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2007年12月31日

12月30日の後楽園ホールの風景

 昨日の後楽園ホールは午後12時からアパッチ、午後7時からDDTの昼夜興行。昼のアパッチは会社の内部的な問題があって大会開催決定とチケットの発券の遅れなどがあったためか、寂しい客入り。それでも、
「当分、後楽園ホールでの興行は無理かもしれないですけど、今度、戻ってくる時には満員に出来るように立て直します。今日の大会にしても中止にしようという意見もありましたけど、ひとりでもチケットを買ってくれるお客さんがいる限りやる。アパッチのファンは我々、選手と一緒に戦ってくれていると思う。Hi69が帰ってくるまでに万全な体制にしたいと思います」(マンモス佐々木)
 と、選手たちのモチベーションは高い。長期欠場を余儀なくされているHi69はこの12月に退院、年明けに故郷・岩手に戻ってリハビリに入るという。左膝半月板損傷で欠場中の葛西は春には復帰の見込みだし、内臓疾患で長期欠場だった非道はメインのマンモス&佐々木貴VS真壁&石井に有刺鉄線バットを持って乱入、復帰近しを印象付けた。

 試合的に最も良かったのはセミの関本とGENTAROの一騎打ち。関本のパワーとGENTAROのインサイドワークの攻防の妙は30分間、まったく飽きることがなかった。

 夜の部のDDTは超満員札止めの熱気ムンムン。ダークマッチで観たくない選手第1位の大家健と第2位の高木三四郎が対決し、しかも大家は“三四郎被害者の会”の新藤リングアナ、佐野直、矢郷良明を公認凶器として使うという“らしいオープニング”からヌルヌル6選手による黄金のローション争奪ラダーマッチなどのお楽しみが随所に盛り込まれていたが、セミのメタル・ヴァンパイア(東郷、大鷲、諸橋晴也)VSアントン、Koo、諸橋正美はお笑いなしのバイオレンスな勝負。そしてメインのファン投票第1位になったKO-D王者HARASHIMAとインディペンデントワールド・ジュニア王者・飯伏の一騎打ちは両者の技巧とハードがぶつかり合った大勝負。数々のお楽しみの後にピシッと締める理想的な大会だった。

 一度、王座から転落したものの、HARASHIMAがKO-D王者になったのは、昨年の12月29日だった。そして今年に入ってHARASAHIMAの防衛戦がDDTのメインに据えられたが、当初はお客さんの反応は今ひとつ。それまでのDDTのカラーやノリと違ったからである。それが1年経ったら、お客さんは満足している。これは大きなことだ。

 社長でもある三四郎は「1年がかりで世代交代した年だと思います。それに対抗するべく俺らはレジェンド軍を結成したわけだけど、今のDDTの興行は俺が理想としていたものだと思いますね」と言う。
 
 数年前のDDTはプロレス業界の枠をはみ出した存在だった。それはそれで戦略として正しかったと思うし、斬新だったが、今、DDTは自信と力を持って業界内に進出している。

 それにしても先週は26日を除いて、後楽園ホールで毎日試合があるというスゴイ状態。そして、どの団体にも熱いファンがいた。プロレスの潜在的なパワーを実感させられた1週間だった。

 私の年内の取材は今日・大晦日の『ハッスル祭り』で終了だ。皆さんにとっては、どんな1年だっただろうか? 今年もまた、このサイトに付き合っていただきありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。では、よいお年を!

投稿者 maikai : 07:59 | コメント (0)

2007年12月30日

エルドラドに新展開

 昨日の後楽園ホールにおけるエルドラドの2007年最終興行は、新年に向けてのリセットの大会となった。所属選手の大半は他団体で違うキャラで活動しており、今ひとつ独自のカラーが伝わりにくいなどの問題点を抱えているエルドラドだが、2008年は本格的に打って出る。昨日の大会はその布石だった。

 ミラニート・コレクションが師匠ミラノ・コレクションとの一騎打ちを最後にキャラを封印、ドラゴンゲートのマッスル・アウトローズで活躍するマグニチュード岸和田が乱入して谷嵜なおきとの遺恨が勃発、大鷲率いる猛獣惑星に全日本の荒谷望誉が加入、バラモン兄弟がヘルデモンズから菅原を追放…と、新たな展開が続出。極めつけは大会終了後のTARUの登場だ。

 スーツで正装してきたTARUは、
「ただでさえ、団体が飽和状態になっているのに、こんなクソ団体は潰してしまえ! ただ、年末の忙しい時期にこれだけのお客さんが観に来てくれているんだから、やるなら中途半端なことはやるな。いい試合をして男の生きざまを見せろ! お客さんの評価を得ろ!」
 と、後輩たちにエールを送ると同時に2008年からGMとしてエルドラドを仕切り、プロデュースしていくことを宣言した。

「あんなしょうもない中途半端なことやっているんだったら、こんな団体は潰した方がましや。それがプロレス界のためや。でも、何だかんだ言っても可愛い後輩たちやから…可愛いコには旅をさせろやないけど、来年から俺が仕切りますよ」
 と、いつものブードゥー・マーダーズのTARUではなく、多留GMとしての言葉。全日本プロレスで裏番を張っているTARUのアイデアと人脈がどう活きるか…新年からのエルドラドは注目だ。

投稿者 maikai : 10:18 | コメント (0)

2007年12月29日

ドラゴンゲートの年末

 昨日のドラゴンゲート後楽園ホール大会は「年末やから」ということで、スペシャルなマッチメーク。アンソニー、ハルク、キッド(鎖骨骨折のシーサーの代理)がポスハーツを一夜限りで復活させ、メインではCIMA、フジイ、鷹木の初期ブラッド・ジェネレーションとモッチー、享、クネスのファイナルM2Kが激突した。考えてみれば今年1月4日の本川越でブラッドとM2Kはラストマッチをやっている(この時、鷹木はROHにいたため、マット・サイダルがCIMA&フジイと組んだ)が、遠い昔のような気がする。それだけドラゴンゲートの流れは速いということだ。

 その他、斎藤了がサイバー・リョウに変身してサイバー・コングと激突したりと、年末ならではのお楽しみ大会の要素が強かったが、リング上のファイトは相変わらずのグレードの高さ。特にノアの金丸&青木が土井吉のGHCジュニア・タッグ王座に挑戦した試合は25分を越える熱闘だった。

 土井吉と巧者・金丸が絡むのだから好試合にならないわけがないが、印象に残ったのはキャリア丸2年の青木の頑張り。タイトル初挑戦、しかも他団体のリングで初対決の相手にもかかわらず、青木は金丸の好リードもあって土井吉のスピードとテクニックにピタリと付いていった。本人は「金丸さんにリードしてもらったのに足を引っ張ってしまった」と悔しがっていたが、ちょっとした間やタイミングのズレをきちんと認識しているだけでも大したもの。私はプロレス大賞選考会で新人賞に青木を推していたが、来年の十番勝負によって必ずや伸びるはず。2008年はドラゲーとGHCジュニアの絡みがさらに高度になっていくはずだ。

 それにしても、よくお客さんが入った大会だった。普段よりリングサイドの席を増やしても超満員札止め。今年は新日本、ノアなど他団体とも積極的に交流を図り、それが吉と出るのか凶と出るのか危惧する声もあったものの“ドラゴンゲート”という芯がしっかりしていたから、すべていい方向に出たと思う。それまではあまり外部と関わらずに独自の価値観で勝負していたが、外の世界でも十二分にやれる実力を示せたし、若手の台頭というのも大きかった。このファイナルで鷹木がCIMA、フジイをおしのけてフォールを取ったというのも大きい。

 若い世代が育つのをじっと待ち、外との交流も開始した2007年。準備は整った。2008年は一気にジャンプするだけだ。

投稿者 maikai : 15:00 | コメント (1)

2007年12月27日

乗り越える1年

 2007年も今日を入れてあと5日となった。年内に書くべき原稿はすべて仕上げ、昨日は2ヵ月ぶりの完全休養日。あとは明日28日=ドラゴンゲート後楽園、29日=エルドラド後楽園、30日=アパッチ後楽園&DDT後楽園、31日=ハッスル祭りの5大会に行くだけだ。以上を終了すると今年は144大会に足を運んだことになる。

 それにしても今年は本当にいろいろなことがあった。仕事面、健康面、その他諸々を考えると“乗り越える1年”だったように思う。何があるにせよ、乗り越えることができたのだから幸せ。来年も様々なことがあるだろうが、その都度、今年と同じように乗り越えればいい。

 さあ、2007年のラスト・スパートだ!

投稿者 maikai : 11:23 | コメント (0)

2007年12月26日

小橋建太の笑顔

 昨日は正午から都内のホテルで2007年プロレス大賞受賞式。印象的だったのはベストバウト賞&カムバック賞のダブル受賞となった小橋建太のとびっきりの笑顔だ。

「前例のない復帰戦だったし、1試合しかしていない中での前例のない受賞だと思います。どういう状態でも応援し続けてくれたファンのみんなの想いがああいう空間を作り出してくれたと思うし、ただの復帰戦にはしたくないという自分の気持ちに三沢さん、ジュン(秋山)、帝王(高山)が応えてくれた…すべての人たちに感謝しています」
 と小橋。そして、復帰したからには、この試合は小橋にとっては勝敗も重要な純粋勝負。試合後にはダメージと試合に負けた悔しさが大きかったという。「負けたままにしたくない」と言う小橋は、高山とのコンビを1回きりにはしたくないようだ。

 思えば、あの試合はリング上で戦ってきた三沢、秋山、高山の1年半と、リング外で命懸けの戦いをしてきた小橋の1年半のぶつかり合いだった。激しくなって当然である。

 さて新年には1・11高知、1・13博多での試合が決定している。小橋にとっての2008年とは?
「無理しないでと言われるけど、全力でやってこそ先が見えてくる。やらないと見えてこないでしょ? やらないで後悔するより、やるなら全力でやらないと。性格上、中途半端じゃリングに上がらないよ。ベルト? こだわってない。まず1試合1試合…」。
 小橋は汗びっしょりになりながら、多くのマスコミの取材を次から次へと受けていた。

 小橋の闘病中、残念ながら週刊ゴングは休刊になってしまった。だが、『Gスピリッツ』という新媒体ができ、創刊号ではリング外での戦いを、現在発売中の第4号では復帰戦を、ずっと小橋番をやってきた木幡一樹クンの手によって伝えられたことは大きな喜びである。

 今後も小橋の真摯な生き方を、熱い戦いを、そこから発せられるメッセージを、そして飛びっきりの笑顔を伝え続けていけたら、こんなに嬉しいことはない。

投稿者 maikai : 09:33 | コメント (0)

2007年12月25日

平成4年生まれのプロレスラー

 昨日のクリスマス・イブはサムライTV『S-ARENA』。ゲストはJWPのコマンド・ボリショイと新関真由香だった。12月9日にデビューしたばかりの新関は平成4年…1992年1月生まれの15歳。JWPが旗揚げした年に生まれたというのだから驚いてしまう。しかもお父さんは42歳だという。ナニ? 私より4歳も若い父親なのか! ウーン、参った。もう、こんな時代になってしまっているのだ。

 さて、昨日のテーマは大晦日に行なわれる『第5回ジュニア・オールスター戦』。96年の第1回大会では田村欣子と久住智子(日向あずみ)にベストマッチ賞のトロフィーを贈呈したことを思い出す。それからの11年、今回の主催団体であるJWPもいろいろなことがあった。一時期は5人だけになってしまった所属選手が今では12人になったのだから、これは立派というしかない。

 今回のプロデューサーであるボリショイのコンセプトは“動くジュニア選手名鑑”。実に29人もの若い選手が出場する。

「無意識に動く若手レスラーのファイトの中にプロレス最高のテクニックがある」とはデストロイヤーの言葉だったと思うが、若い力の競い合いに期待したい。

投稿者 maikai : 09:29 | コメント (0)

2007年12月24日

トリプル・ヘッダー

 昨日は1日で3大会を観るという強行軍。12時から後楽園ホールのみちのく、16時からディファ有明のノアSEM大会、18時30分から後楽園ホールに戻っての新日本というスケジュールだ。

 みちのくはサスケと佐藤兄弟の宇宙大戦争が目当てだったが、強く印象に残ったのは義経にハッピーマンが挑戦したメインの東北ジュニア・ヘビー級戦。義経は素顔時代から数えるとキャリア4年半。ハッピーマンは5年。ただし試合数を考えれば、もっと浅いと言っていい。そんな2人がみちのくの東京大会のメインを務めたのだ。義経は本当に天才。どんな空中殺法をやっても余裕が残っていて正確。それこそ初代タイガーマスク以上の素質だと思う。「時代が違っていたら…」と思う選手だ。また素顔の義経の性格が天然だけに、リング上を見るとなおさら天才だと思ってしまう。

「このベルトの価値を俺たちの世代で上げていく」
「みちのくは俺が守る!」
 そんな言葉を口にする義経を見ると、本当に成長していると感心する。このまま2008年も伸びていってほしい。ただし、怪我だけには気をつけてもらいたいものだ。

 後楽園からディファ有明に移動。試合開始前には到着した。今回のSEMは豪華カードだ。オープニングでは、今年のジュニア・タッグ戦線でお互いに高め合った鈴木鼓太郎と石森太二が来年のジュニア戦線を睨んで激突。第2試合ではGHCジュニア王者・金丸に来る1・18栃木で川畑の白GHCに挑戦する伊藤がアタックした。第3試合は1・20後楽園ホールでの十番勝負第1戦で健介と対戦することになった谷口がヨネと激突。休憩時間後の第4、5試合は師匠VS付人で田上VS平柳、三沢VS太田。セミは青木が秋山と十番勝負第1戦、メインは森嶋&潮﨑VS丸藤&KENTAだった。SEMのコンセプトは若手による大会だが、このラインナップは後楽園ホール級。それだけ若い人材が育っているということだ。

 ヨネとのバチバチ・ファイトでKOされた谷口だが、やはりヘビー級の馬力と頑丈さは魅力。この日のように弾ければ、健介ともいい試合になるはずだ。師匠VS付人では田上、三沢の優しさが見えた。共に若い人間の攻撃を真っ向から受け止めて、田上は喉輪落としから俺が田上、三沢はタイガー・ドライバーからエメラルド・フロウジョンと、共に必殺フルコースで仕留めた。「顔じゃねぇ!」といなすのではなく、きっちりと自身のフィニッシュ技を使って、そのダメージを体で教えてやる。特にツバ吐くなど、悪態をつきまくった平柳に肩を貸しながら引き揚げていった田上の姿は微笑ましかった。

 この2試合とは対照的に青木と同じ目線で戦ってシビアに潰しにかかったのが秋山。それは十番勝負という意味合いもあるし、青木がそのレベルまで来ているという証拠。そして「ここまでやれれば、あとの9戦も乗り切れるだろう」という秋山ならではの厳しい優しさだと思う。

 メインの森嶋&潮﨑VS丸藤&KENTAはこれからのノアのメイン。ここ1~2年、“ノア新時代”という言葉が使われるが、あと1年経ったら、この4人が間違いなくノアを引っ張っているのではないか。

 このSEM興行後、後楽園にUターンしたのが20時ちょっと前。前半戦が終了した休憩時間中だった。お目当ては棚橋VS井上亘のIWGPヘビー級王者VSジュニア・ヘビー級王者だ。これも感慨深いものがある。98年に入門テストに合格し、99年にデビューした2人(亘が少し先輩)が共にヘビー、ジュニアの頂点に立って戦ったのである。棚橋も試合後に「ヤングライオン時代の楽しさ、悔しさ、恥ずかしさ…すべての気持ちが甦りました」と言っていた。

 メキシコを経て、勢いだけでなく巧さを身に付けた亘、後楽園の亘人気に対してヒール的なファイトで試合を組み立てていった棚橋。今の2大チャンピオンは強さよりも巧さが目立つ。ひょっとしたら、これを物足りなく思うファンもいるかもしれないが、私はいいと思う。今までのキャリアの中で2人が積み上げてきたものなのだから。

 みちのく、ノア、新日本…3大会を通して観て、主役になっていたのは若い世代。プロレスの場合は時代がゴロッと変わることは難しいが、ジワジワと世代交代が成されていることを実感した。

投稿者 maikai : 12:44 | コメント (0)

2007年12月22日

私的ハッスル論

 現在発売中の『Kamipro』118号で『Kamipro』編集部のジャン斉藤編集長、坂井ノブ氏、堀江ガンツ氏(進行役は阿修羅チョロ氏)と11月25日の『ハッスル・マニア2007』についての座談会をやった。従来のプロレス業界に住んでいて、なおかつ天龍番と呼ばれる私がハッスルについてどう考えているのか、『Kamipro』編集部的には興味があるのかなと思いつつの出席だったが、それだけに面白かった。

 基本的に私はプロレスは何でもありだと思っているから、ハッスルについても肯定派だが、やはり他のメンバーとは微妙に感覚が違う。でも、それだからいい。プロレスはいろいろな角度から各々勝手に楽しめるジャンルなのだ。あとはそれが「好き」か「嫌い」かの個人的な好みの問題になると思う。

 ハッスルはファンタジーの世界。ファンタジーを完璧に創り上げることで、そこからリアリティーを生む。で、私個人のモノの好みからすると、映画にしろ何にしろファンタジーってあんまり好きじゃない。だからハッスルには感心もするし、今のところ「面白い」と思っているが、ファンタジーがさらに突き詰められたら、私の琴線に触れるものではなくなるだろう。でも、それは私の好みの問題であって、別に否定するものではない。それに夢中になるファンがいて、ショーとして完成されたものであれば、私は支持し続けるだろうし、肯定し続けるだろう。

 ハッスルについての現時点での私の考えは、この『Kamipro』118号、そして現在発売中の『Gスピリッツ』第4号の山口日昇代表との対談を読んでいただきたい。大晦日の『ハッスル祭り』の参考になれば幸いです。

投稿者 maikai : 14:08 | コメント (0)

2007年12月21日

IGFは猪木のオモチャ箱

 昨日の有明コロシアムにおけるIGF『GENOME2』は、いろいろな意味でスゴイ大会だった。もはやカードが当日にならなければわからないことにはファンもマスコミ関係者も慣れっこ。で、実際に純粋なプロレスの試合と言えたのはオープニングのAJスタイルズVSセンシとセミのカート・アングルVSケンドー・カシンの2試合だけ。

 だが、この2試合が良かった。まずスタイルズVSセンシはTNAのノンストップ・アクションのファイトだから、いきなり観客を引き込むには効果的な試合。かつてロウキーとしてゼロワン、ノアに上がっていたセンシは相変わらず人気があるし、スタイルズは試合巧者。アメプロ好きにはたまらないカードだ。

 そしてブッカーTの来日中止によってサプライズ的に実現したアングルVSカシンは、私的にイチオシ。どんなタイプとでも好ファイトができるアングルの実力が改めて確認できたし、カシンの約2年ぶりのプロレスもブランクを感じさせないもの。レスリングから入り、エルボー・スマッシュ合戦、カシンは立会人のデストロイヤーをいじり、雪崩式腕ひしぎ、絞首刑を決め、アンクルロックをクルリとエビ固めに丸め込むなど、持ち味を十二分に発揮した。カシンには、やっぱりプロレスに戻ってきてほしいものだ。

 その他の試合もそれなりに楽しめた。ブラジルの巨人軍団は胡散臭くてイイ。やたらとハイキックを振り回していたアマゾン・ブレードは205センチという発表だったが、どう見ても190センチぐらい。もう一方のダニー・イグアスは発表どおりに215センチありそうだった。でもこちらはブレードに比べてデクの棒度高し。こういうわけがわからない選手が登場するのも、プロレスのヘンな面白さである。

 WWEでクリス・マスターズとして活躍していたクリス・ムーアは格闘技色の強い柳澤相手にWWE流を通してフルネルソンで快勝。客席から「えーっ!?」という声もあったが、これこそWWEで話題になった必殺技マスターズロックなのだ。相手がどうあれ、自分のキャラを押し通すのもプロだ。

 タカ・クノウがあのノルキヤをフット・チョークで仕留めた試合、小原のヘッドバット攻撃に怒った人喰い義生が逆襲のタコ殴りで勝った試合も通常のプロレスとは違った面白さがあったと思うし、ジョシュ・バーネットとモンターニャ・シウバはヘビー級の迫力あり。シウバが和田良寛レフェリーを殴ったり、スリーパーをかけちゃったりというハプニング・シーンが生まれるのもIGFならではか。

 メインは安田、レネ・ローゼ、小川の三つ巴戦ということだったが、第1試合で安田がローゼをイスでぶっ叩いて失神させて、続く安田VS小川では立会人の猪木が試合途中でリングに駆け上がって小川をチョーク・スリーパーで失神させて、終わってみれば「勝者アントニオ猪木!」というふうなムチャクチャな展開に。それでも「1、2、3、ダァー!!」が出れば、すべてが許されてしまうのだ。

「猪木さんなら何をやってもいいのか!?」「いい」――それがIGFの世界。そう、IGFはプロレスにも格闘技にもこだわらない猪木のオモチャ箱である。猪木さんはリングを通じて“元気”を発信することを第一にしているのだ。IGFは“大バカ野郎”にならなければ楽しめない。

投稿者 maikai : 10:03 | コメント (0)

2007年12月18日

コンちゃんの別の顔

 昨日のサムライTV『S-ARENA』のゲストはエルドラドの近藤修司とミラニート・コレクションA.T.。ここでミソなのは近藤が全日本で暴れまくるVMの近藤ではなく、エルドラドの近藤として来たこと。全日本ではワルのイメージが強いが、エルドラドではSUKIYAKIなるユニットのリーダーを務めつつ、団体全体を牽引するベビーフェイスなのだ。

 エルドラド自体が試合数が少ないこともあって、この近藤を始め、ブラザー、大鷲、菅原、シュウ&ケイのバラモン兄弟(佐藤秀&恵)などが積極的に他団体で活動している。しかもそれぞれにエルドラドとは違ったキャラクターという状況だから、エルドラド自体のカラーがわかりにくいというのが難点だったが、それも今年に入ってのユニット分け(近藤率いるSUKIYAKI、大鷲率いる猛獣惑星、菅原率いるヘルデモンズ、ブラザー率いる南京レスリング部=消滅)によって、スッキリとした。

 その1年の締め括りとなるのが12・29後楽園だ。メインはヘルデモンズの菅原&バラモン兄弟が保持するUWA世界6人タッグに元南京のブラザー、沖本、ディック東郷が挑戦するラダーマッチ。その他、近藤、谷嵜、アントン、清水のSUKIYAKIと大鷲、福田、千賀、CHANGOの猛獣惑星による4VS4イリミネーションマッチ、飯伏にKAGETORAが挑戦するインディペンデント・ワールド・ジュニア・ヘビー級戦などがラインナップされている。

 さらに注目はミラノ・コレクションA.Tにミラニート・コレクションA.T.が挑むシングル戦。ミラニートはこの一戦をもってミラノのキャラを封印するという。ミラノはミラニートにとってプロレスのイロハを教えてくれた先生。闘龍門卒業生の中で、ミラニート世代は闘龍門とドラゴンゲートの狭間にあって不遇な環境に置かれてしまったが、それでもここまで頑張ってきた。ミラニートにとって、師匠ミラノから独立する大事な試合なのだ。

 それにしても無口だと思っていたコンちゃんは、エルドラドのことになると雄弁になる。VMとは別の近藤の顔を見たい人はぜひエルドラドに足を運んでみてください。

投稿者 maikai : 13:05 | コメント (0)

2007年12月17日

08年…全日本は新たなドラマに

 昨日の後楽園ホールにおける全日本プロレスは『ファン感謝デー』と銘打った年内最終戦。あの大食いクイーン、ギャル曽根が荒谷&平井とカレー早食い対決をしたり、鈴木みのるがレイ・ミノールに変身(ルチャの動きが見事だった)してメキシコ・アミーゴスDXが結成されたり、ザ・たっちが健介と組んで武藤&神奈月のF-1王座に挑戦したりと、お楽しみの大会だった。

 07年も全日本にはいろいろな流れがあった。ヘビー級では三冠王者・鈴木みのるでスタートし、春の『チャンピオン・カーニバル』は武藤が優勝。その武藤が7・1横浜文体で鈴木に挑み(私個人の中ではベストバウト)、8・26両国で健介が三冠王者に。夏には小島がヒールに転向してVM入りしている。

 ジュニアでは2月に世界ジュニアが中嶋勝彦に移動。中嶋は8月にクリス・セイビン相手に内容のある防衛戦をしている。サイド・ストーリーとしては3月からペペ・みちのく、ミゲル・ハヤシJr.、エル・ノサワ・メンドーサがメキシコ・アミーゴスを結成してMAZADA率いるサムライ・ニュージャパンと抗争を繰り広げた。

 そして08年はすべてがシャッフルされて新しいドラマが生まれる予感大。VMは諏訪魔が離脱しそうな雲行きだし、武藤も「VM壊滅!」を宣言している。三冠戦線では小島の動きが注目だし、西村がどんなポジションを確立するか。ジュニアは昨日の大会でメキシコ・アミーゴスが解散したことによって、また新たな流れになるだろう。前座戦線もT28、真田に加えて無我から移籍した征矢、健介オフィスの山口、さらには健介オフィスから2月に新人が2人デビューするし、メキシコでデビューしたKAIとYAMATOも帰国してくるだろうから熱くなるはず。

 毎年、リング上の流れが大きく変わる全日本。だが、どんな流れになっても、そこには「お客さんをハッピーな気分にさせる」というしっかりした方針があるのだ。2008年もパッケージ・プロレスを堪能したい。

投稿者 maikai : 12:13 | コメント (0)

2007年12月15日

大日本の2008年は…

 昨日は横浜文化体育館で大日本プロレスの今年最後のビッグマッチ。仕事の都合で会場に到着したのは4試合目のメンズクラブvs反メンズクラブの直前だった。メンズクラブの中でも上位メンバーしか入れないというメンズ・レッド=MENSテイオー、メンズ・ブルー=飯伏、メンズ・ブラック=大石のメンズ・レンジャイに対して反メンズクラブを宣言する忍が用意したXはマイケル&松永のヌルヌル・ブラザース! あの秋山成勲のヌルヌル事件をパロディにして「ヌルヌルこそ最強!」と誕生したヌル・ブラは、今年1年で本当に成長した。当初はキワモノだったが、オイルというギミックに頼るのではなく、ちゃんと試合を構成するのだ。そして毎回、感心させれるのは飯伏と忍の攻防。最後は飯伏がフェニックス・スプラッシュで忍を仕留めたが、来年はシングルでの対決も見たいものだ。

 今年最後のビッグマッチとあって、普段は上がらない選手が次々に登場。次はNOSAWA論外がMAZADAではなく、MASADAと登場。全日本ではコミカルな論外だが、ヨソに出ると本来の東京愚連隊の残忍さも発揮する。アブドーラ小林と「全日本!」「大日本!」とチョップ合戦をやって客席を煽りつつ、大根おろしのおろし金や出刃包丁(?)を凶器に使うのだからエグイ。

 そして注目はMASADA。この男、テキサス・サンアントニオを中心としたインディー団体ではトップの選手でもある。体もあるし、技もある。そして大日本のデスマッチ魂を持ち合わせている。最後はスカルファック・バスターでアブコバを仕留めただけに2008年はデスマッチ・タイトル戦線に浮上してくるのは必至だ。

 今年1年、大日本のデスマッチ戦線の新星として頑張ったのが宮本裕向。その宮本が佐々木貴とデスマッチ7番勝負の最終戦を行なった。3月に後楽園で佐々木のデスマッチ王座に挑んだ一戦は、私の仲では今年のデスマッチ・ベストバウト。ただ、その後の7番勝負では考えすぎたのか、大きな魅力の破天荒さが消えていたような気がするだけに、ここは最後にビシッと決めてほしい。形式はガラス特攻+アルファ・デスマッチ。デスマッチはアイテムを無暗に使ったらお客さんが引くだけ。いつ、どのタイミングで、どういう形で使うかで試合の良し悪しが決まってしまう。つまり、それだけ難しい試合である。サイコロジーの勝負と言っていいだろう。そこが宮本が3月以降に悩んだことなのかもしれない。結局、宮本は7戦全敗という結果になってしまったが、こう言った。
「最悪の結果かもしれないですけど、戦ってくれた先輩、そしてお客さんに支えられてここまで来れました。考えることがいっぱいで大変でしたけど、来年は結果を残すことにこだわっていきたいと思います。声援によって、ここまで頑張れるんだっていうのがわかったし、これからも修羅場をくぐって、誰もが認めてくれるようなデスマッチ・ファイターになりたいと思います」。
 今年の7番勝負は宮本にとって、精神的に学ぶ場だったようだ。

 セミではプロレス大賞最優秀タッグチーム賞の真壁&矢野が関本&井上と激突。真壁と矢野は好き勝手にやっているようでいて、実は相手の持ち味を引き出しつつ、勝つ術を知っている。
「タッグで俺たちに喧嘩を売ろうなんて10年早いんだよ、バカ野郎! お前ら素人だよ。一般人だよ。それが現実だ! 俺に喧嘩売ってきたな!? てめえら、地獄見せてやる。冗談じゃねぇぞ! 初めての大日本!? 俺たちが呼ばれた団体でふざけた試合したことあるか? 完璧だよ。 てめえらは何があるんだよ? 俺には何もねぇんだよ! 守るものはねぇんだよ! その俺に喧嘩を売ってきた意味をわからせてやるよ」
 と、例によって真壁節が大爆裂。2008年は大日本とGBHの抗争も生まれる。

 そしてメインは沼澤に伊東が挑んだデスマッチ・ヘビー級戦。試合形式はロープ4面に蛍光灯、4コーナーにはそれぞれクリスマスツリー、有刺鉄線ボード、蛍光灯、剣山がセットされた十字架が置かれた『4CONER CROSS OF D』というもの。

 正直な感想を言えば、私にとっては今ひとつの印象だった。それは戦っている当事者同士の思い入れが強すぎたのかもしれない。大日本の過去最大のビッグマッチは6年前の横浜アリーナ。王者・沼澤も伊東も、この時にはポスターから外されるような存在で、凄く悔しい思いをしたという。その2人がこうして年内最後のビッグマッチのメインでタイトルマッチを行なうのだから、お互いに特別な感情を抱いて試合をしても不思議ではないのだ。

 封印していたファイヤーバード・スプラッシュを3年ぶりに繰り出し、さらに必殺ドラゴン・スプラッシュで1年3ヵ月ぶりに王座を奪回した伊東は、こうコメントしている。
「蛍光灯というマンネリ化したアイテムをどう使うかというのと同時に新しいアイテムも考えていきたい」
 大日本プロレスのデスマッチはこの2~3年で究極にまで高められた。これを今後、どう展開していくかは大きな課題である。

 課題と希望を持って大日本プロレスは2008年に突入する。

投稿者 maikai : 11:57 | コメント (0)

2007年12月14日

無我ファイナル

 昨日は後楽園ホールで無我ワールド・プロレスリングのドラゴン・カップ決勝、そして“無我”という名前としてのファイナル興行だった。

 準決勝の藤波とTAJIRI、吉江と潮﨑はいずれも好試合。まず、藤波とTAJIRI。試合前、トイレで顔を合わせたTAJIRIは「藤波さん相手となると緊張しますねえ」と言っていたが、中盤までのグランドの攻防は見応え十分だった。腕を取り合い、足を取り合い…大技は一切ないが、それでお客さんを惹きつけて飽きさせない。こういう攻防の時の藤波の動きは機敏で素晴らしい。そして、それにTAJIRIがピタリと付いていく。最後はTAJIRIがレフェリーを吹っ飛ばしてのグリーン・ミストからバズソーキックと得意の流れを作ったが、策に溺れた恰好で、最後はドラゴン・スリーパーに轟沈。それでも試合後に赤のミストを噴き上げて大の字になり、這いずって控室に戻り…と、ちゃんとTAJIRIワールドを作り上げたのがさすがだ。

 また、TAJIRIの試合後のコメントも良かった。最初は「見ての通り、大したことないよ」などとコメントしていたが、突っ込みを入れていくと、含蓄のある言葉が口をついて出てきた。
「正直、今までやった日本人とは違いましたね。グランドの攻防は一歩半ぐらい負けていました。やっぱりこう、心が強いというか、うまく伝わるかわかりませんけど、不良の高校生を愛を持って更生させるしっかりした先生っていう感じですかね。あれは僕のキャリア、僕が歩んできた道では身に付かないものです。ああいう“しっかりした人”に一度、ハッスルに来てほしいですね。一度、ハッスルを観に来てもいいんじゃないかって。その時は一番前の席を用意しますよ。何でですかね、年季の入ったレスラーは体がデカイ。メキシコでビジャノⅢやカネックとやった時のような分厚さを感じました。僕らの世代にはない貴重な遺産ですよ。こういうものを吸収したから、ハッスルはまた成長しますよ」。

 吉江VS潮﨑は、潮﨑が吉江に真っ向からぶつかる肉体勝負。普段、ノアで145キロの森嶋と戦っている潮﨑は150キロの吉江と相対しても体力負けしない。チョップ合戦、ジャーマン合戦、ラリアット合戦を互角に演じ、コーナーへのパワーボム、ムーンサルト・プレスも繰り出した。ただオリジナル技ゴーフラッシャーを潰されたのが痛かった。

 それにしても夏のヘビー級リーグ戦から潮﨑はどんどん伸びている。チョップを繰り出しても、もはや小橋のコピーと言われないくらいのインパクトを身に付けている。今の若い選手は細いイメージが強いが、潮﨑の場合は骨太のイメージ。来年早々にもビザが取れ次第、無期限のアメリカ修行に出発するというが、大化けの予感大だ。

 さて、ドラゴン・カップ決勝は藤波VS吉江。西村離脱後、エース宣言している吉江が藤波のテクニックを馬力と気迫で押し切って優勝した。
「思えば、私にとってプロレスに入ってから初のシングル・タイトル。無我に入って成長して、優勝することができました。俺が選んだ道は間違ってなかったと自信を持って言えますね。だから何があっても大丈夫です。今年はいろいろあり過ぎましたけど、それも俺たちが成長するための試練だと思ってます。俺たちはデカクなって成長するんですよ。なぜなら俺がいるから。吉江豊がいるから。俺が優勝して未来が明るくないわけがない。無我のラスト…心機一転、新たな一歩を踏み出すためには名前を変えた方がいいんじゃないかって。名前は変わるけど、軸になる人間は一緒です。ただ地道にやっていくんじゃなくて、新しいものも展開していきたい。もう名前が出ているでしょう(=新日本の1・4東京ドーム)。すべては団体のためですよ。いろいろなものを背負って出て行きます。土産なしでは戻ってきませんよ!」

 吉江は力強くエース宣言した。事実上のドーム出陣宣言もした。キャリア13年にして担う重責。吉江が真の意味でデッカクなる時が来た。

投稿者 maikai : 09:37 | コメント (0)

2007年12月13日

プロレス大賞への反響について

 プロレス大賞についての書き込みが多数あった。これからも続くかもしれない。これだけ様々な意見が出るということは、裏を返せば2007年の日本プロレス界はどの賞についても「これだ!」という決め手に欠けたと言えると思う。それと同時に数多くの団体、様々なスタイルがあり、観る側の目も多様化しているということではないだろうか。

 今回の書き込みについてはファンのナマの声だと思うから、削除するつもりはありません。これだけプロレスについて考えているファンの人たちがいることは嬉しく思います。ただし、あくまでも書き込むのは自分の主張、意見、あるいは批判であること。決して人の悪口になったり、勝手な思い込みや決めつけ、推測で人の人間性を傷つけることのないように最低限のマナーは守ってほしいと思います。

 ということで、今日の後楽園における無我ファイナルについては明日、改めて書きます。

投稿者 maikai : 23:26 | コメント (3)

2007年12月11日

2007年プロレス大賞選考会

 昨日、正午から都内のホテルで2007年プロレス大賞選考会が行なわれ、去年に続いて私も出席させてもらった。選考委員は29人。今年は去年よりも選考が難航した。それだけどの賞も接戦、言い換えれば突出した存在がいなかったということでもある。この選考会はガチンコ。選考委員それぞれに1年間見てきたというプライドもあるから、議論の流れによっては殺伐としたムードも生まれる。そうして決定したのが以下の各賞だ。

〔最優秀選手賞〕三沢光晴
 MVPには三沢、棚橋、健介、小橋、曙の名前が挙がった。私が支持したのは小橋。たった1試合だけでMVPはどうなのかと迷ったが、たとえ1試合でも、人々に勇気と希望を与えるという日本のプロレスの本来の使命を体現してくれたし、世間一般でも話題になった。そして17000人ものファンを日本武道館に集めたということを考えたら、十分にMVPとしての資格があると思ったのだ。02年MVPのボブ・サップもプロレスは2試合だけで受賞だった。だが、やはり「1試合だけのレスラーにMVPはいかがなものか」「1年を通じて頑張ってきた他のレスラーはどうなるのか」「小橋がいないプロレス界を1年間、守ってきたレスラーにあげるべきでは」という議論に。最終的に投票で三沢と棚橋が残り、三沢が過半数を越える18票でMVPになった。

〔年間最高試合賞〕三沢光晴&秋山準VS小橋建太&高山善廣(12月2日=東京・日本武道館)
 ここでは他に鈴木みのるVS武藤敬司(7月1日=横浜文化体育館)、棚橋弘至VS後藤洋央紀(11月11日=東京・両国国技館)、KENTA&石森VS丸藤正道&飯伏幸太(9月9日=東京・日本武道館)、佐々木貴VS宮本裕向(3月14日=東京・後楽園ホール)、カート・アングルVSブロック・レスナー(6月29日=東京・両国国技館)が候補に上がった。私がノミネートしたみのるVS武藤は残念ながら第1回の投票で4票となって脱落。第2回投票では小橋復帰戦、アングルVSレスナー、棚橋VS後藤が残り、小橋復帰戦とアングルVSレスナーの最終投票にもつれ込んで、小橋復帰戦が受賞した。

〔タッグチーム賞〕真壁刀義&矢野通
 ここではタッグ三冠王の土井&吉野、IWGPジュニア・タッグ王者のディック東郷&TAKAみちのく、武藤&ザック・ゴーウェン、鈴木みのる&アブドーラ・ザ・ブッチャー、IWGPタッグ王者のバーナード&トムコ、過去に反選手会同盟やブードゥー・マーダーズといったユニットも受賞していることから髙田モンスター軍を推す声もあった。私は土井&吉野派だったが、最終的には真壁&矢野と東郷&TAKAが残り、「GBH代表という意味も含めて」ということで真壁&矢野が競り勝った。

〔殊勲賞〕棚橋弘至
〔敢闘賞〕森嶋猛
〔技能賞〕関本大介
 ここからの3賞も大混戦。私は今回の選考会で真壁、ROH世界王座を奪取して日本とアメリカを股にかけながら20回の防衛を果たし、日本でもノアのツアーの合間を縫って健介オフィス興行で中嶋勝彦と好試合をしたり、誰が相手でも内容のある試合ができるようになった森嶋猛、ゼロワンMAXで怪我から復帰してヘビー級の火祭り&ジュニアの天下一を制し、AWA世界王者にもなった田中将斗、様々な団体に出場して内容のある試合とインパクトを残した大日本の関本大介の4選手に賞をあげたかった。
 そんな中で殊勲賞は棚橋と森嶋の対決となり、MVPを逃した棚橋を推す声が多く、棚橋に決定。敢闘賞には森嶋、田中、真壁、曙、小橋、武藤、永田がノミネートされて森嶋に。技能賞は関本、川田、飯伏、永田、ミラノコレクションA.T.、中嶋がノミネートされて関本に。

〔新人賞〕B×Bハルク
 新人賞の資格はデビュー3年以内。つまり05年デビュー組からが対象となる。04年7月デビューの潮﨑豪、同じく04年7月デビューの飯伏幸太、04年10月デビューの鷹木信悟は対象外となるのだ。ノミネートされたのはRG、ゼウス、B×Bハルク、タカ・クノウ、谷口周平、青木篤志、インリン様の7人。私としては青木かハルク。RGも頭の中にあったが、それについては“別の思惑”があったので、私は青木を推した。投票の末、新人賞に輝いたのはハルクだった。

〔女子プロレス大賞〕該当者なし
 03年の浜田文子以来、該当者なしが続いている女子プロ大賞。やはり核になる団体が存在しないというのが辛い。それぞれに頑張っていても“大賞”となると「?」が付くのである。昨年、私は『息吹』を主宰して若手の育成にも力を注いでいる吉田万里子をノミネートしたが、過半数に届かなかった。今年はインリン様、高橋奈苗、神取忍がノミネートされたが、いずれも過半数に届かずに今年も見送りになった。

〔カムバック賞〕小橋建太
〔功労賞〕カール・ゴッチ
 上記の2賞は特別賞。この他、話題賞=武藤敬司、話題賞=ハッスルの提案があった。私が新人賞で敢えてRGを推さなかった思惑は、ハッスルとして特別賞に推薦したから。大晦日に興行を行ない、同日のゴールデンタイム放映も決定、新たなファンを開拓しているハッスルは個々の活躍というよりはひとつのパッケージとしての要素が強い。そこでハッスル全体として話題賞を提案したのだが、残念ながら過半数の支持は得られなかった。

 以上がおおまかな選考会の経緯。主催は東スポだが、決して東スポ主導のものではないということは記しておきたい。それだけに様々な意見や主張が飛び交う“凄い場”。相当なエネルギーを必要とする。今回、サムライTVとして初めて選考に加わった三田佐代子さんもグッタリしていた。プロレスラーが1年間、頑張ってきたことを評価するわけだから、選考委員それぞれにとっても、これは1年間の取材活動の総決算なのだ。

投稿者 maikai : 09:13 | コメント (48)

2007年12月10日

武藤敬司の掌

 昨日は最強タッグ優勝戦のGAORA中継解説のために大阪へ。全日本が大阪府立体育会館の第一競技場で試合をするのは昨年1月8日の小島とTARUの三冠戦以来。あの試合後に諏訪魔がVM入りしたことを考えると、時間が経つのは早いものだとしみじみ思う。

 さて、最強タッグの行方は、まず健介&川田と小島&諏訪魔が優勝戦進出決定戦を行なって、小島&諏訪魔が勝ち上がって優勝戦で武藤&ジョー・ドーリングと激突。武藤&ジョーが優勝した。

 今回の最強タッグは健介&川田が大本命、小島&諏訪魔が対抗、武藤&ジョーはノーマークだった。そんな中で優勝した武藤はこう言った。
「結局さあ、他のチームは“俺が、俺が”なんだよな。ジョーは経験も浅いし、荒削りで、俺らのチームは発展途上なんだけど、ジョーは完全に俺の掌に乗っかったんだよ。それがこの結果をもたらしたわけだ」
ウーン、武藤らしい深い言葉だ。思えば、武藤は89年にグレート・ムタとしてWCWに登場した時、当時の世界王者リック・フレアーの掌に乗ることでブレイクした。戦うにしろ、組むにしろ、信頼できるトップの人間の掌に乗ることの意味を武藤は知っている。それをジョーに実践させたのだ。

 昨日の大阪では駅長…じゃなくて上井二三彦氏と久々に再会。「いやあ、『Gスピリッツ』は面白いですねぇ!」と、それが社交辞令だったとしても嬉しい言葉。そして、前号&今号の2回にわたってインタビューしているブッチャーは試合後に額からダラダラと血を流しながら、放送席の私に向かってウインク。ヘンにいじられなくてよかった…。

 今日発売の『Gスピリッツ』第4号でのブッチャー・インタビュー後編は日本でのファイト&ビジネスについてが主題。日本プロレス→全日本プロレス設立→新日本プロレスへの移籍→全日本への復帰→東プロ、WAR、大日本等への参戦→現在、さらに真田広之と映画に出演した時のエピソード、素顔のラリー・ポール・シュリーブとして人生で一番大切なもの、引退についてなどを聞いているので御一読を!

 さて、今日はこれから『2007年プロレス大賞』選考会議へ。各賞の発表と、その経緯は明日書きます。

投稿者 maikai : 08:51 | コメント (0)

2007年12月09日

Gスピ情報その3=裏ミスター・プロレス

『Gスピリッツ』第4号は、いよいよ明日12月10日(月)に発売となる。私はフリーとして様々な媒体で仕事をしているが、今年の3月に週刊ゴングが休刊になり、メインとなる媒体を失った。それがこうして、新雑誌で活躍の舞台を得て今年を締め括れるのだから幸せだと思っている。

 さて、発売前の最後の情報としてお届けするのはドラゴンゲートの望月成晃インタビュー。今号ではドラゴンゲートのDVDが付録になっていることもあって、ご登場願った。というよりも、それは後付の理由であって、私はかねてからモッチーにインタビューしたかったのだ。

 一番のポイントは彼のプロレスラーとしての成り立ち。13年前に北尾道場(のちの武輝道場)で空手家としてデビューしたモッチーは、受け身もロープワークも知らずにプロレスのリングに立った。それが、いかにしてプロレスラーになっていったのかだ。武輝道場からWARへ。そしてバトラーツやみちのくに上がって実戦の中で様々なエッセンスを身に付け、ルチャを学んでいないのに闘龍門→ドラゴンゲートで確固たる地位を築いてきた。今回のインタビューで私はモッチーの一風変わったプロレス人生の引き出しを開けたつもり。

 なぜ望月成晃が“裏ミスター・プロレス”なのか…このロング・インタビューを読んでいただきたい。

投稿者 maikai : 09:00 | コメント (0)

2007年12月08日

Gスピ情報その2=ハッスルと真剣勝負!

 明後日12日10日(月)発売の『Gスピリッツ』第4号で、私はハッスル・エンターテインメント株式会社の山口日昇代表と対談を行なった。山口代表とはテレビ朝日の『リングの魂』に何度か一緒に出演しているから知らない仲ではない。当時、山口代表は『紙のプロレス』(現Kamipro)編集長で、私は週刊ゴング編集長。その頃から山口代表は独得の視点を持つ人だった。今回の取材は『ハッスル・マニア2007』1週間前という忙しい中、渋谷でのイベントを抜けて受けてくれたもの。本当に感謝だ。

 正直、Gスピの読者の多くは『ハッスル』を受け入れないのではないかと思う。だが、テレビ地上波放映がスタートし、大晦日の興行が決定。それが同日のゴールデンタイムで放映されるとなれば、真正面から捉えないわけにいかなくなる。私も山口代表との対談を通して、真正面から『ハッスル』にぶつかってみた。
 
 当然、髙田延彦の『泣き虫』も避けて通れないし、根本から『ハッスル』を解剖し、分析し、検証したつもりだ。そして、この対談を踏まえて『ハッスル・マニア2007』を総括させてもらった。ぜひ、読んでいただきたい。

投稿者 maikai : 17:51 | コメント (0)

2007年12月07日

『Gスピリッツ』第4号情報その1

4号.JPG

12月10日(月)発売の『Gスピリッツ』第4号の表紙&コンテンツを改めて紹介します。

【付録DVD】
ドラゴンゲート大特集
映像版選手名鑑/なにわ式イリミネーションマッチ/3WAY6人タッグマッチ勝ち抜き戦

【密着ドキュメント】
剛腕復活、小橋建太「“もうひとりの自分”との闘い」
NOAH12・2日本武道館

【クローズアップ】
アントニオ猪木「闘魂は不滅なり」

【検証1】
たけしプロレス軍団の全真相「実体なき団体の誕生と崩壊」
[証言者]スペル・デルフィン、邪道

【検証2】
初代ケンドー・ナガサキの奇妙な運命、そして3代目襲名計画

【スペシャル企画】
“千の顔を持つ男”ミル・マスカラス
国宝級マスク大研究2/アステカ帝国ガイド

【スペシャルインタビュー】
キラー・カーン(前編)「マスカラスにセメントを仕掛けた日」
望月成晃「目指すは“裏”ミスター・プロレス」
アブドーラ・ザ・ブッチャー(後編)「馬場との密約」
ラヨ・デ・ハリスコJr.「稲妻仮面2世の家庭事情」

【対談】
山口日昇ハッスル代表×小佐野景浩
「“ファイティング・オペラ”の本質」
ハッスルマニア11・25横浜アリーナ

【強力連載】
長州力の人生相談『くよくよ悩むな、コラッ!』
みのもけんじ『プロレス・スターウォーズG ~グレート・ムタ編~』
ザ・グレート・サスケ『愛のミステリーサークル』
菊地孝×門馬忠雄×吉澤幸一『三者三様』
男色ディーノ『続・男色病棟24時』
ますだおかだ増田『リングサイドを遠く離れて』
ハチミツ二郎『新日本プロレス復興計画』
ユリオカ超特Q『ドラゴン怒りの雪崩式リングイン』
ドクトル・ルチャ『アリーバ・メヒコ』
小佐野景浩『真説・天龍革命』
原悦生『格闘写真美術館』
渋澤恵介『世界ふしぎ再発見』他

投稿者 maikai : 08:50 | コメント (0)

2007年12月06日

スト市がやった!

 昨日は仕事の都合で試合開始時間より30分遅れてドラゲー後楽園大会へ。会場に着いたら、12・22後楽園の『DEEP33』で総合格闘技ルールで対戦するストーカー市川と滑川康仁がリング上で対峙しているところだった。

 いきなり凄いものを見てしまった。完全に無防備な滑川にスト市の張り手がモロにヒット! 滑川は不覚にも膝から崩れ落ちた…。花道の奥で一緒に見ていた岡村社長は大爆笑、DEEPの佐伯代表は苦笑い。こんなことをしていいのか!?でも、こんなことができるのが市ちゃんなのだ。

「火花が散りましたよ。やっぱりプロレスラーのパンチは凄いですね。正直、効いて…ビックリしました」
と苦笑気味に語った滑川だが、次に出てきたのは、
「当日は100パーセント真剣勝負ですから、ストーカー市川をぶっ潰しますよ!」
という格闘家としての言葉。ウーン、市ちゃんは大丈夫だろうか?

 ルールは3分2Rで、ロープエスケープを認める特別ルール。さらにスト市のカンチョーも認めるというが、佐伯代表は、
「DEEPに上がってくる勇気は買いますけど、2度とプロレスができない体になるかもしれませんね。特別ルールにしたのは、ローキック1発で終わる可能性を考えて、総合の厳しさを与えるために何度もダウンさせて、何度も関節を極めてロープに逃げさせて痛ぶるためです」
と不気味な予告。やっぱりヤバイか!?

 でも11・25新宿FACE『格闘王国LIVE2007』ではエルドラドの豪がパンクラスの佐藤光留相手に5分2R(判定なし)で時間切れに持ち込んでいる。スト市も“負けないファイト”に徹すれば、滑川だって、そう簡単には極められないのではないか。

 さて、この日のセミ&メインはキング・オブ・ゲート公式戦。セミでは勢いに乗る土井とROHのトップ、オースチン・エイリースの激突、そしてメインはCIMAとフジイの“原点対決”という好カード。そして年内最後の後楽園となる12・28では、現在のユニットの枠を取っ払ってCIMA、フジイ、鷹木とモッチー、横須賀、K-nessの激突することが決定。あのブラッド・ジェネレーションとファイナルM2Kが一夜限りの復活を果たしてぶつかるのだから、これはCIMAが言うように「少し遅いクリスマス・プレゼント&少し早いお年玉」だ。大きなストーリー展開の中に、常に後楽園用のストーリーがあるのがドラゴンゲートのいいところ。来年も楽しませてくれることだろう。

 ドラゴンゲートと言えば、12月10日発売の『Gスピリッツ』第4号のDVDはドラゴンゲート特集。試合としては今年の4・17後楽園で行なわれたタイフーン(CIMA、横須賀、斎了、キッド、ハルク、アンソニー、マット・サイダル)とマッスル・アウトローズ(岸和田、土井、吉野、堀口、Gamma、サイバー・コング、ジャック・エバンス)のなにわ式イリミネーションマッチと6・5後楽園で行なわれたタイフーン(横須賀、斎了、キッド)とニューハザード(鷹木、ハルク、サイバー)とマッスル・アウトローズ(岸和田、土井、吉野)の3WAY6人タッグマッチ(勝ち残り戦)。このDVDの解説は私が務めた。普段は全日本プロレスの解説をやっているものの、試合スタイルが違うし、両試合ともにリング上に次から次へと選手が登場してノンストップで動き回るから、付いていくのが大変だった。やはりドラゲーの試合は静止画ではなく動画で観るのが一番! ぜひ、ナマのドラゲーを体感していただきたいと思う。『Gスピリッツ』第4号の情報は、明日からお伝えしていきます。

PS.小橋復帰戦のダイアリーに対するコメントの中でGNOGさんから「小橋と秋山のチョップの応酬中に、小橋の背後から三沢がエルボーで割って入った場面についてどう思うか」という質問をいただいた。

 この場面は、私からしてみたら…小説で言えば“行間を読む部分”だと思います。それを自分なりにどう解釈するかというのもプロレスの楽しみ方のひとつでしょう。

 とりあえず、私の見解を簡潔に書きます。あれは、三沢がそれまでの小橋の間、ペースを壊しにかかったシーン。敢えて、ああいう行動に出たのは、それだけ三沢には小橋、あの試合に深い思いがあったのだと私は思った。

 これ以上、言葉を並べると無粋になるので、それこそ“行間”を感じ取っていただければと思います。

投稿者 maikai : 20:28 | コメント (1)

2007年12月04日

まっすぐなワタル

 昨日のサムライTV『S-AREANA』は12・8大阪で田口隆祐のIWGPジュニア王座に挑戦する井上亘がゲスト。私が週刊ゴングの編集長から編集企画室長に異動した後の99年10月デビューだから、コメントを取ったことはあっても個人的に話したことはなかっただけに“素での会話”は新鮮だった。

 ミスター・ハイテンションとして知られる井上だが、素顔は穏やかな若者。その分、リングに上がる時にはスイッチが入ってハイテンションになるのだろう。スイッチが入って別人格にならなければリングに上がれないタイプと言っていいのかもしれない。つまり、それだけプロレスラーとしての自分を突き詰めて考えているし、生真面目。まっすぐなのだ。

 昨日の放送で印象に残ったのは、無断で姿を消してメキシコに渡ったことについて「僕の行動は間違っていました。申し訳ありませんでした」と何度も謝罪していたこと。最近、スポーツ各界で謝罪が頻繁に行なわれているが、井上の謝罪が一番誠意が感じられた。

 これまでファイトがまっすぐすぎて、ここ一番の勝負に勝てなかった井上。その一途なまっすぐさが魅力でもあるのだが、それだけではトップに行けない。それは本人も十二分にわかっている。
「メキシコに行って、凝り固まっていた頭が柔軟になりました」
 という井上が、後輩のチャンピオン田口にどう挑むか? 残念ながら私は会場に行けないが、大阪のファンの人たちには井上の真摯なファイトを見届けてほしいと思う。

投稿者 maikai : 11:36 | コメント (0)

2007年12月03日

もうひとりの勝利者

 昨日の日本武道館では小橋建太の復帰に加えて、もうひとつ嬉しいことがあった。8月に週プロの連載コラム『ボーイズはボーイズ』で胃ガンであることを告白し、休業宣言していたフリーライターの斉藤文彦氏が現場復帰したのだ。

 何気なく記者席の左側を見るとフミちゃんがいる。「ようやく現場復帰だよ!」と以前と変わらない張りのある声。握手した時には私よりも明らかに握力があった。

 フミちゃんはベースボール・マガジン系、私は日本スポーツ出版社系だったから一緒に仕事をしたことはないが、同い年だし、会場ではいろいろな話をしていただけに、彼の大病は他人事ではなかった。我々、フリーの人間にとって体調を崩して仕事ができなくなることは一番怖いことなのだ。

 小橋の試合は並んで観戦。腎臓ガンを克服してリングに上がった小橋の姿をフミちゃんはどう見ただろうか…。

静養中はずっとテレビで各団体、アメリカン・プロレスをチェックしていたという斉藤文彦氏が再び独特の文体でアメリカン・プロレスの醍醐味を伝えてくれることを期待しています。

投稿者 maikai : 16:03 | コメント (0)

2007年12月02日

人生の勝利者

 今日、遂に小橋建太が花道を歩き、そして27分7秒もの試合をした。果たして今日の試合が彼の体にどんなダメージを与えたかは現時点ではわからない。でも、これだけは言える。彼は人生の勝利者だ。

 この1年半、彼は闘い続けてきた。そして様々な医療的な制約がある中で体を作り上げた。精神的にも大変な時期が多々あったと思う。そうしたすべてを乗り越えてリングに立った時点で勝利者である。

 だが、彼は自分自身にさらに高いハードルを課した。自分が自分であるためのリング復帰であると同時に、応援し続けてくれたファン、困難を抱えるファンに勇気を与える試合をするということだ。

 私が最後に小橋に接したのは多聞とのコンビでGHCタッグを獲得した昨年6月4日の札幌だった。試合後、小橋はこう言った。
「これからも1試合1試合、全力でやっていきます。俺たちがファンに返せることは1試合1試合、全力でやることだと思うんで、これからも全力でみんなの声援に応えていきたいと思います。その気持ちがなくなったら、自分じゃなくなるから。この気持ちがなくなったら、リングに上がらないと思いますよ」

 どんなことがあってもその気持ちを持ち続けていたからこそ、今日の復帰があったと思う。思えば、日本のプロレスの原点は人々に夢と希望、勇気を与えることだったはず。その意味で、今日の小橋の復帰戦は日本のプロレスの原点を見せてくれたと言っていいのではないか。

 私は今、思っている。小橋建太のプロレスに対する情熱は1987年6月20日に全日本プロレスに入門した日からまったく変わらない。

 今はありふれた言葉しか見つからない。「おめでとう!そして素晴らしい生き方を見せてくれてありがとう」

投稿者 maikai : 22:54 | コメント (1)

2007年12月01日

昨日の削除の件について

 昨日、モバイルGスピリッツに連動する形で『Gスピリッツ』第4号の表紙を公開しながら、その後に削除しました。それについての事情とお詫びは以下のモバイルGスピリッツのお詫び文章の通りです。

『Gスピリッツvol.4』表紙公開に関するお詫び
12月2日以降に公開するべき『Gスピリッツvol.4』(12月10日発売号)の表紙を当サイトにおいて事前に公開してしまったことで、株式会社プロレスリング・ノア様に多大なご迷惑をおかけいたしました。編集部一同、謹んでお詫びを申し上げます。今後はこのような事態を招かぬよう細心の注意を払って雑誌及びサイトを制作・運営して参る所存です。

投稿者 maikai : 02:20 | コメント (3)