肉体に突き刺さる。重いチョップが白い胸板をみるみるうちに真っ赤に腫れ上がらせる。昨日のリアルジャパン後楽園大会で実現した初代タイガーマスクと天龍源一郎の激突は見応えのあるものになった。

 初代タイガーは仮面シューター・スーパーライダー、天龍は折原昌夫をパートナーにしてのタッグ対決だったが、いきなりキックVSチョップの真っ向からの打撃戦に。初対決で相手に体をさらすのは怖いはず。特に打撃だったら1発でもっていかれる危険性もある。だが、両雄共にプロレスラーの心と意地を持っていた。「初代タイガーマスクのキックがどれほどのものか確かめてみたい」「噂に聞く天龍のチョップを受けてみたい」という感情があったに違いない。

 初代タイガーはハイキックも決めたし、旋回式のフライング・クロスアタック、ツームストン・ドライバーも決めた。一方の天龍は顔面ステップキック、グーパンチ、キックをキャッチしてのドラゴン・スクリューを披露。はっきり言って、ふたりとも全盛期を過ぎている。それでも残された夢の対決としてファンの期待に応える試合、攻防をやってのけたのだから、さすがとしか言いようがない。最後は初代タイガーのブレーンバスターを天龍が首固めに丸め込んで決着をみた。

「ローリング・ソバットがアバラ、ミゾオチに入ってペースが落ちたね。下半身の力がスーッと抜けた。それが彼にとっては俺が重くなっちゃってコントロールできなくなったんだと思う。あの重いペースになったら俺の勝ちだよ。初代、2代目(三沢光晴)とやったけど、やっぱりタイガーマスクは魅力的な人だね。今度は絶好調のタイガーマスクとワクワク感だけじゃなくて中身で勝負してみたい」(天龍)

「場外に飛んだ時に(右の)股関節を脱臼してしまいました。チョップは噂に聞いていた以上でしたね。あれで余裕がなくなった。相手に合わせて体重を増やして思い切り蹴る練習をしていましたけど、裏目に出ましたね。蹴っていても200キロぐらいのサンドバッグを打っているみたいな感じで(苦笑)。真っ向から行っちゃって、いつものタイガーマスクのスピードのファイトではなかった。次は本来のタイガーで、体を絞ってスピードで勝負したいですね」(初代タイガー)

 どうやら一夜だけのドリームカードではなく、続きがありそうなムード。そう、ふたりとも頑固な昭和のプロレスラーなのだ。

投稿者 maikai : 11:52 | コメント (0)

2008年03月13日

全日本開幕

 昨日の後楽園ホールからスタートした全日本プロレス新シリーズの主軸になるのはジュニア・タッグ・リーグ戦。ジュニアと言うと新日本のイメージが強いが、全日本のジュニア・タッグの歴史は古い。一番最初は1984年9月。メキシコUWAと業務提携したことで『世界最強ジュニア・タッグ決定リーグ戦』が行なわれ、チャボ&ヘクターのゲレロ兄弟を破ったマイティ井上&グラン浜田が優勝している。その他、大仁田厚&渕正信、ベビー・フェース&フィッシュマンなどが参加していた。2002年にも『世界最強ジュニア・タッグ』は開催されて、渕&浜田のベテラン・コンビを退けてカズ・ハヤシ&ジミー・ヤンが優勝。そして2年前の06年には『2006ジュニア・タッグ・リーグ戦』が開催されてNOSAWA論外&MAZADAが優勝したわけだ。

 2年ぶりとなる今大会は参加チームの実力のバランスが取れているが、そんな中で近藤修司&シルバー・キングはテクニック、パワー、ラフ、インサイドワークとすべての要素を兼ね備えており、メチャクチャ強い。文句なしの大本命である。個人的には新日本を退団して全日本に新天地を求めてきたエル・サムライに注目している。半年のブランクをどうカバーしていくのか、ベテランならではの戦い方を見ていきたい。

 昨日の後楽園でジュニア・タッグ公式戦以外に印象に残ったのは、全日本ファンの諏訪魔に対する大きな期待感。今、三冠王者は健介だが、やはりファンは全日本所属選手の戴冠を望んでいるのだと強く感じた。今、それを託せるのは諏訪魔しかいないということだ。VMでの2年間は諏訪魔がプロレスを感じる上で、レスラーとしての器量を広げる上で必要だった時間。ここからが真のスタートである。

 もうひとつ感じたのは、昨日のダイアリーでも書いたが、健介オフィスの新人たちの骨太なファイト。タッグ・リーグ公式戦に出場した勝彦を除く竜志、起田、健斗が健介と組んで諏訪魔、荒谷、平井、駿河と8人タッグでぶつかったが、全日本初登場となる起田&健斗はまったく物怖じせずに闘志を剥き出しにしての好ファイト。たまたま帰りのエレベーターで吉田万理子に会ったが、吉田は若手を育成する『息吹』興行を主催しているだけに、健介オフィスの新人たちのファイトに感心していた。メインで武藤と組んだ真田、西村と組んだ征矢ももっと頑張らなければ! ということでメインのテレビ解説は多分、辛口になっていたと思います。

投稿者 maikai : 11:03 | コメント (0)

2008年03月12日

健介オフィスと初代タイガー

 今日の話題はパソコンが壊れたために書けなかった日曜日と月曜日について。日曜日は健介オフィスのホームタウンマッチに行くか、DDTの後楽園に行くか迷ったが、DDTには16日の新木場ダブルヘッダー(夜は新ブランドのハードヒット)に行くつもりなので、久しぶりに吉川の健介オフィス道場に行ってきた。

 私はこのホームタウンマッチ=道場マッチの雰囲気が好きだ。リングと客席が近いから、どこから観てもリングサイド。チョップの音、肉がぶつかる音、キャンバスに叩きつけられる音…初めてプロレスをナマで観た人は、その迫力にビックリするはずだ。レスラーの方も客席が近いだけに小手先のごまかしは許されないシビアな状況なのだ。

 それにしても健介オフィスの新人たちは本当に鍛えられている。竜志はキャリア半年、起田と健斗は1ヵ月前にデビューしたばかりだが、他団体に出ても堂々としている。それだけの練習をしてきているという自負もあるだろうし、気持ちで負けてはいけないという教育が徹底されているのだろう。実際のファイトにしても新人とは思えない骨太なものがあるし、技の当たりも強い。それに全日本、ノア、エルドラド…と、スタイルに関係なく、今のうちから様々な団体の若い選手と戦っているというのは将来に必ず活きてくるはずだ。

 今や健介オフィスの若きエースになったと言っても過言ではない勝彦は昨日11日に二十歳になった。おめでとう!

 月曜日はパソコンの修理のために奔走しつつ、夜はサムライTV『S-ARENA』に初代タイガーマスク=佐山聡と出演。佐山さんは明日13日の後楽園ホールにおけるリアルジャパンの興行でスーパー・ライダーと組んで天龍&折原と対戦する。初代タイガーVS天龍というのは、残されていた夢のカードだ。

 アントニオ猪木の遺伝子を持つ佐山さんの言葉の端々からはジャイアント馬場の遺伝子を持つ天龍には絶対に負けられないという意地が感じられた。これはちょっと危険な勝負になるかも…。

投稿者 maikai : 11:04 | コメント (0)

2008年03月11日

嗚呼、パソコンが!

 いやあ、マイッタ! それは日曜日の夜のこと。インターネットをやっていたらフリーズ…ここ最近、パソコンの調子が悪いので「エイッ」と電源を切ってしまったら、あら大変。再起動したら英語が出てくる青い画面=ブルーパニック(?)になり、その後はあらゆる方法(といっても私にはほとんど知識がない)を使っても起動できないという緊急事態!

 書きかけの原稿も中に入っているし、締め切りが迫っている原稿もある。まさかパソコンがクラッシュするなんて! で、昨日は朝から修理に持ち込み、全部というわけにはいかなかったものの、ハードディスクのデータを取り出すことができたのは不幸中の幸いか。

 早速、新しいパソコンを買って、今日は諸々の設定で時間を費やしてしまった。くれぐれもデータはバックアップを取っておかなきゃ駄目だね!

 それにしても悲しいのは、日本スポーツ出版社を退社した後の2004年10月に買ったパソコンとの突然の別れ。かつては毎日のように自宅と週刊ゴング編集部を往復したし、週に1回は出張に持ち出していた。あんな使い方をしていたら3年半が限度か。このパソコン1台によって、私はフリーになってから今日まで生活できた。そう、私のなくてはならないビジネス・パートナーだったのだ。本当にありがとうという気持ちである。

 そしてこれからは、今現在、このダイアリーを打っているこのパソコンがパートナーになる。ガンガン仕事しような。よろしく頼むぜ、相棒!

投稿者 maikai : 19:50 | コメント (0)

2008年03月09日

666を初体験

 昨日は念願かなって新木場でやっと666の興行を観ることができた。別冊やらメンズナイト興行やらをを除いて23回目の本興行だというから結構、続いているわけだ。怨霊&アブナイ感じのインディーズレコードレーベルの殺害塩化ビニールの合体から何が生まれるのか? これはナマで観なければ、人の話だけじゃどうにも理解できない。ナニ? 今日はラム会長は学校行事のために欠場? それは残念だなあ。

 試合はライブの実況付きでメンズ・テイオーと須山浩継氏が担当する。テイオーは学生プロレス時代に試合だけでなく実況もやっていた。実に20年ぶりぐらいにテイオーの名調子が聞けるのは嬉しい。そしてレフェリーの李日韓、浅野グレース恵は、この666ではスカートでレフェリングするのか…。

 第1試合は、この日が666デビューだという怒愚羅&魔愚羅というマスク・コンビがウインガー&ナスティ・ブラック・パンサーにアタック。「ああ、これはウインガーとGENTAROの紙パックスですね!」と、当たり前のようにナスティの正体をバラし、掌打を使う怒愚羅だか魔愚羅だかを見て「おおっと、正体はライガーか!?」とボケてみせるテイオーの解説ぶりは学生時代と変わらないものだ。最後はGENTARO…じゃなかったナスティがチャボ・ゲレロやランス・ストームが使っていた回転しての逆エビというマニアックな技で決着だ。

 第2試合はドラゲーの大野勇樹とホッシーノ(星野勘九郎)がスクランブル・バンクハウス・デスマッチならぬスクランブル・パン喰うハウス・デスマッチ。要はパン喰い競争。セコンドに付いていた練習生がパンを食べちゃってノーコンテストというのがオチだった。

 小仲=ペールワンとウルトラマンロビンの第3試合は特撮物を強引にプロレスにしたもの。黒子に抱えられたロビンが客席を飛び回って入場。試合中も黒子がペールワンの空中浮遊やロビンのムーブを助けるという展開に。最後は水鉄砲の誤爆に怒った黒子・木村響子のビッグブーツが火を噴いてロビンが勝利。徹頭徹尾、馬鹿馬鹿しければ、それはそれで成立しちゃうのだ。

 第4試合の忍&みねぴょん(藤田峰雄)&佐藤悠己VS趙雲子龍&しゃちほこマシーン&マサ高梨は、試合内容できっちり見せながらも、佐藤が忍とみねぴょんに誘われて禁断の世界へ…。

 セミの怨霊&TARUと宮本&先輩はTARUと先輩の視殺戦…メンチの切り合いが最大の見せ場となった。2人がエプロンで、場外で睨み合うとリング上の怨霊VS宮本が打ち消される迫力なのだ。この先輩なるマスクマンのキャラは凄い! パンチパーマにサングラス、髭をあしらった怖いお兄さんをイメージさせるマスク。コスチュームはジャージで手にはセカンドバッグ。非の打ちどころがないのだ。そしてセカンドバッグから注射器を取り出して自ら頭にブスリと刺した途端にハイテンションという、かなり危険なキャラ! 最後は薬が切れて戦闘不能になり、孤立した宮本が怨霊クラッチに仕留められてしまった。

 メインは殺害塩化ビニールの社長ザ・クレイジー・SKBの世界だ。設定はヘンな宗教に洗脳されてしまった宮本の目を覚まさせるというもので、SKBがマリキ・ド・シャドウ(シャドウWX)、破羅死魔(HARASHIMA)を従えて宮本&信者軍団と戦うというもの。このメインはボーナストラックと捉えればいいと思う。毎回、このボーナストラックが付くから、それは実際にナマで確かめてもらうしかない。ちょっと、ここでは書きようがないというのが正直なところだ。

 この666興行に集まるお客さんの半分はプロレスファンではなく、殺害塩化ビニールのファンだという。だが、興行を重ねるにつれて純粋にプロレスを楽しむ観客が増えてきているとか。ということは成功だろう。何かいけないものを観ているような意識と共犯者意識みたいなものが独得の雰囲気を醸し出しているのかもしれない。これはライブで観ないとイメージが掴めないイベントである。

 プロレス的な見方からすれば、過激なネタや馬鹿馬鹿しいネタも盛り込まれているが、基本的にファイト自体はしっかりとしているというのが私の感想だ。

投稿者 maikai : 17:19 | コメント (0)

2008年03月08日

火薬庫と化したドラゲー

 私はドラゴンゲートの大会は基本的に月1回、後楽園ホールで観るというペースだが、3・20大田区に向って何やら不穏な空気が漂っている。

 2・8後楽園以来の昨日の後楽園でもハルクとYAMATOの関係はギクシャク、マッスル・アウトローズも分裂寸前といった感じだし、タイフーンではCIMAと斎了の関係がおかしくなっていた。そろそろ勢力分布図がリセットされる時機にきているのだろうか?

 そして、それに加えて昨日は新たな選手が2人登場した。まずはゼロワンMAXを主戦場にしているエルブレイザー。2・26新木場でモッチーのインター・ジュニアに挑戦したのを機に、かつて闘龍門XでミニCIMAとしてファイトしていたことをカミングアウト。闘龍門がドラゴンゲートに変わったために、闘龍門X所属という微妙な立場にいたエルブレイザーはドラゲーのリングに上がることなく、その後に諸々あってエルブレイザーになった。

 休憩時間前にモッチーの呼びかけでリングに上がったエルブレイザーはCIMAにペコリと一礼すると、
「途中で違う道を歩んできましたが、このリングに上がることが夢でした。今日、その夢が叶って嬉しいです。3月20日の大田区に出場します!」
 と挨拶。タッグ・パートナーを買って出たのはエルブレイザーの空中殺法に注目していたというPACだ。対戦相手には、かつてエルブレイザーをしごいた鬼コーチのアラケンが岩佐との統一タッグ王者コンビとして胸を貸すことを名乗り出た。

 ただし、緊張のあまりエルブレイザーのマイクは噛み噛み。
「いや、こんなにお客さんが僕のことを知っているとは思わなかったし、凄い緊張しました。足が震えっぱなしでしたよ。先輩たちがズラーッとリングにいて…役者が違いました」
 と、普段は何事にも動じない神経の太さがウリのエルブレイザーが汗びっしょり。そこにPACがやってきて「ショッパイ、マイク。セイム」と、お互いのマイク・パフォーマンスのショッパさを悔やんでいたのが笑えた。

 エルブレイザーは歓迎ムードだったが、問題はメイン終了後に乱入した谷嵜なおきだ。谷嵜は06年6月にマッスル・アウトローズから離脱して、そのままフリーに。様々な団体に上がりつつもエルドラドを主戦場にしていたが、3月1日にエルドラドを円満離脱したばかりである。

 2月28日のダイアリーで書いた通り、谷嵜はプロレスに悩んでいた。「プロのプロレスラーになりたい」とも言っていた。悩んだ末の結論がエルドラド離脱→ドラゲーへのUターンだったのだろうが、迎える側の気持ちが複雑なのは当然。
「会社が苦しい時に勝手に辞めて、他団体で食えなくなったから戻って来たのか!? 大田区で俺と一騎打ちをしろ!」
 と迫ったのはYAMATO。ここでDoFIXERで先輩だった斎了は、
「谷やん、ドラゲーの勘を戻すためにも明日の越谷でタッグで俺とやってみないか?」
 と好意的に呼びかけた。斎了がアンソニーをパートナーに指名すると、谷嵜のパートナーにはゼロワンMAXで谷嵜のファイトを見ていたモッチーが名乗りを上げた。これも好意的な態度だ。

 その一方では、CIMAは苦々しい表情を浮かべ、鷹木やハルクも固い表情。ファンの反応も歓声とブーイングの半々。そしてYAMATOが花道を引き揚げていくところをCIMAが凄い剣幕で掴みかかって顔面にパンチ! ただならないCIMAの怒りにタイフーンとニューハザードのメンバーが慌てて割って入った。

 このところCIMAとYAMATOの抗争めいた感じもあったが、このCIMAの怒りはそれを明らかに越えたもののように見えた。それは谷嵜がドラゲーに再び上がるきっかけを作ったYAMATOの勝手な言動への怒りではなかったか…。

 それぞれのユニット内での不協和音、そしてエルブレイザー、谷嵜なおきの参入…今、ドラゲーは危険な火薬庫と化している。ここにポンと火種を放り込むのは誰だ!?

投稿者 maikai : 11:40 | コメント (0)

2008年03月07日

コメントへの私の感想です

 このところのコメントを見ると、三沢光晴を破ってGHC王者になった森嶋猛について厳しい見方をしている人が多いようだ。

「サイコロジーのない試合だった。森嶋も必殺技のラリアット、バックドロップを突然だしたりサイコロジーのない攻防があった。必殺技はここで出してくれという時に出さないとダメ。タジリに批判されそうな試合だった」
「森嶋はタジリにまた批判されないように試合内容をもっと頑張ってほしいです」
「ここでは田尻が批判したレスラーは森嶋ということになってるんですか?」

 TAJIRIがKamiproのインタビューで「いやね、ちょっと前、プロレスマスコミから高評価を与えられてる某団体の某選手の試合を初めて観たんですけどね。もう完全に引いた! なんじゃこれ!?って。もう試合構築の基本の“き”の字も知らないんですよ」と、名前は出さなかったものの、ある選手の試合を批判したことを受けての意見だろう。ようは試合に組み立ても流れもなく、大技を連発していた選手がいたということ。TAJIRIは名前を明かしていないが、ニュアンス的にはラリアット・プロレス系の選手。そうなると森嶋の名前も自ずと浮上してくるというわけだ。

 私のプロレスに対する考え方はTAJIRIと共通している。私はハイスパートよりも組み立てのある試合の方が好きだし、本来、そうあるべきだと考えている。だから先日のドリー・ファンク・ジュニアの試合などは懐かしかった。

 さて、先日の三沢VS森嶋戦だが、決して好勝負ではなかったと思う。ただ、両者が意識を素っ飛ばしながらも試合を続け、成立させたことには感銘を受けた。どんなアクシデントが起こっても…例え意識がなくても最後までやり遂げる 。それがプロレスラーなのだ。だからこそ状況を見極めるレフェリーが非常に大切なわけで、あの試合後の西永レフェリーの表情は、いかにハードな戦いだったかを物語っていた。

 で、森嶋に関しては私は以前から買っている。ガイジンを圧倒してしまう体は大きな魅力だし、ROH世界王者になってから相手の体のサイズに関係なくいい試合ができるようになったと思う。まだまだムラがあるにしても中嶋勝彦戦、潮﨑豪戦もいい試合だった。

 そして私からしたら敢えてサイコロジー、セオリーに収めたくないレスラーだ。理屈など関係ない規格外のレスラーになってほしいと思っている。日本人にもひとりぐらい、そんな凄玉がいてもいいのではないだろうか。もっとも、そうなって、観る人を納得させられるようになるのは、かなり大変なことではあるが…。

 あと、話題は変わって谷津嘉章に会ったという札幌のユウスケさん、情報ありがとうございました。私が最後に谷津さんと喋ったのは4年前。アテネ・オリンピックを前にアマレス五輪代表時代の話を聞くために電話したのが最後です。元気でいるのは嬉しいことですね。

 ということで、今日はこんな感じです。では、また明日!


投稿者 maikai : 12:59 | コメント (4)

2008年03月06日

熱い!SEMの対抗戦

「今まで僕も竜志も大先輩に向っていくのが多くて、それは凄い勉強になっているんですけど、キャリアが近い選手と戦うのは気持ちのぶつかり合いになって熱くなりますね。今日は引分けて凄く悔しい。でも気持ちよかったです!」
 これは昨日のディファ有明におけるSEM興行後の中嶋勝彦の言葉。勝彦はメインで山口竜志と組んでKENTA&伊藤旭彦と対戦した。20分時間切れの後、5分間の延長戦となったが、それでも決着がつかなかったのだ。

 KENTAと勝彦の初対決は熱かった。共にキックで一歩も退かず、KENTAは勝彦のジャーマンを、勝彦はKENTAのgo2sleepを自力で返した。また、この2人に負けず、伊藤と竜志も熱かった。さらに両軍のセコンドも…。若手ならではの純粋な対抗意識がスパークするのは見ていて気持ちがいい。

 ノアと健介オフィスの対抗戦はこのタッグの他にも青木篤志VS宮原健斗(青木が腕ひしぎ十字固め)、谷口周平VS起田高志(谷口が原爆固め)と2試合が行なわれたが、いずれも気持ちがこもった試合だった。第1試合で健斗を厳しい攻めで破った青木は、
「(キャリアが)下の人とやるのは初めてだったんで、じゃあ、僕は2年前ぐらいには(先輩に)何をされたかなと思ったら、下の人に舐められないようにってやられたと思うんで、別にキレイな試合をする気はなかったですね。受けたら、潰すしかないっていうか。向こうはまだ技術を持っている段階ではないんで、どうしてもエルボーとかの打撃になりますよね。それだったら同じ方法でやり返すしかないんで。健介さんのところで鍛えられているだけあって、根性があるなと思いました。返してくるのも1発で終わっちゃうんじゃなくて2発、3発と返してくるからいいんじゃないですか。対抗戦の意識ですか? 向こうにいいカッコさせたくないって気になるってことは、やっぱり対抗戦という意識はあると思います」
 とコメント。両団体の若手にとって、対抗戦は刺激的で楽しくて仕方がないという感じである。

 この日のSEMは全試合がノアVS外部という対抗戦。平柳を垂直落下式ブレーンバスターで一蹴したマグニチュード岸和田は、
「なぜラストライドで決めなかったかわかるか? ここのジュニア王者・金丸の必殺技(旋回式ブレーンバスター=タッチアウト)やろ? どっちが説得力あるか、見せつけてやったわ。次、ここに来る時はジュニアのベルトを狙うからな。インディーとかメジャーとか関係あるか!」
 とGHCジュニア獲りを宣言。ドラゲーからエルドラド、健介オフィス、そしてノアと行動範囲を拡大している岸和田は今年注目の男のひとりだ。

 またセミでは丸藤VS菊タローという異色の対抗戦(?)も実現した。久々にSEM登場の菊タローは欽ちゃんキック連発→きりもみ式のフライング・ラリアット→額の汗ワイパーという三沢ムーブ、打撃の連打→ブサイクというKENTAムーブ、さらに西永レフェリーをいじり倒して大張り切り。そこに丸藤が巧く絡み、ある意味でアドリブの天才同士の対決という趣になった。

 今後もSEMは若い人間の対抗戦が主軸になっていく。試合数は少ないが、コンセプトがはっきりしていて楽しめる興行なのだ。ハッキリ言って、おすすめです!

投稿者 maikai : 11:42 | コメント (0)

2008年03月04日

師弟対決、この1枚

tenryu2.JPG

 これは神谷繁美カメラマンがメールしてくれた3・1両国国技館におけるドリー・ファンク・ジュニア引退試合の1カット。どうです? この天龍のグーパンチは! ここまでやるのが天龍のドリーへの礼儀、そして両者の信頼関係とでも言うべきか。

 天龍は今から32年前の1976年9月28日に大相撲を廃業、10月15日にヒルトンホテル(のちのキャピトル東急ホテル)で全日本プロレス入団を発表。2日後の17日の新潟大会から巡業に参加して馬場、鶴田、高千穂(カブキ)らに指導を受け、10月30日には渡米。ハワイを経てテキサス州アマリロに入ってドリー・ファンク・ジュニアの指導を受けた。

「プロレスの場合だと、他の格闘技から入ってくる人に対して、甘くないとか、奥が深いとか、ことさらプロレスの凄さを見せつけようとする奴が多いけど、ドリーの場合は“プロレスとはこういうものだから”と淡々と論理的に教えてくれたから、そこに疑問を挟む余地もなかったし違和感なく受け入れることができた」
 と天龍は以前、語っていた。天龍にとっては相撲社会を離れてすぐに生活もまったく違うアメリカで、アメリカ人のドリーにコーチを受けたのが良かったのだろう。58歳になった今もリングに立っているのは、このアマリロで培ったものが大きいのではないか。天龍を指導してくれたのは、このドリーに当時は世界王者だったテリー、ジェリー・コザックだったという。

 ジャンボ鶴田、スタン・ハンセン、ボブ・バックランド、テッド・デビアス、ディック・スレーター…アマリロのファンク道場出身のほとんどの選手がリングを去った。ここは天龍に頑張ってほしいと思う。ハッスル大将も否定はしないが、やっぱり普通のショートタイツ姿の天龍はいいなあ!

投稿者 maikai : 11:55 | コメント (3)

2008年03月03日

覚悟のGHC戦

「日本武道館は気持ちの戦いになると思います。何を食らっても、何をされても立ち上がって勝つ。自分自身に勝ってベルトを獲りたいと思います」(森嶋)
「森嶋はこの1年で経験を積んだし、体もある。ぶっちゃけ、総合的には俺を上回っていると思うよね。俺に何かあるとしたら気持ちだけ。やる前から気持ちで負けられないんで、自分の気持ちに勝って、悔いのないように戦いたいよね」(三沢)
 昨日の日本武道館におけるGHC戦を前にして両雄はこんなことを言っていた。ふたりとも、自分との戦い、自分の心との戦いだとしていた。

 昨年1・21日本武道館で三沢に挑戦した時の森嶋は精神的に負けていた。武道館でのタイトル挑戦という経験したことのない大舞台のプレッシャーに押し潰されていたのは、入場時から明らかだった。以前から指摘されていた気の弱さが大事な場面で出てしまったのである。結果、試合開始早々に脳震盪を起こして意識が吹っ飛んでいた三沢のエルボーに散った。

 だが、その後、ROHに渡って世界王者になり、アメリカと日本を股にかけて20度の防衛を重ねた経験は大きい。どんな舞台でも戦える勝負度胸を森嶋は身に付けたのだ。

 一方の三沢は背水の陣。今のコンディションからしたら、145キロの森嶋の猛攻を真正面から受けて止めたら大アクシデントにつながりかねない。そこに怖さがあったら、とてもノアのチャンピオンは務まらない。本当に三沢にとっては森嶋との勝負というよりも、自分のコンディション作り、自分の恐怖心との戦いだったと言っていい。

 果たして試合は両雄覚悟の戦いとなった。森嶋は三沢のエルボーを敢えて真正面から受け止める。ディフェンスしたらスーパーヘビーの怪物性が薄れるから、ここは意地でも真正面から受け止め、受け身を取ってダメージを軽減するよりも踏ん張ることがプロとしての意識だ。結果、森嶋は試合の途中で脳震盪を起こし、意識が吹っ飛んだ。

 三沢も真っ向から森嶋の重量感ある攻撃を受け止めた。これこそが四天王時代からの三沢のスタイルなのだ。そして昨年1月と同じように、三沢も脳震盪を起こし、こちらも意識が飛んでいた。

 最後は勝者も敗者も救急車で病院へ。ノアの世代交代をかけた激突は本当に過酷だった。共に意識が飛んでいたから、内容的には高度な試合ではなかったかもしれないが、両雄の覚悟はしっかりと伝わってきた戦いだった。

「強いチャンピオンに勝って嬉しいです。試合で勝ってもノアの象徴は三沢社長。その三沢社長に負けないように築き上げていこうと思います。このベルトを持つことは責任も伴うんで、自分色に染めながらノアを面白くしていきます。よろしくお願いします…」
 ハッキリしない意識の中で新王者・森嶋はしっかり語ってくれた。今、ノアは新時代へ――。

投稿者 maikai : 11:32 | コメント (5)

2008年03月02日

昨日の全日本両国の放送席

column.JPG

 昨日は全日本プロレスPPV生中継全8試合の解説。前半6試合はずっとコンビを組んでいる鍵野威史アナウンサー、ドリー引退試合は若林健治アナウンサーとの初コンビ、メインの健介VS小島の三冠戦は若林アナ+鈴木みのるという緊張感のある放送席を担当させてもらった。

 全日本プロレス84年担当同期の若林アナとは、昔の思い出を共有しているだけに、まるでプロレス好きの友だちと喋っているような感覚だった。とにかく若林さんは熱い! その熱さに煽られて、こちらも言葉が出てくる感じ。そして熱いだけでなく、きっちりとリング上の状況を把握しながら実況しているのはさすがだった。ウーン、これが若林節か!

 鈴木みのるは、放送席でも鈴木みのる。試合前、GUESTのステッカーを手に現れたみのるは、
「解説引き受けたのはいいんだけどさー、こんなステッカー送ってきやがってヨソヨソしいと思わない? 何かムカつくんだよねー。“1月で全日本をクビになった鈴木みのるでーす!”って、このステッカーをテレビカメラに向けてやろうか? 健介と小島のしょうもない試合だろ? 痛いところをビシビシ突いて、放送できなくしちゃうよ。ヘヘッ」
 と、不気味な笑み。この人の場合、言ったことは本当にやるから油断ならない。そして、いざ解説になるとシビアで的確なコメントを連発。横で聞いていて感心するしかなかった。

 そして若林さんが健介との友情物語を突っ込んでも、すべてバッサリと否定。あの若林さんが「いやあ、鈴木みのるには勝てないですね。KOされました」と舌を巻くほど。とにかく頭の回転も舌の回転も早いのだ。ヘッドセットを投げ捨ててエプロンに駆け上がり、チャンピオン・カーニバル参戦をアピールするタイミングも絶妙だった。

 さて、肝心の試合の方での私なりのMVPは棚橋とドリー。棚橋の空気の読みは素晴らしい。ブーイングだと察するや、完全にナルシスト・モードに入り、試合では執拗に川田を挑発、チャンピオン・カーニバル参戦アピールもナルって全日本ファンの反感を煽った。あれは日本人では棚橋にしかできない、と私は思っている。そしてプロレス的には武藤の遺伝子を持っている。棚橋参戦でチャンピオン・カーニバルはグーンと面白くなった。

 そしてドリー。正直、開幕戦では「どうなることか…」と思ったが、シリーズの連戦できっちりとコンディションを作ってきた。天龍とのチョップVSエルボー・スマッシュには、私も若林さんもシビレっぱなし。最後の最後までテキサス・ブロンコを貫いてくれたのはさすがだった。ドリー、天龍さん、渕さん…馬場さん時代の選手がいる全日本プロレスのテレビ中継を若林さんとやれたことは、この上ない喜びである。

 さて、今日も興味深い大会がある。ゼロワンMAX後楽園とノア日本武道館のどちらに行くのかという質問があったが、仕事の関係でノア日本武道館に行きます。で、試合終了の時間によっては後楽園に向いたいと思っている。ノアが17時、ゼロワンMAXが18時30分開始なので、せめて佐藤耕平VS中邑真輔、あわよくばセミの将斗&日高VS金本&田口からでも観られれば…。

投稿者 maikai : 14:10 | コメント (0)

2008年03月01日

今日は

今日は両国国技館で全日本プロレスの2008年初のビッグマッチ。私はスカパーPPVの解説をすることになっている。実況はずっとコンビを組んでいる鍵野威史アナウンサー、そしてドリーの引退試合と健介VS小島の三冠戦では若林アナウンサーと初タッグを結成することになった。さらにここにゲスト解説として鈴木みのるが入ってくるから、どんな放送になるかまったく予想がつかない。

 実は、私と若林アナウンサーは全日本プロレス同期生。私が週刊ゴングの全日本担当になった1984年に若林さんは中部日本放送から日本テレビにやってきて、プロレス中継をするようになったのだ。日本テレビには倉持隆夫さん、松永二三男さんというプロレス担当のアナウンサーがいて、おふたりにも優しくしていただいたが、同じ新入りという立場だったから若林さんが一番話しやすかった。あれから24年の時を経て、全日本のテレビ放送席に座るというのは感慨深いものがある。特にドリー、天龍の試合を一緒に喋ることができるのは嬉しい限り。

 ということで、そろそろ両国へ行かなければ!

投稿者 maikai : 13:05 | コメント (0)