« ドラゲー&ラジオ | メイン | ノアを纏った大森隆男 »

2007年11月12日

棚橋VS後藤に見えた光

 気がつけば、昨日の両国は8・12両国以来、2ヵ月ぶりの新日本。この間に棚橋がIWGP王者に返り咲き、メキシコから後藤が凱旋している。テレビでチェックした限りでは、10・8両国の永田VS棚橋、後藤VS天山は私好みの試合。敗れた永田、天山の意地が試合のそこかしこに見え、棚橋、後藤が押し返し…“素の闘い”が感じられたからだ。

 その10・8を経ての昨日の棚橋VS後藤。この新世代によるIWGP戦は新日本にとって賭けであり、未来への希望であり、祈りでもあっただろう。そして…そこには未来の光が見えた!

 まず驚かされたのが、後藤に対する観客の熱い声援。今、いかに新日本ファンが新しいヒーローを求めているかということだ。後藤は、そうしたファンが期待するに価する雰囲気を身に付けている。1年のメキシコ修行で体をヘビー級に改造し、面構えも変わったし、ファイトも変わった。1年でこれほどイメージが変わった選手も珍しい。骨太な雰囲気は新日本ファンが頼もしさを感じて当然である。

 一方、王者の棚橋はそんな後藤一辺倒の空気の中で王者としての巧さ、したたかさを存分に発揮した。ロープ・ブレークの際の張り手などの細かい反則で正攻法の後藤を挑発、そして低空ドロップキック、バリエーションに富んだ各種ドラゴン・スクリュー、足4の字と徹底した足攻め。観客をも掌に乗せてブーイングを楽しんでいる感じでもあった。後藤の昇天にあわやというシーンもあったが、2発目の昇天は首がために切り返し、間髪入れずに逆さ押さえ込み…このあたりの切り返しは、昨年7月にIWGP王者になってからの数々の修羅場を潜り抜けてきた男のしたたかさを感じさせられた。

 そんな棚橋が真価を発揮したのは25分過ぎ。フォール・イン・ラブを狙ったが、後藤がボム気味に潰したために首からキャンバスに突っ込んでしまった。それは9・22大田区でCIMAが頚椎捻挫を負ったのと瓜二つのシーンだった。異変を察知した海野レフェリーが試合を一時ストップさせようとしたが、後藤は攻め手を緩めない。首筋へのダイビング・エルボー、雪崩式の回天とカサにかかる。それでも棚橋は3カウントを許さない。そんな戦況に、それまで後藤一辺倒だった声援が棚橋に傾いたのだ。ちょっと嫌味なヒール・ファイトに徹していた棚橋の“素の姿”に観客の心が動いたのだろう。
 
 最後は昇天をスリング・ブレイドで切り返し、ファルコン・アロー、そして足へのハイフライ・フローからテキサス・クローバー・ホールド。切り返しの妙と、序盤からの利に適った足攻めが棚橋に勝利をもたらした。これまでの棚橋には説得力が欠けていたが、この日は理詰めのファイトによって説得力十分。そしてアクシデントが起こっても、やり遂げる心の強さも見せてくれた。

 もちろん敗れた後藤も大健闘。まだまだ棚橋と横一線とはいかないが、初のIWGP挑戦、初の両国メインにふさわしいファイトをやってくれたと思う。ここから“時の勢い”だけではない後藤洋央紀を見せていってほしい。

 さて、試合後の棚橋だが、これも立派だったと思う。首のダメージが大きく、控室の奥に運ばれて、コメントを出すのは処置後となっていたが、海野レフェリーが「とても喋れる状態ではないので」とマスコミに事情説明。「明日、改めて勝利者会見を行ないます」ということで落ち着いたのだが、その直後に棚橋は目もうつろ、足をフラつかせる状態ながらマスコミの前に出てきて、
「後藤洋央紀は強かったです…。でも、俺が新日本のチャンピオンだ。このベルトは誰にも渡さない」
 とコメント。これ以上、喋るのは無理だったが、棚橋はチャンピオンの大会最後の仕事としてマスコミへのインタビューに応えようとしたのである。

 王者としての強さとしたたかさ、誇り、自覚、責任感…今の棚橋にIWGPのベルトは凄くよく似合う。

投稿者 maikai : 2007年11月12日 13:07

コメント

棚橋には全く威厳もなければカリスマ性も感じないです。
かつての三銃士や四天王のようなスター性もないです。

投稿者 黒覆面の魔王 : 2007年11月16日 21:15

あれから7年。
今でもこの棚橋対後藤は生涯五本の指に入る名勝負です。

投稿者 三沢さん : 2014年10月01日 23:51

コメントしてください




保存しますか?