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2007年04月19日

ナチョ・リブレ

 昨年6月、ハワイに行っている時のこと、やたらとテレビでスポットCMが流れていたのが『ナチョ・リブレ』。小太りの髭の男がマントをつけてルチャをやっているシーンが印象的だった。日本では昨秋に公開されたが、なかなか観るチャンスがなく、ようやくDVDを借りてきた。

 話は単純。修道院で育てられたイグナシオ(ジャック・ブラック)が孤児たちに御飯を食べさせるためにルチャドールのナチョとなって、エストレージャのラムセスと戦うというもの。やはり注目はルチャのファイト場面だ。何となくミル・マスカラスを思い起こさせるラムセスは現役のルチャドール。キャストを見るとセサール・ゴンザレスとなっている。セサール・ゴンザレスということは…シルバー・キング! どうりでいい体をしているし、動きもよかった。

 この『ナチョ・リブレ』はファイト・マネーで孤児院を経営していた実在のルチャドール、フライ・トルメンタをモチーフにしたもの。この映画を観て自然と思い出したのは、12年前に会ったトルメンタのことだ。

 時は95年2月。当時、私は週刊ゴングの編集長になったばかりで、4月2日に東京ドームで開催されるベースボール・マガジン社主催の『夢の懸け橋』に反対の立場を取り、同日に後楽園ホールで行われるWARの『阪神大震災チャリティ興行』を支持していた。そんな私にTAMA拳心館の長瀬正和氏から「トルメンタにチャリティ興行の話をしたら、ぜひ参加したいと言っています」という連絡が来たのだ。

 私とWARの武井正智社長、海野宏之レフェリーはトルメンタが出場するという東京・練馬区のIWAホールでの私設孤児院のチャリティ・イベントを観に行った。その時、トルメンタはすでに50歳。ルチャドールとしても二流の域を出ないが、それでもコーナー最上段からのプランチャなど、懸命なファイトを見せてくれた。試合後に控室に訪ねると「4月2日は被災者のために全力でファイトしますよ」と柔和な笑顔で語り、メキシコの民芸品をプレゼントしてくれたことを記憶している。

 トルメンタは4・2後楽園のオープニングマッチを受け持ってくれた。この日がデビューのトルメンタ・ジュニアとタッグを組んでチャカール、ボーイ・デンジャーと対戦。ジュニア、チャカール、デンジャーはトルメンタの孤児院で育てられた選手。トルメンタは“息子たち”に囲まれて、楽しそうにファイトしていた。今、メキシコで人気が爆発しているミスティコもトルメンタの孤児院で育った選手だ。

『ナチョ・リブレ』を観て、今さらながら、トルメンタという人物に少しでも関われてよかったと思っている。

投稿者 maikai : 2007年04月19日 14:34

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